本作は、マネが当時パリの画壇で最も権威ある展覧会、サロンに出品した作品です。モチーフになっているのはパリのサン=ラザール駅であり機関車ですが、その姿は蒸気と鉄格子によって隠され、見ることはできません。画中の親子とおぼしき二人の女性は、年齢、衣服の色、視線の方向においてコントラストをなしており、画面を前景と後景に分断している鉄格子のリズミカルな配置とともに、作品を印象深いものにしています。