2月14日(日)深夜1:45〜3:05
(放送時間20分拡大)

指 揮 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

ブルックナー作曲:
交響曲第9番

※2009年9月24日 サントリーホールにて収録


第8代読響常任指揮者
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ


今回は、第8代読響常任指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんの指揮で、ブルックナー最後の交響曲、第9番をノーカットでお送りしました。しかも!番組放送時間を20分延長した、永久保存版特別バージョンです!


ブルックナー(1824-96)

♪ブルックナー:交響曲第9番
ブルックナーは晩年、7年もの歳月をかけてこの曲の第3楽章まで完成させますが、その後、健康状態が悪化し、第4楽章“フィナーレ”を書きかけのまま、74歳でこの世を去りました。未完に終わったものの、第9番はブルックナーの交響曲の集大成と言われています。

今回の指揮者、“ミスターS”ことスタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんは、今年3月で読響常任指揮者を退任します。3年間という任期の中、重厚な読響サウンドに更なる磨きをかけたマエストロ。読響団員、読響ファン、双方から熱い支持を得ているスクロヴァチェフスキさんに、独占インタビューしました。

Q1. ブルックナーの交響曲第9番とは?
言うまでもなく、この曲はブルックナーの偉大な作品の一つです。私はブルックナーの交響曲をどれも素晴らしい音楽だと感じるように、この作品もとても素晴らしいものだと感じています。この作品は、人生そのものと言えるでしょう。神聖なる金字塔ともいうべきこの曲を音楽家はもちろん、音楽に対し敏感な方ならば楽しんでいただけると思います。

Q2. 読売日本交響楽団について
この数年、読響と共演するにあたって、メンバーの幅広い音楽への見識と確立されたテクニックや奥深い音楽的才能に常に感謝をしています。幸せなことに、私の音楽つくりに対し、彼らは何ら苦もなく対応することができ、協力的です。争うこともなく、自然と理解し合える関係を築くことができ、とても嬉しく思います。

Q3. ファンへのメッセージ
どうぞ読響の素晴らしい演奏会に来てください!日本には多くの素晴らしいオーケストラや指揮者がいて、多彩で興味深いプログラムが組まれていることは承知しています。しかしその中でも 私が読響と企画してきた数々のプログラムは、クラシックファンの皆様の期待に添った演奏ではなかったでしょうか。日本の聴衆のみなさん、ぜひ読売日本交響楽団の演奏会に来てください!

〜今回の公演から、熱い演奏が伝わる読響団員さん達のスナップショットを、特別にご紹介〜





終演後、メンバーがステージを降りても、カーテンコールは鳴り止みませんでした。


スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)  Stanislaw Skrowaczewski(conductor)
1923年10月3日、ポーランドのリヴォフ(現在はウクライナ領)に生まれる。
 4歳でヴァイオリンとピアノを始め、7歳でオーケストラ曲を書き、11歳で公式リサイタルを開いてピアニストとしてデビュー。13歳の時にはベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を弾き振りするほどの神童だったという。しかし、第二次大戦中に空襲で負った手の傷が元で、ピアニストの道を断念。以降、作曲と指揮の勉強に向かった。
 大戦終結後、クラクフでワルシャワ・フィルを指揮した際、時のフランス大使が感動したことが縁で、奨学金を受けて2年間、パリに留学。まだ、西側に出ることが困難な時代だったが、そのパリで熱心に作曲を学んだ。
 1940年代後半から本格的な指揮活動に入り、46年、ブロツワフ・フィルの指揮者を務めた後、カトヴィツェ・フィル(1949-54年)、クラクフ・フィル(1954-56年)、ワルシャワ国立響(1956-59年)の音楽監督などを歴任。この間、56年にローマの国際指揮者コンクールで優勝し、58年にはクリーヴランド管を指揮してアメリカ・デビューを果たした。以降、ニューヨーク・フィル、ピッツバーグ響、シンシナティ響に客演している。
 その後、1960年から20年近くにわたってミネソタ管弦楽団(旧ミネアポリス交響楽団、1968年に改称)の音楽監督を務めた。ワルシャワ国立響の首席指揮者に続いて、84-91年には英・ハレ管弦楽団の首席指揮者を務め、現在はミネソタ管の桂冠指揮者のほかザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者でもある。アメリカ国籍を得て、今はミネアポリス在住。 ブルックナーの指揮では世界的に定評があり、ブルックナー交響曲の解釈でマーラー・ブルックナー協会から金メダルも授与されている。ザールブリュッケン放送響との「ブルックナー交響曲全集」は世界中で賞賛され、「カンヌ・クラシック大賞2002(19世紀管弦楽作品部門)」を受賞している。 読売日響とは1978年に初共演して以来、2000年、02年、05年と演奏を重ね、同年末には「第九」を指揮。07年4月、第8代常任指揮者に就任した。2010年4月より、桂冠名誉指揮者となる。