2014年3月5日(水)深夜2:29〜3:29
BS日テレでは3月29日(土)朝7:00〜8:00に放送

指 揮 シルヴァン・カンブルラン
ピアノ 金子三勇士
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子(AKB48)

バルトーク作曲:
ピアノ協奏曲第3番
6つのルーマニア民族舞曲

※2013年12月10日 サントリーホール



≪バルトーク特集!≫
今回はハンガリーを代表する作曲家バルトーク特集。
ピアニスト金子三勇士さんの演奏で、バルトークのピアノ協奏曲第3番をお送りしました。
金子三勇士(ピアニスト)
1989年 日本で生まれる 父は日本人 母はハンガリー人
1995年(6歳) バルトーク音楽小学校(ハンガリー)に入学
2001年(11歳)飛び級で国立リスト音楽院大学ピアノ科に入学
2006年(16歳)帰国 東京音楽大学附属高校に編入(2年生)
2008年(18歳)バルトーク国際ピアノコンクールで優勝
現在は東京音楽大学大学院に在学中

実は番組MCの松井咲子さんは金子さんと同じ高校出身。(金子さんは松井さんの1年先輩)
お互い高校生時代からよく知っている…ということで特別対談が実現しました!!

〜金子三勇士(ピアニスト)×松井咲子(AKB48)〜

松井 三勇士先輩のプロフィールですごく気になることがたくさん
    あるんですけど、6歳でハンガリーへ留学なされたんですね。

金子 ちょうど2歳くらいの時にCDでバルトークの音楽を聞き「ピアノって
    いいな」と幼いながらもすごく感動しピアノを始めました。
    家族旅行でハンガリーに行った時に素晴らしいピアノの先生を
    紹介されて、是非留学させてくださいという感じで、6歳で行く事に
    しました。

松井 不安はなかったのですか?
金子 不安もたくさんありましたが、良い意味でまだ幼なかったので6歳で色々心配することはなかったです。
松井 そしてなんと11歳の時に飛び級で大学に入学。
金子 小学5年生の時に「どこかほかの学校を受けてみたら?」と
    進められて、色々と準備をして受験をして、合格しました。

松井 11歳から見たら18歳なんてみんな大人じゃないですか?
金子 大人ですね。まず18歳の同級生とどうコミュニケーションをとったら
    いいかわからないですし、先生も年齢関係なく対大人として色々な
    意味で扱ってくるので…

松井 そして16歳で帰国して東京音大附属高校の2年生に編入。
金子 そこで松井さんにもお会いしましたね。松井さんの高校時代はすごく
    おとなしくて静かなイメージがあって、絶対一人でいらっしゃる時間が
    なくて印象の強い方の後ろにいるようなイメージが…(笑)

松井 ありがとうございます。あまりおしとやかって言われることがなかったので(笑)。皆三勇士先輩にはすごく憧れてました。
    アイドルみたいな感じになっていましたよ。

金子 今アイドルになられている方に言われるもの不思議ですね(笑)
松井 私、三勇士先輩を見ると「緑」のイメージがあるんですよ。なぜかと思ったら、上履きのゴムの部分が緑だったから!(笑)
金子 あと緑のネクタイですかね(笑)
松井 ハンガリーと日本でピアノのレッスンの仕方の違いはありましたか?
金子 ハンガリーはものごとを大きく見ていくんですね。例えば作曲家のこの作品は何故書かれて、この作品はどういう意味を
    持っていて、どうやって演奏しようか…と最後に譜面が出てきます。日本はまったくその逆で、譜面を開いて音を
    読み始めて、何が感じられるか、そこから何は見えてくるか…みたいに逆のプロセスでなんですね。それが僕にとっては
    新鮮で、この両方を経験すると色々なものが見えてくるなと思います。


今回のバルトーク特集は、ピアノ協奏曲第3番と「6つのルーマニア民族舞曲」をお送りしました。

ベーラ・バルトーク(1881-1945)
20世紀に活躍したハンガリーを代表する作曲家
民俗音楽の研究家としても知られ多くの民謡を作品に取り入れる
教育者としてピアノのための教育作品を多数残す
現代音楽の手法を取り入れた複雑で独特な作風

ハンガリーで音楽を学んだ金子さんが語るバルトーク作品の楽しみ方とは?
金子 僕は教育とか民族音楽の方から入ってバルトークが大好きになったので、たぶんどなたでもその順番から
    入れば好きになれると思います。

ピアノ協奏曲第3番の魅力とは?
金子 今回バルトークのピアノ協奏曲第3番を初めて日本で演奏
    させていただきました。まずこの機会を頂けたことにすごく
    感謝しています。この作品は特にバルトークらしい作品で、
    亡くなる直前に奥さんのために書き残した非常に美しい
    作品でもあります。読響さんもマエストロも非常にバルトーク
    に対する熱い思いを感じる事ができて、1人のハンガリー人
    としてすごくうれしいコンサートになりました。

「6つのルーマニア民族舞曲」の魅力とは?
金子 原曲はピアノ曲。非常にフレンドリーで人間的な素直な部分
    がたくさん入っている、親しみやすい作品じゃないかなと
    思います。

松井 小さい子でも楽しめる曲ですよね。弾いていても楽しいし、
    聴いていても楽しいですね。


追悼…ゲルト・アルブレヒトさん

読響の桂冠指揮者、ゲルト・アルブレヒトさんが2月2日に亡くなりました。(享年78)
アルブレヒトさんは、名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を辞任後、1997年12月に読響と初共演。
1998年4月第7代常任指揮者に就任しました。現代曲や演奏機会の少ない作品を披露し、日本人若手作曲家への委嘱やレコーディングも積極的に行い、多くのクラシックファンに「読響・新時代到来」を印象付けました。
2000年にはカナリア諸島音楽祭でアジア代表として出演。さらにマエストロの故郷であるドイツ国内やオーストリア・ザルツブルク祝祭大劇場で演奏会を開催し大成功をおさめました。
さらに、ヘンツェ「午後の曳航」ツェムリンスキー「夢見るゲルゲ」ワーグナー「パルジファル」などオペラ作品も積極的に取り上げ、2000年の定期演奏会で日本初演を果たしたグルリットの「ヴォツェック」では、文化庁芸術祭優秀賞を受賞しました。
その他、子供たちが直接楽器に触れあう「響きの博物館」を開催するなど、教育分野にも力を注ぎ、来日の度に様々な日本の文化に触れる勉強熱心な姿も印象的でした。
そして2007年、9年間務めた常任指揮者を退き、読響初の桂冠指揮者に就任。2012年6月の最後の来日まで共演を重ね、日本の聴衆に多くの感動を与えてくれました。
マエストロのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


読響コンサートへの誘い!!〜 from 金子 平(首席クラリネット)

首席クラリネット
金子 平さん

4月17日(木) 19:00
サントリーホール
4月19日(土) 14:00
東京芸術劇場


シェーンベルク/弦楽のためのワルツ
リスト/ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
マーラー
 交響曲第4番 ト長調「大いなる喜びへの賛歌」


指揮:シルヴァン・カンブルラン
ピアノ:ニコライ・デミジェンコ
ソプラノ:ローラ・エイキン

マーラーの交響曲第4番の第4楽章では、ソプラノの独唱も加わってまるで天上の世界のような雰囲気になります。そこでバスクラリネットが悲しい羊の鳴き声のような音を出すのですが、僕はそこが好きです。是非聴きに来てください。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

金子三勇士(ピアニスト) Miuji Kaneko(Piano)
1989年、日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれる。6歳で単身ハンガリーに留学しバルトーク音楽小学校にてチェ・ナジュ・タマーシュネーに師事。11歳で国立リスト音楽院大学に入学、エックハルト・ガーボルらに師事。2006年、ピアノ科の全課程修了をもって帰国、東京音楽大学附属高等学校に編入し、清水和音、迫昭嘉、三浦捷子に師事。バルトーク国際ピアノコンクール優勝の他、数々のコンクールで優勝。10年にCDデビュー。これまでに小林研一郎指揮/読響、新日フィルなどと共演、海外ではハンガリー、アメリカ、フランス、ドイツなどで演奏。現在、東京音楽大学大学院に在学中。第12回ホテルオークラ音楽賞、第22回出光音楽賞を受賞。スタインウェイ・アーティスト。24歳の新星ピアニストとして今後の活躍が期待されている。