9月11日(水)深夜2:44〜3:44
BS日テレでは9月21日(土)朝7:00〜8:00に放送

指 揮 レイフ・セゲルスタム
     ユーリ・テミルカーノフ
ピアノ 菊池洋子
     河村尚子
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子(AKB48)

モーツァルト作曲:
ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488 から
第1楽章(抜粋)、第2楽章、第3楽章

※2013年1月21日 サントリーホール

ラフマニノフ作曲:
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 から
第1楽章、第3楽章

※2013年5月10日 サントリーホール



≪ピアノ協奏曲特集!≫
今月はピアノ協奏曲特集!注目の女性ピアニスト、菊池洋子さんと河村尚子さんが登場しました。

モーツァルト作曲ピアノ協奏曲第23番

菊池洋子
高校卒業後、イタリアのイモラ音楽院へ留学。2002年第8回モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初優勝。ザルツブルク音楽祭に出演するなど世界各地で演奏活動を繰り広げる。

〜菊池洋子(ピアニスト)×松井咲子(AKB48)〜
松井 菊池さんは高校を卒業してすぐにイタリアの大学に留学したと
    お聞きしたのですが、なぜイタリアを選んだのですか?

菊池 習いたかった先生がイタリア人だったからです。
    フランコ・スカラ先生という先生で、そのフランコ・スカラ先生が
    日本に来て講習会をやったり、またはその生徒が日本に
    演奏ツアーに来たり、日本のコンクールに出たりしている演奏を
    聞いて、同じ先生に習っているのにみんな演奏がとても個性的で、
    「なんて面白い演奏をするんだろう」と、とても心惹かれて、調べたら
    イタリアのイモラにある学校だということでそこに決めました。

松井 日本とイタリアでレッスンの違いはありましたか?
菊池 行ってすぐに衝撃を受けたんですけど、イタリアでレッスンを受けたときに
    まず「ここはどう思うの?」と聞かれて、「どう思うって!?」とすごく動揺した
    ことがあって。でもヨーロッパの人々はどんどん自分の思ったことを言って、
    それで先生とディスカッションをするんです。
    「あなたがそう弾きたいなら、その手の使い方だと思っていることが表現
    出来ないんじゃないの?その体の使い方だと柔らかい音が出ないよ」とか、
    私がどうしたいのかということをまず先生は聞いて、そしてその手助けを
    してくれるレッスンの仕方は、だからこそ個性が伸びるんだなと思いましたね。

今回菊池さんが演奏するのは、モーツァルト作曲ピアノ協奏曲第23番。
モーツァルトの作品を多数レパートリーとする菊池さんが語るモーツァルトの魅力とは?


モーツァルトの作品というのはすべて「オペラ」なんですね。すべての音が
言葉や対話になっている。一つ一つの音が一つ一つの言葉になって
いるので、すべてが歌、対話の曲というのが他の作曲家とは違うところだと
思います。一つの音階「ドレミファソラシド」を弾くときにもオペラ歌手が
歌っているようにどこを頂点に持って行くのか、同じ「ドレミファソラシド」でも
ただ同じスペースで弾くのではなく、言葉を喋るときと同じように、同じ
リズムでずっと話すのではなく揺れ動いたり少し早くなったり。それを
フレーズで全部考え、そして大きく一つの曲で、「このお話のクライマックスは
どこなのか?」ということを考えて作っていくのがすごく楽しいですね。

松井 先ほどリハーサルを見せて頂いて、私もモーツァルトは大好きなのですが、2楽章の楽器の掛け合いが魅力だと思いました。
菊池 この曲は2楽章が本当に美しいですよね。モーツァルトのすべての作品においてだと思うんですけど、すごく軽やかな部分と
    同時に重い部分、奥深い部分とユーモアのあるいたずらな部分とが同時に入ってくるというのがモーツァルトの難しさだと
    思うんです。だから2楽章の短調の美しい深い旋律の所々にもいたずら心のある所を感じます。モーツァルトの曲で半音階が
    出ると、「あ、嘘泣きが出たな」といつも思うんですけど、悲しい所が悲しいだけではなく、すごく長調で明るい所にもふっと
    寂しくなる所があったり、それを同時に出していくのが難しくて、それがこの曲の中にもたくさんちりばめられています。
    またこの曲はクラリネットが2本入っていて、クラリネットがすごく重要になっているので、木管楽器との掛け合や弦楽器との
    掛け合いも本当に美しいと思います。


ラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第2番

河村尚子
兵庫県で生まれ5歳からドイツで生活。ハノーファー国立音楽芸術大学卒業。
ミュンヘン国際コンクール第2位、クララ・ハスキル国際コンクール第1位。

河村さんは幼少時代からドイツで生活し、学生時代はロシア人の先生に師事。
様々な国の文化が音楽に与えた影響とは?

河村尚子インタビュー

ドイツ人の音楽の解釈の仕方というのは、理論的に音楽を理解していく、楽譜を正しく読んで理解していくという傾向があるのですが、私はそれを素晴らしいことだと思っています。なぜなら作曲家の意図を深く読み込んでそこから音楽を創っていきます。ロシア人の音楽家は 自分たちの体の中にある、血の中にある音楽をみんなに見せたいという思いがとてもあると思います。またロシアは国土が大きく、土地の広さにも恵まれているので、音楽もスケールの大きさが違うと思います。私の場合はどちらも使おうかなと思ったらその引き出しを出せるようになったのではないかな、と思います。

読響コンサートへの誘い!!〜 from 松葉春樹(チェロ)

チェロ
松葉春樹

10月2日(水)19:00開演
サントリーホール
10月3日(木)18:30開演
東京オペラシティコンサートホール


ベルリオーズ/劇的交響曲「ロミオとジュリエット」(抜粋)
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番


指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ

ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、地を這うような低音から泣き叫ぶような高音まで本当にチェロの音域の広さを存分に使った作品なので、そういう意味ではすごく魅力的な作品だと思います。スクロヴァチェフスキさんはこの演奏会で90歳のお誕生日を迎えられます。90歳になってさらに若々しい音楽に触れられるのを楽しみにしています。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

菊池洋子(ピアノ) Yoko Kikuchi(Pianist) 
2002年、第8回モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝して一躍注目を集め、翌年にはザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネに出演するなど国内外で活発に活動を展開し、今や実力、人気ともに日本を代表するピアニストの一人である。読響とは03年に初めて共演し、以来05年、06年、08年と共演を重ねてきた。09年には、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲をフォルテピアノとモダンピアノを用いて演奏する企画で注目を集め、10年春のチューリヒ・トーンハレでのリサイタルでは聴衆を魅了。12年9月にはハノーファー北ドイツ放送フィルと共演し、絶賛を博した。CD録音にも意欲的で、これまでにモーツァルトのアルバムや室内楽のアルバムを数多くリリースしている。第17回出光音楽賞受賞。
河村尚子(ピアノ) Hisako Kawamura(Pianist)
兵庫県西宮市に生まれ、5歳で渡独。ハノーファー国立音楽芸術大学在学中、ミュンヘン国際コンクール第2位入賞、クララ・ハスキル国際コンクール優勝を果たし、一躍世界の注目を浴びた。以後、ドイツを拠点に世界各国でのリサイタルや、内外の主要オーケストラとの共演など、国際的な活動を広げている。
2009年、「夜想(ノットゥルノ)〜ショパンの世界」でCDデビュー。セカンド・アルバム「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番/シューマン<フモレスケ>」もリリースされている(いずれもRCA Red Sealから)。新日鉄音楽賞、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞受賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、ホテルオークラ音楽賞を受賞。読響とは09年に初共演、今回が3度目の共演となる。