演奏レビュー

日時

9月20日(木)2時34分~3時34分(水曜深夜)予定
BS日テレ 9月29日(土)朝7:00~8:00予定

9月放送プログラム

R.シュトラウス作曲 交響詩〈ドン・キホーテ〉 作品35 ほか

首席客演指揮者
コルネリウス・マイスター
 
チェロ
石坂団十郎
 
ヴィオラ
柳瀬省太
(読響ソロ・ヴィオラ)

(2018年6月19日 サントリーホールにて収録)


【9月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【R.シュトラウス作曲 交響詩〈ドン・キホーテ〉 作品35】
「ドン・キホーテ」のユーモラスなストーリー。その登場人物を音楽で演じるソリストたちの「役作り」はこの楽曲の聴き所でもあり見所でもあります。
ソロ・ヴィオラ柳瀬さんのユーモラスなサンチョ・パンサ、ソロ・チェロ石坂さんの猪突猛進なドン・キホーテ、二人を優しくつなぐドゥルシネア姫の小森谷さんのヴァイオリンソロ、絶妙な掛け合いでした。石坂さんのドン・キホーテは最期のグリッサンドまで凛々しく若々しいままこの世を去っていったという印象が残りました。
そして指揮者コルネリウス・マイスター。聴き手はなにかと若手に新しい個性や表現を求めがちですが、マイスターは、オーソドックスでひたすら端正。こういう「正統派」の演奏は、楽曲そのものの魅力をむしろ感じさせてくれるようです。

演奏者の略歴

石坂団十郎(チェロ)
石坂団十郎(チェロ)
Danjulo Ishizaka
欧州を拠点に世界各地で活躍する俊英チェリスト。日本人とドイツ人の両親を持ち、ミュンヘン国際音楽コンクール、ルトスワフスキ国際コンクールなど数多くの国際コンクールで優勝。これまでにエッシェンバッハ、ノリントン、スラットキンらの指揮でバイエルン放送響、ウィーン響、ロンドン・フィルなどと共演。数々のCDをリリースし、ドイツの権威あるエコー・クラシック賞に輝くほか、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。楽器は日本音楽財団より貸与された1730年製ストラディヴァリウス「フォイアマン」。読響との共演は2回目となる。
柳瀬省太(ヴィオラ)
柳瀬省太(ヴィオラ)
Shota Yanase
読響が誇るソロ・ヴィオラ奏者が、〈ドン・キホーテ〉で愛すべき実直な従者サンチョ・パンサを快活に描く。東京芸術大学、桐朋学園ソリスト・ディプロマコースに学ぶ。ジュネーヴ国際音楽コンクール・ディプロマ賞、淡路島しづかホール・ヴィオラ・コンクール第1位。渡欧し、シュトゥットガルト歌劇場管などで活躍。2009年から神奈川フィル首席ヴィオラ奏者を務めた後、14年読響ソロ・ヴィオラ奏者に就任。ソロや室内楽活動も展開し、ストリング・クヮルテットARCOのメンバーとしても活躍している。
コルネリウス・マイスター(指揮)
コルネリウス・マイスター(指揮)
Cornelius Meister
近年、ドレスデン国立歌劇場で〈サロメ〉、ウィーン国立歌劇場で〈アラベラ〉などR.シュトラウス作品を振り、高く評価されているドイツ期待の若手指揮者。読響首席客演指揮者としての2年目は、得意のR.シュトラウス・プログラムなどでその手腕を発揮する。
1980年ドイツ・ハノーファー生まれ。ハノーファー音楽大学でピアノと指揮を学び、21歳でハンブルク国立歌劇場にデビューを果たした。2005年に24歳の若さでハイデルベルク市立劇場の音楽総監督に就任し、12年までその職にあった。10年からウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督を務めている。ウィーンのムジークフェライン(楽友協会)やコンツェルトハウスなどでのコンサートをはじめ、世界各地へのツアーやレコーディングなど、積極的な活動は高く評価されている。読響とは14年に初共演し、R.シュトラウス〈アルプス交響曲〉で大成功を収めて以来、スケールの大きな演奏を聴かせてきた。
これまでにロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響、パリ管などに客演しているほか、オペラではウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、英国ロイヤル・オペラなどに登場。19年にはメトロポリタン歌劇場へのデビューが決まっている。18年9月からカンブルラン(読響常任指揮者)の後任として、ドイツのシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任する。
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