演奏レビュー

日時

2016年3月24日(木)午前2:34~3:34(水曜深夜)
BS日テレでは2016年4月2日(土)朝7:00~8:00に放送

出演

指揮 シルヴァン・カンブルラン
トリスタン エリン・ケイヴス
イゾルデ レイチェル・ニコルズ
ブランゲーネ クラウディア・マーンケ
クルヴェナル 石野繁生
男声合唱 新国立劇場合唱団
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子

曲目

♪ワーグナー作曲
楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式)前編
※2015年9月6日サントリーホール

マエストロ・カンブルラン×読響 待望のオペラ公演!!

今回は昨年9月に行われ、大絶賛されたマエストロ・カンブルランと読響のオペラ公演、ワーグナー作曲、楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式)から前編をお送りしました。

シルヴァン・カンブルラン
幅広いレパートリーと躍動感あふれる緻密な演奏で人気を博している読響常任指揮者。これまでに数多くの歌劇場で音楽監督を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督を務めている。日本で行うオペラ公演は今作が初めて。

ワーグナー作曲楽劇「トリスタンとイゾルデ」
全編約4時間にも及ぶワーグナーの超大作。全3幕構成であり、今回はその中から第1幕、第2幕の名場面を抜粋してお送りいたしました。

昨年7月にシュトゥットガルト歌劇場で成功を収めた「トリスタンとイゾルデ」が日本でも披露。ドイツの歌劇場で活躍するカンブルランさんと読響の共演というファン待望の公演が実現した。

~楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕あらすじ~
物語の舞台は船の上。敵国コーンウォールの王マルケの元に嫁ぐことになった王女イゾルデは、王の使者であるトリスタンに心魅かれてしまいます。しかしトリスタンはかつての婚約者の仇でした。そこでイゾルデは、トリスタンと服毒心中を図るため、侍女ブランゲーネが持って来た毒薬を飲み干しました。ところが、それは毒薬ではなく愛の媚薬だったのです…

~楽劇「トリスタンとイゾルデ」第2幕あらすじ~
コーンウォールに到着したトリスタンとイゾルデは、愛の媚薬によって燃え上がり、毎晩のように密会を重ねます。今宵も、マルケ王が狩りに出かけた隙に2人は互いを激しく求め合うのでした。

マエストロ・カンブルランは今回のこの公演にどのような思いで取り組んでいるのか、お話を伺いました。

歌劇場で上演されるオペラの場合は音楽や言葉、歌手やオーケストラだけでなく舞台装置や美術についても考えなくてはなりません。しかし、今回は音楽以外のことは忘れて音楽の解釈と音の響きに全神経を集中出来るのです。「劇場形式」では舞台美術担当者がいますが、「演奏会形式」では舞台美術がなくても目に浮かぶような想像力をかき立てる演奏でなくてはなりません。これはとても大きな挑戦ですが、それと同時にやりがいもあります。このオペラはオーケストラも主人公と同じく重要な配役の1つとして扱われています。この物語の語り手はまさにオーケストラなのです。読響のメンバーたちは歌手の歌声を良く聴き、主人公の情緒を繊細に感じ、音楽では何が表現されているか直感的に良く理解をしていました。読響はオペラも演奏できるオーケストラだと確信を持っています。

今回共演するキャストの皆さんはこの演奏会のためにオペラの本場からカンブルランさんと共に来日されました。

(左から)
​ トリスタン(エリン・ケイヴス)、イゾルデ(レイチェル・ニコルズ)、マルケ(アッティラ・ユン)、ブランゲーネ(クラウディア・マーンケ)


気になる「トリスタンとイゾルデ」後編は来月放送!お楽しみに!

演奏者の略歴

シルヴァン・カンブルラン(指揮)

シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling (conductor)

幅広いレパートリーと躍動感あふれる緻密な演奏。1948年、フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席指揮者を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督とクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を兼任する。また、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘教授も務める。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
録音にも積極的だ。読響とのCDでは《幻想交響曲》《ペトルーシュカ》《第九》《春の祭典/中国の不思議な役人》《スコットランド》などをリリースしている。

エリン・ケイヴス(トリスタン)

エリン・ケイヴス(トリスタン)
Erin Caves (Tristan)

アメリカ・カリフォルニア生まれ。エール大学とジュリアード音楽院で学んだ後にヨーロッパに渡り、現在はドイツのフランクフルトを拠点に活躍する。これまでにベルリン国立歌劇場、チューリヒ歌劇場、バーゼル歌劇場、ライン・ドイツ・オペラほかに出演し、〈ホフマン物語〉〈ワルキューレ〉〈トスカ〉〈ドン・カルロ〉などを歌っている。カンブルランが音楽総監督を務めるシュトゥットガルト歌劇場では近年、今回の〈トリスタン〉のほか、〈さまよえるオランダ人〉のエリック、〈ナクソス島のアリアドネ〉のバッカスなどを歌っている。

レイチェル ・ニコルズ(イゾルデ)

レイチェル・ニコルズ(イゾルデ)
Rachel Nicholls (Isolde)

イギリス、ベッドフォード生まれ。2013年オペラ・アワード基金奨学金を得てデイム・アン・エヴァンズのもとで研鑽を積む。〈パルジファル〉の第3の花の乙女役でロンドンのロイヤルオペラハウス・デビュー。オペラでは、ほかにスコットランド歌劇場で〈エフゲニー・オネーギン〉のタチヤーナ、〈さまよえるオランダ人〉のゼンタなどを演じ、2013年のロングボロー・オペラ〈指環〉4部作ではブリュンヒルデ役で絶賛を博した。
最近の活動および今度の活動予定としては、ベルゲン国立歌劇場およびリトアニア国立歌劇場で〈フィデリオ〉のレオノーレ、ロングボロー・オペラで〈トリスタンとイゾルデ〉のイゾルデ役などのほか、ウェールズ・ナショナル・オペラの〈ワルキューレ〉のコンサート形式上演への出演などがある。

クラウディア・マーンケ(ブランゲーネ)

クラウディア・マーンケ(ブランゲーネ)
Claudia Mahnke (Brangäne)

ドイツ生まれ。ドレスデン音楽大で学び、1996年から2006年までシュトゥットガルト歌劇場に所属した。2005年、ミュンヘン・オペラ音楽祭の開幕公演で注目を集め、2006年からフランクフルト歌劇場の専属歌手を務めている。〈トリスタンとイゾルデ〉〈パルジファル〉などワーグナーを得意とし、2013年には〈ラインの黄金〉〈ワルキューレ〉でフリッカほかを歌ってバイロイト音楽祭デビューを飾り、2014年と2015年も主要な役を歌い好評を博した。ベルリン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、サンフランシスコ・オペラにも出演している。

石野繁生(クルヴェナル)

石野繁生(クルヴェナル)
Shigeo Ishino (Kurwenal)

チューリヒの国際オペラスタジオで研修し、1994年、オトマール・シェック声楽コンクールで優勝。1997年にスイスのバーゼル歌劇場と専属契約を結び、1998年にはドイツ語圏の新進歌手部門における“シンガー・オブ・ザ・イヤー”に選ばれた。その後、ハノーファー歌劇場を経て、2006年よりシュトゥットガルト歌劇場の専属。〈ドン・ジョバンニ〉〈魔笛〉などのモーツァルトのレパートリーを中心に、〈トリスタンとイゾルデ〉〈エフゲニー・オネーギン〉などを歌う。2013年にドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州より宮廷歌手の称号を与えられた。

新国立劇場合唱団(男声合唱)

新国立劇場合唱団(男声合唱)
New National Theatre Chours (Men’s Chorus)

新国立劇場のオペラ公演を担う合唱団として1997年の劇場オープンと共に活動を開始した。100名を超えるメンバーは、高水準の歌唱力と優れた演技力、緻密なアンサンブルと豊かな声量で国内外のメディアから高い評価を得ている。読響とは2007年以降、年末の〈第九〉公演をはじめ、モーツァルトの〈レクイエム〉やヴェルディの〈レクイエム〉など多くの共演を重ねてきた。特に常任指揮者カンブルランの下では、ベルリオーズの〈ロミオとジュリエット〉(2011年9月)、ラヴェルの〈ダフニスとクロエ〉(2012年10月)、ストラヴィンスキーの〈詩篇交響曲〉(2013年9月)で見事な歌唱を披露し、絶賛を博した。今回は男性メンバーのみの出演となる。

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