演奏レビュー

日時

3月22日(木)2時35分~3時35分(水曜深夜)予定
BS日テレ 3月31日(土)朝7:00~8:00予定

3月放送プログラム

【オペラ管弦楽特集】

指揮
外山雄三

モーツァルト 歌劇〈フィガロの結婚〉序曲
ビゼー 歌劇〈カルメン〉第3幕への間奏曲
マスカーニ 
歌劇〈カヴァレリア・ルスティカーナ〉間奏曲
ヴェルディ 歌劇〈運命の力〉序曲
ワーグナー 
歌劇〈ローエングリン〉第1幕への前奏曲
チャイコフスキー 
歌劇〈エフゲニ・オネーギン〉ポロネーズ

(2018年1月31日
 東京オペラシティコンサートホールにて収録)

指揮
ユーリ・テミルカーノフ
(読響名誉指揮者)

ラヴェル 組曲〈クープランの墓〉から
(2018年2月16日 サントリーホールにて収録)


【3月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【オペラ管弦楽特集】
オペラの名場面から、オーケストラで楽しむ序曲や間奏曲をお送りします。
このプログラムを指揮する外山雄三さんは、これまで数多くのオペラを指揮してきたエキスパートです。
その外山さんが創る「オペラ管弦楽」の音楽は、オペラから独立した楽曲というより、オペラ全編の一部としての序曲や間奏曲という位置づけで、序曲の演奏が終わるとまるで幕が開きオペラ本編が始まるような雰囲気が作られていました。
そう感じた理由はなんでしょう。序曲や前奏曲の中にアリアや合唱の旋律が入っていますが、外山さんはそれを歌詞の言葉のイントネーションで演奏していたのです。つまり器楽のアーティキュレーション(節回し)でなく、歌の言葉のイントネーションを敢えて強調してクラリネットやフルートに再現させていました。だから器楽による旋律がまるで歌手が歌っているかのように感じられ、「オペラ全編の一部」を聴いている気分にさせられたのだと思います。
オペラ通には「ニヤリ」とさせられるような旋律のアーティキュレーションはまさにオーケストラが奏でるオペラそのもの。オペラを知り尽くした外山さんならではの「オペラ管弦楽特集」を、じっくりとお楽しみ下さい。

演奏者の略歴

外山雄三(指揮)
外山雄三(指揮)
Yuzou Toyama
1931年東京生まれ。東京音楽学校(現在の東京芸術大学)で作曲を学び、在学中、「クラリネット、ファゴット、ピアノのための〈三つの性格的断片〉」で第20回音楽コンクールに入賞。52年卒業と同時にN響に打楽器練習員として入団。54年には指揮研究員となり、56年9月にN響を指揮してデビュー、以来各オーケストラに数多く客演を開始。58年から60年にかけてウィーンに留学。60年N響の世界一周演奏旅行に同行、指揮者としてばかりでなく自作の「管弦楽のためのラプソディー」によって作曲家としてもその名をひろめた。その後64年、66年、79年のN響海外公演を指揮、79年にはN響正指揮者に就任した。85年にはニューヨークで開催された国連40周年記念コンサートにN響とともに出演、全世界に放送された。
国内では大阪フィル、京都市響、名古屋フィル、神奈川フィル、仙台フィルの要職を歴任。オペラ指揮の分野でも、その綿密な音楽作りが高く評価されている。これまでに作曲した作品はオペラ、交響曲から室内楽曲、歌曲、合唱曲まで多岐にわたる。
63年第12回尾高賞、81年第1回有馬賞、83年第14回サントリー音楽賞、99年文部大臣表彰、2000年第48回尾高賞、10年度日本放送協会放送文化賞、17年度渡邉暁雄音楽基金特別賞などを受賞。
現在、NHK交響楽団正指揮者、大阪交響楽団ミュージックアドバイザー。
ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
Yuri Temirkanov
1938年、旧ソ連・コーカサス地方のナルチク生まれ。66年に全ソ連指揮者コンクールで優勝し、レニングラード・フィル(現サンクトペテルブルク・フィル)でムラヴィンスキーのアシスタントに任命された。その後、レニングラード響の首席指揮者、キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の音楽監督などを経て、88年からサンクトペテルブルク・フィルの音楽監督の地位にあり、現在までロシア音楽界の頂点に君臨し続けている。
欧米では、ロイヤル・フィルの首席指揮者、ドレスデン・フィル、デンマーク国立放送響の首席客演指揮者、ボルティモア響の音楽監督などの要職を務めたほか、客演指揮者としてウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ボストン響、シカゴ響、クリーヴランド管など、世界中の一流楽団と共演を重ねている。
読響には2000年から客演し、ロシア音楽を中心としたレパートリーで圧倒的名演を披露してきた。2015年に読響名誉指揮者に就任、今回が7回目の共演となる。
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