展覧会紹介

館長メッセージ

2011年、ワシントン・ナショナル・ギャラリーは開館70年を迎えます。これは、当館の歴史を振り返ると同時に、将来に向けた計画を進める上で大変重要な節目です。このたび、そうした計画の一つである西館の大規模改修により、当館所蔵の印象派とポスト印象派の傑作から、たぐい稀な作品群の貸し出しが実現しました。これらの作品は、その質はもちろん、重要性、そして人気という観点からも傑出しており、このような展覧会の開催はワシントン・ナショナル・ギャラリーの歴史上かつてないばかりか、将来もないであろうと思われます。本展を日本のみなさまにご覧いただけることを大変嬉しく思います。

ナショナル・ギャラリーが所蔵する、絵画約400点からなる印象派とポスト印象派のコレクションは、紛れもなく当館で最も重要な作品群の一つです。アメリカはもちろん、世界でも有数の高い品質を誇るこのコレクションは、寛大なアメリカ市民の寄贈によって創られました。当館が収蔵した最初の印象派の作品は、1942年のワイドナーの遺贈によるもので、その後、他の所蔵家たちからの寄贈作品がこれに加わりました。当館のコレクションはこれらの寄贈者なくしては実現し得なかったものであり、私たちはここに、こうした特筆すべき個人を称えます。

最後に、本展覧会の実現にご尽力いただいた日本テレビ放送網、読売テレビ、読売新聞社、本展の成功を確実なものにしてくださった国立新美術館、京都市美術館に感謝の意を表するとともに、ワシントン・ナショナル・ギャラリーと日本、日本の美術館、そして日本の文化との永年にわたる友好関係、さらには両国の末永い友情を心より誇りに思います。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー館長アール・A・パウエル3世