演奏レビュー

日時

10月18日(木)2時29分~3時29分(水曜深夜)予定
BS日テレ 10月27日(土)朝7:00~8:00予定

10月放送プログラム

ブルックナー/交響曲第4番〈ロマンティック〉変ホ長調 WAB.104 から
      (1888年稿/2004年刊コーストヴェット校訂版)

読響常任指揮者
シルヴァン・カンブルラン

(2018年9月21日 サントリーホールにて収録)


【10月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【ブルックナー/交響曲第4番〈ロマンティック〉変ホ長調 WAB.104 から
初版を校正し直した2004年刊行の「コーストヴェット校訂版」による演奏。その違いをざっくり言うと… 第3・第4楽章に短縮やカットがあり曲の後半にいくにつれて音楽の構成が軽くなっていく版。重厚感あふれるブルックナーをイメージして聴くと、終わった時に「あれっ?」という印象を持つかもしれません。しかし思うにこの版は、音楽を物語的な全体像から作るのではなく、個々のサウンドの緻密な組み合わせで作っていくカンブルランの指揮には絶妙に合っていたように思えます。ブルックナー特有のオルガン的な轟音を音の塊として聴かせるのではなく、まずひとつひとつの楽器の響きを美しく作り、それを積み重ねて行くというやり方。そのためブルックナーが体育会系(?!)の音楽にならず、ところどころ非常に幻想的な世界が作られているのがとても魅力でした。そしてなんといってもホルン首席の松坂隼さんの大活躍をお見逃しなく!

演奏者の略歴

シルヴァン・カンブルラン(指揮)
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
Sylvain Cambreling
1948年フランス・アミアン生まれ。これまでにブリュッセルのベルギー王立モネ歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場の音楽総監督、バーデンバーデン&フライブルクSWR(南西ドイツ放送)響の首席指揮者、シュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督を歴任し、現在はクラングフォーラム・ウィーンの首席客演指揮者を務めている。今年秋からはハンブルク交響楽団の首席指揮者に就任するほか、巨匠セルジュ・チェリビダッケの後任として、ドイツ・マインツのヨハネス・グーテンベルク大学で指揮科の招聘教授も務めている。
客演指揮者としてはウィーン・フィル、ベルリン・フィルを始めとする欧米の一流楽団と共演しており、オペラ指揮者としてもザルツブルク音楽祭、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座などに数多く出演している。
昨年11月に読響と披露した歌劇〈アッシジの聖フランチェスコ〉(演奏会形式)は、「音楽の友」誌の「コンサート・ベストテン2017」で第1位に選出されるなど絶賛された。
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