演奏レビュー

日時

6月28日(木)2時44分~3時44分(水曜深夜)予定
BS日テレ 7月7日(土)朝7:00~8:00予定

6月放送プログラム

ブゾーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35a
R.シュトラウス作曲 交響詩〈ツァラトゥストラはかく語りき〉 作品30

指揮者
ステファン・ブルニエ
ヴァイオリン
ルノー・カプソン

(2018年3月16日 サントリーホールにて収録)


【6月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【ブゾーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲】
これぞ美音!透明な色彩感(矛盾した日本語ですが)とでも言いたくなるような、スーパークリアな音。解像度の高い精密な映像を見るかのような演奏でした。
曲の後半のカーニバル風な快活な部分の独奏ヴァイオリンとフルートの3度重ねのパッセージは、肌と肌がぴたりと触れ合うような官能的なハーモニー。是非お聴きのがしなく。

【R.シュトラウス作曲 交響詩〈ツァラトゥストラはかく語りき〉】
ブルニエさんの指揮は、明朗で音楽に屈託がなく、旋律をクリアに際立たせ、「ライン(線)」で聴かせていく指揮だと感じました。
R.シュトラウスの交響詩は、オペラっぽい音楽にするか、交響曲っぽい音楽にするか、ざっくり二つに分かれると思うのですが、ブルニエさんの指揮は交響曲寄りの音楽づくりだったと思います。エネルギッシュで歌心も豊かでありながら交響曲的な構築感もあり、なかなか素晴らしいバランス感覚でした。

演奏者の略歴

ルノー・カプソン(ヴァイオリン)
ルノー・カプソン(ヴァイオリン)
Renaud Capuçon
現代フランスを代表する名手。1976年生まれ。パリ国立高等音楽院でジェラール・プーレに学び、ベルリンではアイザック・スターンらに師事した。2000年代初めからソリストとして活躍し、オーケストラではベルリン・フィル、ボストン響、パリ管、ロンドン響など、指揮者ではハイティンク、ドホナーニ、パーヴォ・ヤルヴィ、チョン・ミョンフンらと共演している。室内楽にも積極的で、アルゲリッチ、バレンボイム、プレトニョフらと共演し、録音もエラート/ワーナー・クラシックスから多数出ている。
読響とは2度目の共演となる。
ステファン・ブルニエ(指揮)
ステファン・ブルニエ(指揮)
Stefan Blunier
1964年スイスのベルン生まれ。マンハイム歌劇場第1指揮者、ダルムシュタット州立劇場音楽総監督、ベルギー国立管の首席客演指揮者などを歴任し、2008年から16年までボン市音楽総監督(ボン・ベートーヴェン管及びボン歌劇場の首席指揮者)を務め、その手腕は高く評価された。バイエルン放送響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、シュトゥットガルト・フィルなどに客演。ハンブルク国立歌劇場、フランクフルト歌劇場、チューリヒ歌劇場、ドレスデン国立歌劇場などでも活躍している。昨年は、ベルリン・ドイツ・オペラでのR.シュトラウス「サロメ」で好評を得たほか、ジュネーヴ大劇場でのベルク「ヴォツェック」で絶賛された。ブゾーニ、ツェムリンスキー、シュレーカーら19世紀末~20世紀作品から、チェルハやサーリアホなど現代作品まで、積極的に取り上げている。今回が、読響初登場。
バックナンバー一覧
ページの先頭へ