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2017.09.10

日本VS中国 中田監督も涙の善戦

 女子のワールドグランドチャンピオンズカップ2017の大会5日目第3試合で、日本が世界ランキング1位の中国と対戦した。勝てば銅メダルが決まる一戦。今大会でも4戦全勝と圧倒的な実力を誇る"女王"に果敢に立ち向かったが、セットカウント1‐3で惜敗した。

 第1セットを22‐25と接戦の末に落とした後の第2セット。メダル獲得と大金星への期待に会場のボルテージは最高潮に達した。23‐24と先にセットポイントを握られ、後がなくなった場面で"鉄腕"荒木絵里香、渾身のブロックがさく裂。ピンチをしのいだチームに割れんばかりの「ニッポン!」コールが送られる中、内瀬戸真実、堀川真理が連続してスパイクを決め、最強の中国からセットを奪い返した。

 ここ2試合、出場機会がなかった主将のミドルブロッカー岩坂名奈も先発起用に応えて奮闘。第2セットの立ち上がりで鋭いクイックを決めて今大会初のスパイク得点。11‐14と苦しくなった場面でブロックを決めると、直後に2本続けてサービスエースを奪い、会場の雰囲気を一変させた。初先発したセッター佐藤美弥の強気なトス回しも冴えた。失敗したアタッカーやコンビをすぐに使い直す"ストロングスタイル"で、トスを通じてチームを鼓舞した。

 中国の絶対的エース、シュ・テイのスパイクもワンタッチを取って攻撃につなげたが、実力はその上を行った。シュ・テイは198cmの長身をいかし、日本のブロックの上を山なりで超えるコントロールショットを連発。冷静に得点を重ね、最終的には硬軟織り交ぜたで攻撃でスパイク25得点をマークした。

 3セット目以降、日本は相手ブロックに捕まる数が増え、劣勢が続いた。佐藤に代え、これまで4戦全てで先発セッターを務めた冨永こよみを投入するなど総力戦で挑んだが中国の勢いは止められず、第3セットを18‐25、第4セットを16‐25で落とした。

 試合後、ミックスゾーンで取材を受けている最中、中田監督はタオルで目元を覆った。取材陣から涙の理由を問われると、「悔しいっていう思いと、選手たちに対して、みんな本気で頑張ってくれたという気持ちです」と、強豪に臆さず立ち向かっていった教え子たちの奮闘に感極まっていた。

 日本の最終成績は2勝3敗で5位。中国は5戦全勝の完全優勝となった。

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