2010年 8月25日 水曜日放送 - 話題先取り!情報誌早読みチェック若者も熱中!今、農業がアツイ!! 今週は一風変わった雑誌を紹介する。
「アグリズム」という雑誌だが、これは20代30代向けの農業専門誌なのだ。

従来の農業専門誌といえば、同じ出版社から発行されている左の雑誌のようにお堅いイメージがあったが…

「アグリズム」はおしゃれでポップな紙面づくりを目指している。

中には、「僕らの農場にあの娘がやってきた」なる農場を舞台にしたグラビアページも。


この「アグリズム」、去年創刊したのだが、なぜこのような雑誌が登場したかというと…

農業就職者数は毎年減って入るが、逆に39歳以下の新規就農者は、ここ15年で2倍に増えている。最近では芸能界でも本格的に農業にチャレンジする人も増えている。
その理由を「アグリズム」副編集長・紺野浩二さんに訊ねてみた。
紺野さん「リーマンショック以降、派遣切りとか非常に経済で苦しい状況に日本が追い込まれたときに、確実に食べ物が手に入れられるのが農業だという事ですね。」


さらにもうひとつ、農業の世界に入りやすい理由があるという。
紺野さん「行政が新規就農者のための研修制度を行なったり、実際に働いてみるとどうなのかということを教えてくれるところがあります」


長野県では県と農家がタッグを組み、農家予備校を開校している。それが『新規就農里親制度』。


平成15年からスタートした制度で、熟練農業者が里親になり、一人前の農業者を育てるシステム。


佐久市で農業を35年やっている由井喜代子さんも里親の1人。現在3人の研修生を受け入れている。


由井さん「サポートして、将来独立して農業やってもらえるということは、希望の星じゃないですか」


研修期間は1年。月4万円の助成金をもらいながら、畑の管理方法や適正な収穫時期など農業に関する知識を学ぶ事ができる。さらに、独立時に必要な農地や住居、農耕器具などの準備も手伝ってくれる。
由井さんはいままでに15人の就農者を育てた。その中には特殊な経歴を持った人も。
娘の容ちゃんとキュウリの収穫をする藤井志郎さん。現在、奥さんと2人のお子さんの4人家族。


藤井さんの特殊な経歴とは…
藤井さん「東京大学の理科1類に入学して、そこで緑地学の研究室を卒業です」


藤井さんは東京大学出身。卒業後はIT企業などに就職し、年収は1200万円以上。エリートコースを歩んでいたが…。


藤井さん「ほとんど外食だし、帰るのは終電だし、家族との時間も少ない。それじゃ続かないなと思って。自分で直接何かをやりたいなと思いまして、自分の理想としている仕事は農業なんじゃないかなと思い始めたんですね。」


一年半の研修を経て2007年、農家として独立。
初期費用の内訳は4,500坪の農地は年8万円で借りることができ、トラクターは中古のものを約18万円で購入。その他パイプハウスや農作器具などを含めトータル100万円。



半年かけて農地を耕し、難しいといわれる無農薬栽培を研修のおかげで1年目から栽培に成功。今ではトマト、ナス、ピーマン、トウモロコシなど年間50種類の野菜を作っている。


さらに、サラリーマン時代の経験と人脈を生かし、地道に販売を開始。最初は40組程度のお客さんが、おいしさが口コミで広がり4年間で120組以上に。ところで、気になる年収は…?



藤井さん「あの当時の半分ぐらいですね。収入以外のところで得られるものが大きいというか、とにかく幸せですね」
『収入以外』のもの、それは家族との時間。
藤井さんは去年農地の横にある2,400坪の土地を購入し、一戸建てを建てた。土地込みで3,000万円。


涼しい日はテラスが食卓に。子どもたちも自宅で採れた野菜が大好物。



奥さん「農業は一生食べていける仕事というか、収入がなくても食べていくこと出来るじゃないですか。そういった意味でも一番安定していると思っています」


そして、この農業ブームは芸能界にも。
榊原郁恵さんや工藤夕貴さん、大桃美代子さんなどが農業の楽しさを味わっている。
さらに、ここ北海道でも農業に興味をもった芸能人がいた。


――今、何しているんですか?
芸能人「間引き。間引きしないとね」
と間引きに精出すのは、来年芸能生活40周年を迎える研ナオコさん。


サッカーグラウンドとほぼ同じ広さの1,500坪の畑が研さんの農地「ケンズファーム」。現在は黒大豆、ソバ、カボチャなどを栽培中。


去年から始めたばかりの農業ビギナーの研さん。地元の方に指導を受けながら作業を進めている。この日はニンジンの間引き。


研さん「悩むな、これどれ取ったらいいか。バランスよくしないといけないでしょ」
――結構な量、間引きしないといけないんですね?
研さん「いけないんですよ、ちょっと蒔きすぎちゃって、種。なんせ素人でしょ」


この日の気温は34度。炎天下の中、作業は続く。


研さんはトラクターも自ら運転するほどの本気っぷり。なぜここまで農業に興味が沸いたのか?


研さん「元々、私の実家は農家じゃないですか。安くておいしい安全なものを皆さんのところにお届けできれば一番いいかなと」


子どもの頃に食べていた野菜の本当の味。それを多くの人に知ってもらいたくて農業を始めた研さん。




ケンズファームの参加者は、研さんのご主人や地元の農家の方など6名。まだ採算は取れてないが、研さんは将来的には北海道永住も考えているという。
研さん「自分で作ったものをね、後で食べるんですよ。楽しいですよ、大変だけどね」

