演奏レビュー

日時

2017年8月17日(木)午前2:29~3:29(水曜深夜)
BS日テレでは2017年8月26日(土)朝7:00~8:00に放送

出演

指揮 オンドレイ・レナルト
   シルヴァン・カンブルラン
ピアノ ケイト・リウ
管弦楽 読売日本交響楽団
司会 松井咲子

曲目

♪ショパン作曲
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 から
※2017年5月13日東京芸術劇場にて収録

♪ドビュッシー作曲
「聖セバスティアンの殉教」 交響的断章 から
※2017年4月15日東京芸術劇場にて収録

<Program・1>
注目のピアニスト ケイト・リウ 読響初登場!

ケイト・リウ
1994年シンガポール生まれ
アメリカのシカゴ音楽院・カーティス音楽院でピアノを学ぶ。
2015年のショパン国際ピアノ・コンクールでは第3位入賞。
合わせて「マズルカ賞」も受賞した。

ケイト・リウ インタビュー

ケイト・リウが読響との初共演で演奏したショパン作曲「ピアノ協奏曲 第1番」は
ショパン国際ピアノ・コンクールのファイナルでも演奏された作品です。
当時の演奏を振り返っていただきました。

ピアニスト ケイト・リウ

当時の演奏をふり返って・・・
ショパン「ピアノ協奏曲 第1番」は当時、
私が取り組んでいた作品の中では一番新しい曲でした。
ファイナルに残るとは思っていなかったので
とても嬉しかったですが
同時にまだ弾き慣れない〈協奏曲〉を
演奏することに不安も感じました。
しかし、ある人の「魂を込めて弾くだけ」
という言葉を思い出し、演奏しました。

ショパン作曲「ピアノ協奏曲 第1番」の魅力
「第1番」には 純粋な愛と憧れ
そして純粋で清らかな悲しみが表れています。
その純粋さに魅了されました。
私はショパン後期の辛い人生が反映された
憂いのある曲が好きですが、
青年期に作曲された「第1番」には彼の純粋さを感じます。
その純粋さが「第1番」を特別な音楽にするので
他の作品とは違うと思います。

<Program・2>
フランスを代表する作曲家ドビュッシーによる20世紀の音楽

ドビュッシー作曲
〈聖セバスティアンの殉教〉交響的断章

イタリアの詩人・ダヌンツィオは〈聖セバスティアンの殉教〉という
宗教劇の台本を書き、ドビュッシーに音楽を依頼した。
今回演奏された交響的断章は、その劇付随音楽を
演奏会用に編纂(さん)された組曲である。

読響常任指揮者
シルヴァン・カンブルラン

シルヴァン・カンブルラン インタビュー
ドビュッシーが残した劇場音楽は少ないのですが、
「ペレアスとメリザンド」は音楽史上重要なオペラで「牧神の午後」や「遊戯」などバレエ音楽も作曲しました。
ドビュッシーは劇場に興味を持っていたのです。
〈聖セバスティアンの殉教〉交響的断章はドビュッシーの親しみやすい音楽とは違い、現代的です。
メロディーというより短いパッセージが多く出てきます。
伝統的ではなく革新的な作品を追求していたのです。

演奏者の略歴

ケイト・リウ(ピアノ)
ケイト・リウ(ピアノ)
Kate Liu (piano)
2015年にワルシャワで開かれたショパン国際ピアノ・コンクールで3位に入賞し、一躍、注目を集めた。1994年にシンガポールで生まれ、8歳の時にアメリカへ移住した。フィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、ダン・タイ・ソンにも師事した。これまでにアメリカや韓国のコンクールで優れた成績を収め、ショパン・コンクールでは秀逸なマズルカ演奏に与えられる「マズルカ賞」も受賞。ニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開き、北米各地でオーケストラと共演を重ねている。読響初登場。
オンドレイ・レナルト(指揮)
オンドレイ・レナルト(指揮)
Ondrej Lenárd (conductor)
1942年スロヴァキア生まれ。ブラティスラヴァ音楽大学で学んだ後、同地のスロヴァキア国立歌劇場の合唱・オペラ指揮者に就任し、84年から86年に首席指揮者を務めた。また、70年から旧チェコスロヴァキア放送響の指揮者も兼任し、77年から90年には首席指揮者の地位にあった。コンサートとオペラの両方で幅広く活躍し、ウィーン国立歌劇場、米国ヒューストンのグランド・オペラ、ナポリのサン・カルロ劇場、ブダペスト国立歌劇場、プラハ国立歌劇場などのほか、欧米のオーケストラに数多く客演している。ドヴォルザークやスメタナといったレパートリーに加え、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、マーラーなどの指揮で評価が高い。
日本とも縁が深く、88年から99年まで旧新星日響(現東京フィル)の首席客演、首席指揮者を歴任し、現在は東京フィルの名誉指揮者を務めている。読響などにも客演した。91年から2001年までスロヴァキア・フィルの首席指揮者、11年からプラハ放送響の首席指揮者を務めている。
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling (conductor)
1948年フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席客演指揮者を歴任し、現在はシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督とクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を兼任する。また、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘(しょうへい)教授も務める。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
録音にも積極的で、読響とは「幻想交響曲ほか」「ペトルーシュカほか」「第九」「春の祭典/中国の不思議な役人」「スコットランドほか」をリリースしている。
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