よみひと知らず

　「何か、自分にできることはないか」 ３．１１以来、そう思いつつも個人でのボランティアに足を踏み出せなかった筆者でしたが、報道局の有志が「よみひと知らず」を始めたと知り、手を挙げさせてもらいました。
第６回は岩手・釜石市で開催。日本テレビと地元のテレビ岩手から３人ずつのアナウンサー、そして報道局から筆者を含めて５人のスタッフが参加しました。
会場は仮設住宅の集会所。お年寄りやお子さんを中心に６０人近くの方が集まり、発声練習や箱の中身を当てる「これなぁに」クイズなどを実施。中でも盛り上がったのは、地元局アナが釜石の方言を出題、地元の方からヒントをもらって日テレアナが答える「方言クイズ」。事前に「岩手はシャイな人が多い」と聞いていましたが、特にお年寄りたちが勢いよく手を挙げてもらい、良い意味で予想を裏切られました。
終了後には参加スタッフ全員で釜石市内を視察。１年以上経っても残ったままの、鉄骨がむき出しの建物の姿に、しばらく何も言葉が出てきませんでした。
東京の、テレビ局の人間が被災地に行って何の役に立つだろうか、と自問しながらの参加でした。しかし、ある参加者の「震災がないと皆さんは来なかっただろうから複雑。でも、東京の人に忘れられてない、と思うと元気が出てくる」という言葉に、何かの役にはっているんだな、と逆に勇気付けられました。
これからも、テレビ局にできる社会貢献とは何かを考えながら「よみひと知らず」続けます。

報道局 政治部 岩隈政信