7月20日(水)深夜2:29〜3:29

指 揮 大友直人 広上淳一
チューバ 次田心平(読響チューバ奏者)
ヴァイオリン 三浦文彰
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 古市幸子(日本テレビアナウンサー)

リムスキー=コルサコフ作曲(宮村聡編曲):
くまんばちの飛行
ヴォーン・ウィリアムズ作曲:
チューバ協奏曲 へ短調

※2011年2月3日 東京オペラシティコンサートホールにて収録

サン=サーンス作曲:
ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 から

※2011年4月7日 東京オペラシティコンサートホールにて収録



読響チューバ奏者・次田心平のチューバ協奏曲
読響が誇るチューバ奏者・次田心平さんの演奏で、ヴォーン・ウィリアムズ作曲チューバ協奏曲をお送りしました。

次田心平
2008年に読響のチューバ奏者として入団。
京都市立芸術大学を首席で卒業。第24回日本管打楽器コンクールで第1位を受賞。読響で演奏する他にソリストやブラスアンサンブルなどで幅広く活躍している。


〜次田心平&古市幸子2Sインタビュー〜

古市:まずはチューバのことを色々とお伺いしたいのですが、そもそも
   チューバとの出会いというのは?

次田:中学生のときブラスバンド部でトロンボーンがやりたかったん
   ですけど、ちょっと部員が多くて。それで男の子だけ集めて
   ジャンケンをして負けたんですね。僕と同じくらいの体型の子が二人、
   見事にパーで負けて。

古市:その後どうやって気持ちを収めたんですか?

次田:その後は駄々をこねたんですよ。「嫌だ」って。そうしたら
   実家の方まで顧問の先生が説得しに来て。
   それで最初は渋々やったんですけど。

古市:始めてみていかがでしたか?

次田:チューバを最初に吹いたときに「どーん」と音が響いたんですね。
   たぶんすごくショボイ音だったと思うんですけど、そのとき
   自分にとってはすごく響いた感じがあって、その感じが好きになって
   それから続けるようになりましたね。


古市:もともとチューバという楽器をあまりよく知らないんですけれども
   どんな楽器なんですか?

次田:オーケストラの中でも一番最後の方に開発された楽器で、
   まだ未開発というか、どれがチューバというのが正直決まっていなくて。
   本当に色々なチューバがあるんです。


そこで次田さんに色々な種類のチューバを特別にご用意頂きました!
一口にチューバと言っても材質や管の構造によってそれぞれ異なる音域や音質などがあるんだそうです。

このチューバには音域の違い(高い音域・低い音域) があります。


よく見ると、楽器の細部にも違いがあります
←「ピストン」と呼ばれる、丸いボタンのようなものを押すタイプのチューバ


「ロータリー」と呼ばれる、レバーを押すタイプのチューバ→ 

古市:演奏される方は、1本の楽器をずっと使ってらっしゃるんですか?
次田:最低でも2本は持っていると思いますね。こういう音を出したいと思ったらこの楽器を使って、というように、
   曲によって楽器を変えたり、2本使うときもあります。

古市:一つの曲の中で?皆さんで演奏しているときに持ち替えるんですか?
次田:はい。

チューバの仲間たち


<高音が魅力のテナーチューバ>
チューバの仲間ですが、読響ではトロンボーン奏者が演奏します
リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」などで使用される


<作曲家ワーグナーの名前が付いたワーグナーチューバ>
読響ではホルン奏者が演奏します
ブルックナーの交響曲などで使用される




<チンバッソ>
トロンボーンに似ているがチューバの仲間
読響ではチューバ奏者が演奏します
ヴェルディの作品に使用される

古市アナ、チューバに初挑戦!!


まずはマウスピースを吹くことからスタート!
唇を震わせて、このマウスピースを鳴らす




チューバのマウスピースは右のようにトランペットやホルンと 比べると圧倒的に大きくて重い




そして重さ8キロのチューバに息を吹き込む
なんと、初めてでも音を鳴らすことが出来た古市アナ。
次田:結構いい音ですよ!今音が鳴った時の振動とか、どうですか?
古市:とにかくうれしかったです。まさかこんなに大きな楽器の音が
   鳴らせるなんて夢にも思わなくて。


今回、読響のチューバ奏者の次田さんは、ソリストとして読響と共演!

古市:読響は次田さんにとってどんなオーケストラですか?
次田:読響は色々な指揮者が来るのですが、その指揮者によって自在に変化できるところが、読響の好きなところです。

<読響正指揮者・下野竜也が語る次田心平>
読響正指揮者 下野竜也インタビュー

「彼の音がボーンと出てくるだけで、オーケストラの全体のサウンドがまろやかになるというか温かくなる。10何年たったら彼は日本の金管楽器界のリーダーになる。」

次田:大好きな指揮者からそう言ってもらえるのは嬉しいです

古市:自分がメンバーであるオーケストラでソリストとして演奏したのは
   どんな気持ちでしたか?

次田:やっぱり普段一緒に演奏している仲間の人に助けてもらいながら
   吹けるというのは、わくわくしました。

古市:他からソリストの方が来るときと違って、他の団員さんも妙に
   ニコニコして楽しみにしている空気がやっぱり伝わってきましたね。

次田:僕も普段後ろからなので、皆の背中しか見えないんですけど、
   前から見るとみんなこんなにもニコニコしているんだって思って、
   すごく嬉しかったですね。


古市:今回演奏して頂いた、ヴォーン・ウィリアムズのチューバ協奏曲
   なんですけれども、この曲の聴きどころはどんなところですか?

次田:ヴォーン・ウィリアムズさんもこのコンチェルトのためにチューバの
   ことを勉強されたところもあるんじゃないかと思うくらい、チューバに
   とってすごく良い音がする音域を使われているんですね。
   ちょっと高めの音を使うので、心地のよい音を作りやすいコンチェルトに
   仕上げてくれていると思います。


アンコールでは、スタンディング・プレイで
リムスキー=コルサコフのくまんばちの飛行を披露してくださいました。
右回転、左回転でグルグルと回り続ける次田さんに、 拍手喝采!

注目の若手ヴァイオリニスト・三浦文彰登場!

三浦文彰
2009年に世界最難関と言われるハノーファー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝。 国内外の有名オーケストラと共演。 2011年5月にはCDデビューも果たした。


ヴァイオリニスト 三浦文彰インタビュー

Q.サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」の 魅力は?

僕の中のイメージは、キラキラした明るい音楽です。ヴァイオリニストにとってすごく難しいテクニックが要求される部分も多いですし、オーケストレーションは本当に美しくて、僕が大好きな曲です。

今回の放送では、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番から第2楽章、第3楽章をお送りしました。


響け!この思い!読響被災者支援コンサート
6月18日、読響のOBアンサンブルのメンバーが福島県会津若松市の避難所を訪れ、弦楽四重奏を演奏しました。

およそ2000人の方が避難し、生活されている会津東山温泉。この日司会を務めた橋本さんは、被災地である相馬市の出身ということで、今回の慰問コンサートに特別な思いで参加されました。


この日演奏された7曲の中でも、特に被災者の方々の心を強く打ったのは、「ふるさと」。
演奏と共に「ふるさと」の歌声が響きました。



<コンサートに来て下さった方は・・・>
「『ふるさと』を聴いたら、帰れるかどうかと思い、感無量でした。」
「『ふるさと』を歌わせてもらって、涙は出たけど嬉しかった。」
被災者の方々は様々な思いでこのコンサートを聴いていらっしゃいました。

さらにこの日、会津若松市文化センターでも、満員のお客様を迎え、
チャリティコンサートが行われました。


楽員が聴きどころを紹介!

コントラバス奏者 ジョナサン・ステファニアク
読響コンサートへの誘い!!
〜コントラバス奏者ジョナサン・ステファニアク〜

2011年8月24日(水) PM7:00 サントリーホール
サマーフェスティバル 真夏のコバケン・スペシャル
《リスト生誕200年記念》
リスト/交響詩〈前奏曲〉
リスト/ピアノ協奏曲第1番
《マーラー・イヤー・プログラム》
マーラー/交響曲第1番〈巨人〉 

指揮:小林研一郎 ピアノ:金子三勇士

マーラー「交響曲第1番」の聴きどころは第3楽章のカノンです。テーマが各楽器によって順番に演奏されますが、コントラバスのソロから始まります。ソロの前に最初の音やボウイング、指使いのことを考えるとドキドキです。私も以前ソロを弾いた時、とても緊張しました。 しかし、コントラバス奏者にとって素晴らしい瞬間です。今回のソロを弾く首席コントラバス奏者・西澤誠治さんの演奏には、彼の深い洞察を感じ取っていただけると思います。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

次田心平(チューバ) Shimpei Tsugita(tuba)
京都市立音楽高校を卒業後、1998年京都市立芸術大学音楽学部に入学。在学中、2000年カナダにて国際チューバコンクールのセミファイナルに出場。その後、インディアナ州立大学の教授ダニエル・ペラントゥーニ氏の自宅にて数週間教えを受ける。01年PMF(パシフィックミュージックフェスティバル)に参加。02年、同大学を首席で卒業し音楽学部賞、京都音楽協会賞を受賞。読売新人演奏会に出演。第18回日本管打楽器コンクールチューバ部門第4位、第21回同コンクール3位と続けて入賞。その後、第24回日本管打楽器コンクールチューバ部門において審査委員満場一致の1位となる。03年7月〜08年3月まで日本フィルハーモニー交響楽団に在籍。07年同交響楽団をバックにコンチェルトを協演。さまざまな吹奏楽バンドでソリストとして出演する。08年から、読売日本交響楽団チューバ奏者。現在に至る。その他にも侍ブラス、ジャパンチューバソロイスツ、The Tuba Band、なにわ≪オーケストラル≫ウインズのメンバーとして活躍する。洗足学園音楽大学の非常勤講師。チューバを鹿島三嘉、武貞茂夫、ダニエル・ペラントーニ、ロジャー・ボボの各氏に師事。ブレーン・ミュージックよりDVD「テューバマスター」、オクタヴィア・レコードより「TuBest!」をリリース。「TuBest!」はレコード芸術の特選盤に選ばれる。
次田心平のBlog≪http://shimpeituba.blog40.fc.com/≫
大友直人(指揮者) Naoto Otomo(conductor)
現在、東京交響楽団常任指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、東京文化会館音楽監督、琉球交響楽団ミュージックアドバイザーを兼任。在京オーケストラの定期演奏会にとどまらず、これまでにコロラド交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団などへの客演も行い、欧米での活躍にも大きな期待が寄せられている。また1988年日生劇場における「魔弾の射手」でのオペラデビュー以来、オペラの指揮も高く評価されている。特に、2006年プッチーニ音楽祭にて三枝成彰作曲オペラ「Jr.バタフライ」を指揮し、大いに注目を集めた。近年では教育的活動にも力を注ぎ、「こども定期演奏会(東京交響楽団)」や「東京音楽コンクール(東京文化会館主催)」などを行うほか、国際音楽セミナー「ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン」を盟友である指揮者アラン・ギルバートと毎年開催するなど、活発な活動を行っている。2000年第8回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、2008年第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。
三浦文彰(ヴァイオリン) Fumiaki Miura(Violin)
三浦文彰は、2009年世界最難関とも言われるハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝して国際的に大きな話題となった。現在、最も将来が嘱望されるヴァイオリニストである。東京都出身。3歳よりヴァイオリンを始め安田廣務氏に、6歳から徳永二男氏に師事。これまで国内外で多くのオーケストラと共演し、2010年は宮崎国際音楽祭、北京でのオーケストラとの共演、ドイツ・シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、フランス・マントン音楽祭など音楽祭への参加など、国内のみならず国際的な活動を展開している。現在、(財)明治安田生命クオリティオブライフ文化財団より奨学金を得て、ウィーン私立音楽大学に入学、パヴェル・ヴェルニコフ氏のもとで研鑽を積んでいる。2009年度第20回出光音楽賞受賞。2011年5月にはCDデビューも果たした。
広上淳一(指揮者) Junichi Hirokami(conductor)
東京生まれ。東京音楽大学指揮科に学ぶ。第1回キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールに優勝し、国際的な活動を開始。1991〜95年ノールショピング響首席指揮者、91〜00年日本フィル正指揮者、98〜00年リンブルク響首席指揮者、06〜08年コロンバス響音楽監督を歴任する傍らフランス国立管、ベルリン放送響、ウィーン響、コンセルトヘボウ管、モントリオール響、イスラエル・フィル、ロンドン響など欧米各地のオーケストラに客演。2007年サイトウ・キネン・オーケストラへの客演も絶賛を博した。またオペラの分野でも、シドニー歌劇場におけるヴェルディ《仮面舞踏会》や《リゴレット》が高く評価されたのをはじめ、国内外で活躍。2008年から京都市交響楽団常任指揮者。