2010年 4月28日 水曜日放送 - 話題先取り!情報誌早読みチェック新旧「不思議の国のアリス」徹底比較!

1冊目「SWITCH5月号」(スイッチ・パブリッシング)

今週紹介する雑誌は、映画や音楽を中心に最先端のカルチャー情報が満載の「SWITCH」。注目記事は「わたしの国のアリス」

ジョニー・デップ主演の「アリス・イン・ワンダーランド」の公開をきっかけに原作「不思議な国のアリス」について大々的に特集を組んでいる。


© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved
現在公開中の「アリス・イン・ワンダーランド」は19歳に成長したアリスが、再び不思議の国へ入り込み、そこで世界の運命を書けた戦いに挑むと言うストーリー。


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アメリカでは公開1か月で興行収入3億2000万ドル。日本でも公開初日の観客動員数があの「アバター」の2倍と言う記録的な大ヒット。
そもそも原作「不思議の国のアリス」が出版されたのが1865年。

6歳の少女アリスが迷い込んだ不思議な国で、服を着た白ウサギや自由気ままなチャシャ猫などヘンテコな住人たちと出会い奇妙な冒険をするというファンタジー作品だ。
しかし、このアリスには実在のモデルがいた。それがこのアリス・リデル(左)。

原作者のルイス・キャロル(右)は、友人の娘だったアリスから自分をモデルにした話を作ってくれと頼まれ、この摩訶不思議な物語を生み出したのだ。
今では130以上の言語に訳され、聖書の次に読まれていると言われるほど。
さらに、作られた映画も30作以上。
その理由として、日本ルイス・キャロル協会の夏目康子さんはこう語る。

夏目さん「映像作家なら描きたいと思うところが色々とあると思う。例えばアリスが大きくなったり小さくなったリするところをどう描くか…。また、面白い動物がたくさん出てくるのでそれをどう表現するかとか、いろんな工夫が出来る作品だと思います」
公開中の「アリス・イン・ワンダーランド」も最新の3D技術を駆使し話題を呼んでいるが、いつの時代の「アリス」も監督たちの想像力を刺激してきた。
そこでアリス映画の歴史をたどってみよう。

【1903年】
世界初のアリス映画。映画が発明されて間もないころのイギリス作品だ。

たった8分間のサイレンとムービーだが随所に工夫がされている。例えば物語の冒頭、白兎を追いかけアリスが穴に落ちるシーンは…

ご覧の通り、穴は横穴。さらに不思議なジュースを飲んで小さくなるシーンは…

サイズを変えて撮影した映像をつなぎ合わせて、小さくなった事を表現している。

【1915年】
こちらはアメリカで製作された52分のアリス初の長編映画。原作の挿絵を忠実に再現したリアルな着ぐるみが登場する。

注目は首だけになるチャシャ猫。見事に首だけになっている。

さらにアリスが夢の中に入っていく様子もフィルムを組み合わせて表現するなど、03年版と比べて技術の進歩が見られる。

なお、この1903年版と1915年版の「不思議な国のアリス1903-1915」はWHDジャパンより発売中。

【1951年】
この年にディズニーがアリスをミュージカル仕立てのアニメーションとして製作した「ふしぎの国のアリス」。「青いドレスに白いエプロン、そして金髪」というその後のアリスのキャラクターを決定付けた作品となった。

【1972年】
こちらはイギリスのTV映画。

「アリス 不思議の国の冒険」(エプコット)© LONDON FILMS
これもミュージカル仕立てになっているが、注目は動物たち。今までは着ぐるみが主流だったが、この作品では特殊メイクを使用。また合成技術も格段と進歩している。

【1988年】

「アリス」(コロムビアミュージックエンタテインメント)© CONDOR FEATURES Zurich
こちらはチェコの作品。アリス以外は全部人形と言う異色作。他のアリス作品とは一線を画すシュールな世界を描いている。例えばアリスを不思議の国に誘う白ウサギはガラスケースに入った剥製。そんなウサギの後を追うと、そこは穴ではなく机。バケツに座ると底が抜け、その先はなぜかエレベーター。黒いインク瓶を飲み干すと無表情な人形に変身…。全編通してシュールの連続。

ところで日本はどうだろう。日本では実写版こそないが、人気は古くからあった。最初に翻訳されたのが1899(明治32)年。「鏡世界」と言うタイトルで少年誌に掲載された。その主人公の名も「アリス」ではなく「美(みい)ちゃん」。その後も日本語訳が多く出版され、三島由紀夫が翻訳を手がけた事もあるそうだ。

ゴールデンウィークに「アリス・イン・ワンダーランド」を楽しもうと思っている人も、過去の作品と見比べる事でより楽しめる事間違いなし。