2014年11月19日(水)深夜2:29〜3:29
BS日テレでは11月29日(土)朝7:00〜8:00に放送

指 揮 コルネリウス・マイスター
ピアノ アリス=紗良・オット
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子(AKB48)

ベートーヴェン作曲:
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15

ベートーヴェン作曲:
エリーゼのために

※2014年9月3日東京芸術劇場



≪注目のピアニスト アリス=紗良・オット登場!!≫
注目のピアニスト、アリス=紗良・オットさんの演奏で
ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番」をお送りしました。
アリス=紗良・オット
ドイツ出身の26歳、若手実力派ピアニスト。1995年、7歳の時にドイツ連邦青少年音楽コンクールで優勝。それ以来、数々のコンクールで優勝を果たしている。
読響とは2007年以来2度目の共演となる。


今回はアリスさんと番組MCの松井さんにピアノや音楽についてフリートークをしていただきました!

〜アリス=紗良・オット(ピアニスト)×松井咲子(AKB48)〜
♪ピアノを始めたきっかけは?
アリス 私の場合は、母が日本人なんですけど、ピアニストでいつも家にピアノが置いてありました。それで4歳のときに初めてピアノのコンサートを聴きにいってピアニストになりたいって言ったらしいんです。それにつられて3歳下の妹もピアノをやり始めて・・・
松井  私は母がピアノの先生で、4つ上の兄がピアノと歌をやっていたので、私も4歳のときにその流れでと言いますか・・・気がついたら始めていました。ご家族がピアノを習っていることによって困ったことはありますか?
アリス 母は音楽家でしたが、絶対に口は出さず、遠くから見守っていた感じです。あと、妹もピアノをやっていましたが、ライバル意識というのはなかったです。父は音楽とは関係ないエレクトロニクスエンジニアで、しかも歌い始めるとガラスが全部割れてしまいそうなくらいの音痴なので、バランスはすごく良かったと思います。
松井  私も父は音楽をなにもやっていなくて。今でも実家で暮らしているのですが、私と母と兄が共通の音楽の趣味があっても父はあんまり入れていないという感じがします。
♪好きな作曲家や曲が変わることはある?
松井  私は小さい頃、ラヴェルの「水の戯れ」という曲がすごく苦手でした。耳元でさわさわ聴こえてくる感じが怖くて、絶対弾きたくないと思っていたのですが、最近になって「水の戯れ」をちゃんと学んでみたいなと思うようになりました。
アリス 私は「有名な曲だから」という意味で嫌いだったのが、ベートーヴェンの「エリーゼのために」という曲。でも22歳の頃にベートーヴェンのレコーディングをした時、日本側から「エリーゼのために」をボーナストラックとして「録音したい!」と言われたのですが、「やだ!」と断ったんです。でも2回も3回もリクエストが来て・・・。それで仕方なく譜面を買いに行って、家に帰って開けてみたら、すごくショックを受けました。なぜかというと、今まで耳にしていたメロディと全く違う曲だったんです。それ以来すごく好きになりました。
♪ステージ上でのハプニングをどうやって乗り切っていますか?
松井  ハプニングだらけです、私は!
アリス 楽しいじゃないですか!
松井  楽しくはないです!焦ってしまうので・・・AKB48のライブの中でピアノを弾く機会が何回かあったんですけど、電子ピアノのことが多くて。弾いてみたら音が出なかったりとか、弾いた音と違う音が出てしまったりとか。
アリス そういう時はどうするんですか?
松井  焦りますよね・・・「どうしよう!」と思って。お客さんもざわついてきてしまって・・・
アリス でも、みんな心配してくれているんじゃないかな?
松井  なんか「咲子頑張れー!!」みたいな感じになっちゃうんですよ。「どうしよう!」って。それで1回止めてスタッフさんを呼んで調整してもらって、何事もなかったかのように始めるんですけど。
アリス 私は、リストの超絶技巧練習曲という長い12曲のエチュードを演奏会で弾いて、それが無事に終わってアンコールで出たときに弦を切ってしまって。しかも、よく弾くキーだったので、もうひどかったですよ。音が「ぺっぺっぺっぺっぺ」って。(笑)
松井  私はそういったハプニングが起きてしまうとすごく引きずってしまうタイプなんです。オープニングとかにそれをやってしまうと次の曲も「あ、もうだめだ。」ってなっちゃうタイプなんですよ。
アリス でも、お客さんが笑ってくれるとこっちも緊張がとれるので、親近感が湧きますね。
★リハーサルの様子を客席で見ていた松井さん。何やら気になることがあるようで・・・
松井  リハーサルの様子を拝見したのですが、裸足で演奏されていましたよね?なぜですか?
アリス やはり、音楽を楽しむためには自分が1番気持ちのいい姿勢でいなくてはいけないと思うんですよ。なので、私は舞台の上では裸足が1番気持ちいいので裸足で弾いています。

♪今回アリスさんは読響と7年ぶり2度目の共演。その感想は…?
アリス すごく楽しいです。本当に素晴らしいオーケストラだし、クラリネットやオーボエ、チェロなど、彼らがソロを演奏する時にその方向を見ると必ず視線を返してくれるんですよ。それがすごく嬉しい。音楽でちょっと違うアイディアが湧いてそれを音にするとみんなその音に反応してくれるんです。それが本当にライブの楽しさですよね。みんなで一緒に音楽を作り上げていけるオーケストラなので、今回久しぶりに共演できてすごく嬉しく思っています。

今回の演奏会のアンコールではなんと、
ベートーヴェンの「エリーゼのために」を披露。
インタビューでは「昔苦手だったけど、今では大好きな曲」
とお話しくださったアリスさん。
たくさんの想いがつまった素晴らしい演奏に
会場が大きな拍手に包まれました。

コルネリウス・マイスター(指揮者) Cornelius Meister (conductor)
1980年、ドイツ・ハノーファー生まれ。ハノーファー大学でピアノと指揮をコンラッド・マイスター、マルティン・ブラウス、大植英次氏らに学び、ザルツブルク・モーツァルテウム大学でデニス・ラッセル・デイヴィス、ホルヘ・ロッター、カール・カンパーに師事した。わずか21歳でハンブルク国立歌劇場にデビューを果たし、2005年には24歳でドイツ最年少の音楽総監督としてハイデルベルク市立劇場に着任し、12年まで7年にわたって務めた。10年からウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督を務めており、ムジークフェライン(楽友協会)やコンツェルトハウスなどでのコンサートをはじめ、日本も含む世界各地へのツアーやレコーディングなど、積極的な活動が高く評価されている。
これまでにロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響、ベルリン・ドイツ響、北ドイツ放送響、バーミンガム市響、パリ管、チューリヒ・トーンハレ管、スウェーデン放送響、デンマーク国立響、ヘルシンキ・フィル、ワシントン・ナショナル響、ボルティモア響などと共演。オペラの分野ではウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラ、コペンハーゲン王立劇場、ラトヴィア国立歌劇場(<ニーベルングの指環>を指揮)、サンフランシスコ・オペラなどに登場。我が国の新国立劇場では06年に<フィデリオ>を指揮した。15年にはミラノ・スカラ座へのデビューが決定している。 読響とは今回が初共演。
アリス=紗良・オット(ピアノ) Alice Sara Ott (piano)
ドイツ人と日本人の両親のもとに生まれたピアニスト。これまでにマゼール指揮ミュンヘン・フィル、アシュケナージ指揮フィルハーモニア管、V.ペトレンコ指揮オスロ・フィル、チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィルなどと共演を重ね、今シーズンはシカゴ響とのデビューを予定している。2008年にはドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、数多くのアルバムをリリース。最近ではフランチェスコ・トリスターノとのデュオ演奏も高い人気を博しており、現在世界において最も刺激的な音楽家の一人として注目されている。また、14年1月からは「音楽の友」誌上でエッセイ「アリス=紗良・オット〜ピアニスト世界を巡る」を連載している。読響とは2007年に初共演。以来、7年ぶり2度目の共演となる。