演奏レビュー

日時

2016年11月17日(木)午前2:29~3:29(水曜深夜)
BS日テレでは2016年11月26日(土)朝7:00~8:00に放送

出演

指揮 本名徹次
語り 溝端淳平
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子

曲目

♪チャイコフスキー作曲
バレエ音楽「白鳥の湖」(抜粋・語り付き)
台本:新井鷗子
「おはなしクラシック②」(株式会社アルテスパブリッシング)

♪ラヴェル作曲
ボレロ
※2016年7月5日東京芸術劇場にて収録

プログラム1
チャイコフスキー作曲  バレエ音楽「白鳥の湖」(抜粋・語り付き)
語り:溝端淳平  指揮:本名徹次

チャイコフスキー作曲バレエ音楽「白鳥の湖」に綴られた「愛の物語」を俳優・溝端淳平さんが語る
スペシャルコンサートをお届けいたします。

松井咲子×溝端淳平スペシャルインタビュー
オーケストラとは初共演となる溝端さん。その心境を伺いました。

松井 オーケストラとの共演を通して溝端さんはオーケストラにどんな印象を持ちましたか?
溝端 オーケストラのみなさんそれぞれに役割があり、演奏をせず待っている人やソロをやる人がいて、みなさんで合わせて演奏している時もあって…というのが組織としてとてもおもしろいなと感じました。なんでもそうじゃないですか。多分作品作りにしても、芸術にしても、会社にしても、休む人がいたり、残業する人がいたり、一人でプレゼンする人がいたり、全員で動くときもあったりなど、「人間と人間の重なり」みたいなものが見ていてとても印象的でした。その中に自分が入るというのもドキドキしましたし、最初のリハーサルでは自分がどういう役割で存在を出せるのかな、とか思いながらやっていたのですごく冷や汗が止まらなかったですね。
松井 オーケストラの中に入って語りをされているということで、本当に近い距離で音楽を体感していらっしゃい ましたが、演技に何かインスピレーションを受けたことなどありますか?
溝端 そうですね。物語を聴けば聴くほどヴァイオリンがお姫様だったり、チェロが王子様だったり、音楽の中で進んでいくストーリーみたいなものを感じました。どちらかというと普段はお芝居があってそこに音楽を足されることが多いので今回は普段とはある意味真逆の経験で、その音楽を聴きながら自分が物語に入っていくというのはすごく新鮮でした。

今回「語り手」として舞台に立つ溝端さん。
これまでにやってきた舞台との違いは?

溝端 ナレーションをして話を進めながら役のセリフも言わなければならないので、そのあたりも普段やっていることとは全く違います。普段は役の目線でしかその物語は見られなかったりするものですけど、ものすごく難しいことに挑戦しているなと思いますね。

白鳥の湖 ストーリー
ある夜(よ)、ジークフリート王子は悪魔の魔法で「白鳥」の姿となったオデット姫に出会い、恋に落ちてしまいます。
姫の魔法を解くために王子は「永遠の愛」を捧げようとしますが
悪魔の化身である黒鳥オディールが現れ、二人の愛を引き裂いてしまうのでした。

白鳥の湖に描かれている恋愛物語の魅力とは?
溝端 すごいファンタジーですよね。白鳥に変えられているお姫様のお話し…。でも二人が幸せになるということだけではないので、そこに魅力も感じます。「恋愛」というものが今の現代の僕らよりもものすごく大きいもので、命を懸けて本気で恋愛していたと思うので「愛しい人だ」とか「ああ狂おしい」という言葉は現代の僕らでは熱量が足りないくらいのものなんだろうなと意識してやりました。

清純派?魔性派?溝端淳平が選ぶタイプとは?
松井 「白鳥の湖」は白鳥のオデット姫と黒鳥のオディール、全く正反対の性格のキャラクターが登場しますが、同時に迫られた時、溝端さんはどうしますか?
溝端 そうですね…でも清純な方のほうがいいんじゃないですかね。後々裏切られるのは嫌ですからね。でも、それこそこういうジークフリート王子みたいな役が将来、来るかもしれないので、役者としては両方の女性の魅力と、両方の女性の弱点みたいなものは知っておかなければいけないのかなとは思います。個人的な恋愛に関してはその時の自分によるかもしれないです(笑)。

チャイコフスキー作曲 バレエ音楽「白鳥の湖」
1877年 モスクワ・ボリショイ劇場バレエ団により初演された作品。
チャイコフスキーのバレエ音楽、「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」と並ぶ三大バレエ音楽の一つ。

プログラム2
ラヴェル作曲 ボレロ
指揮:本名徹次

ラヴェル作曲 ボレロ
1928年に作曲され、パリ・オペラ座にて初演
ラヴェルは生涯で5曲のバレエ音楽を残しているが、ボレロは最後に書かれた。
バレエ音楽としてだけではなく、世界中で親しまれているクラシック音楽作品の一つ。
指揮
本名徹次

世界中で親しまれる「ボレロ」の魅力とは?
ボレロが好きな方は多いですね。僕も大好きです。たぶんその魅力というのは、同じことを何回も繰り返していることによって何か力が生まれてきて、そこから少しずつ感動し始めるというか…ある人は世界一長いクレッシェンドとも言いますし。そして最後に転調しますが、この曲の初演を聴いていたサン=サーンスが「つまらないな」と思っていたら突然最後に転調してびっくりしたという話もあるくらい。これがもしかしたらボレロの魅力ではないですかね。僕もその瞬間を振るのが大好きです。

演奏者の略歴

溝端淳平(語り)
溝端淳平(語り)
Junpei Mizobata (Narrator)
1989年6月14日生まれ、和歌山県出身。2006年度JUNONスーパーボーイ・コンテスト グランプリ受賞後、JUNONボーイ史上最多の40社の芸能事務所からオファーを受けデビュー。
映画、ドラマ、CM、舞台、雑誌、バラエティー番組等に多数出演。近年では、蜷川幸雄演出「彩の国シェイクスピア・シリーズ第31弾『ヴェローナの二紳士』」(2015)、寺山修司作、松本雄吉演出『レミング~世界の涯まで連れてって~』(2015)、真壁幸紀監督 映画『ボクは坊さん。』(2015)、山口雄大監督 映画『珍遊記』(2016)、NHK-BSプレミアム『初恋芸人』、『立花登 青春手控え』(2016)主演、日本テレビ「誰だって波瀾爆笑」司会等、多岐に渡り活躍。
第33回日本アカデミー賞新人俳優賞(2010)、第20回日本映画批評家大賞 新人男優賞、第27回高崎映画祭 最優秀助演男優賞等、受賞多数。
さらに、オリコンニュース『理想の新社会人像ランキング』2年連続第1位(2011、2012)受賞等、性別、世代を問わず、幅広い人気を誇る。
今秋には、舞台『シアターコクーン・オンレパートリー2016 るつぼ』に出演。最も注目される俳優の1人である。
本名徹次(指揮)
本名徹次(指揮)
Tetsuji Honna (conductor)
東京国際音楽コンクール最高位、トスカニーニ国際指揮者コンクール第2位、ブダペスト国際指揮者コンクール第1位を受賞。
国内の主要オーケストラのほか、これまでミラノ・スカラ座管、ヴェルディ響、プラハ放送響、ハンガリー国立響、フィルハーモニア管、ザルツブルク・モーツァルテウム管、上海フィル、マレーシア・フィルなどに客演。現在、ベトナム国立交響楽団音楽監督兼首席指揮者。2010年ハノイ遷都1000年祭を記念したマーラー「一千人の交響曲」、2011年初のアメリカ公演(カーネギーホールとボストン・シンフォニーホール)を指揮。13年には初のイタリア公演(フェニーチェ劇場、フィレンツェ市立劇場、クイリナーレ宮殿内パオリーナ礼拝堂)を成功に導いた。同年秋には日越友好関係樹立40周年を記念して、全国7カ所で同響初の本格的な日本ツアーを行った。
また、14年秋には、モスクワ音楽院チャイコフスキー記念大ホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー大ホールで初公演。94年村松賞、第5回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞、文化庁芸術選奨・文部大臣新人賞、97年大阪舞台芸術奨励賞受賞。05年第17回ミュージック・ペンクラブ賞クラシック部門第1位グランプリを受賞。09年ベトナムの日本大使館から大使賞、10年ベトナム作曲家協議会賞、11年外務大臣賞なども受賞。12年11月には、長年のベトナム音楽界への貢献に対しベトナム政府より文化功労賞を授与されている。
バックナンバー一覧
ページの先頭へ