2011年05月30日

大樹深根

先週末、宮城県石巻市の被災者の方々と一緒に木を植えました。
植樹の神様、宮脇昭先生のご指導のもと、
北上中学校の校庭に植えられた、
タブノキ、アカガシなど1500本の苗木たち。

再出発を誓った生徒たちは、
この苗木たちと共にまた歩み始めます。
雨にもまけず、風にもまけず、
大地に根を張り、空に向かって伸びてゆけ。
大樹深根だ。

眼下には、大津波が逆流した北上川が流れていました。
多くの思いを底に沈めて、今は黙して流れる北上川。

芭蕉の『おくのほそ道』に
「かまどの煙立ちつづけたり」と記された石巻。
楽しい食卓を囲む日が、また来ることを願わずにはいられません。

投稿者:村尾信尚

2011年05月27日

東日本大震災取材ルポ⑤~深刻な塩害~

東北の太平洋沿岸を襲った大津波は農地にも深刻な影響をもたらしました。
特に津波によって田畑に海水がかぶり、
塩分が土にしみこんでしまうことで作物が育たなくなってしまう「塩害」が指摘されています。
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私たちが取材した仙台市の海沿いの水田地帯2300㌶のうち、
除塩によって田植えが出来るという水田は500㌶と
およそ2割ほどにすぎず、それ以外の水田は未だにがれきが残っていたり、
排水設備が壊れ、除塩すらできません。
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お話を伺った専業農家の相原信哉さんの水田は、
水を張ることが出来ずひび割れてしまい、
流されたままの車やガレキが放置されていました。
今後、ガレキの撤去や、排水設備の修理が進んでも、
何度も除塩を繰り返さなければならず、元の水田に戻るには数年かかるといいます。
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「400年以上も前から先祖代々引き継がれてきた肥沃な水田だった。
私の代で諦めるわけに行かない。もう一度美味しい米を作りたい」と力強く話していました。
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本来なら例年この時期、
緑のじゅうたんのように田植えしたての苗が一面に広がり、
初夏の風に揺れる光景が美しいそうです。
各地で復旧が進む中、東北の米どころに
かつての田園風景が戻ることを願ってやみません。

投稿者:右松健太

2011年05月20日

東日本大震災後のスポーツ界

震災から2か月あまり。

言わずもがな、東日本大震災はスポーツ界にも本当に大きな影響を与えました。
野球・サッカーの公式戦はもちろん、
フィギュアの世界選手権などの大会やイベントも中止・延期に。
また、福島第一原発の影響で、会場変更や節電での試合開催などもありました。

そんな中、選手たちに巡った思い。それは・・・、
「果たしてこういう状況でプレーをしていいのか?」

多くの選手たちが自問自答し、複雑な胸中を明かしました。
しかし、最終的にその答えを出したのも選手たち自身でした。

「スポーツ選手として、今、自分に与えられた仕事を全うすること」
「スポーツ選手として、何か助けられる事があるならば精一杯取り組むこと」

震災以降、選手たちは様々な活動で被災者の皆さんを、そして日本を盛り上げています。

サッカーチャリティーマッチの「カズゴール」、
プロ野球選手会の言動、
海外クラブのサッカー選手たちからのメッセージ、
被災地の思いを胸に戦う楽天・ベガルタの地元チームの活躍、
そして、プレーのみならず、本当に多くのチームや選手たちが被災地を訪れ、
スポーツを通じて被災者の皆さんと触れ合いました。

これから「スポーツの力」というものは、中・長期的に見ても
復興に向けて大きな影響を与えるのは間違いありません。
今こそ、改めてスポーツの持つ力を再確認するときです。

最後に、
選抜甲子園の開会式で、創志学園・野山慎介主将が行った
「選手宣誓」に私は心を打たれました。

「人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。
 私たちに今できること、それはこの大会を精一杯、元気を出して戦うことです。
 “がんばろう!日本”。
 生かされている命に感謝し、全身全霊、正々堂々とプレーすることを誓います。」

この思いというのは、スポーツ選手のみならず、
我々一人一人にも共通して言えることではないでしょうか?

私はZEROスタッフとともに、これからも精一杯お伝えしていきます。

投稿者:鈴木崇司

2011年05月17日

ロイヤルウェディング取材後記

4月29日金曜日。
英国王室・ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式が行なわれました。
今回、この結婚式のパレードの中継リポーターとして、
現地、イギリス・ロンドンに行ってきました。

中継ポイントは、パレードのフィニッシュ地点、バッキンガム宮殿前。
そこは一面、人・人・人。
今回のパレードで、プリンス・プリンセスをエスコートする馬に
沿道の人の歓声にびっくりしないよう訓練をしたそうですが、それも、納得です。

馬車が宮殿前に到着すると、人々からは大歓声。
そして、カメラのフラッシュが一斉に光ります。
同時に、ひとつ驚いたのが、
あちらこちらから現れる、50cmほどの細長い箱。
まるで、野原に生えるツクシのように、にょきにょきと出てきます。
聞けば、「簡易型潜望鏡」なんだとか。
人垣に埋もれながらも、なんとか2人の姿を目にしたいという人々が、
近くの売店で手にしたようです。

ウィリアム王子について、あるイギリスの王室評論家は、
「父・チャールズ皇太子はシェークスピアを教え、
母・ダイアナさんはマクドナルドを教えた」と話します。
将来の国王としての教育と、普通の子どもとしての教育を両方受けた王子。
現在イギリスは、経済状況も厳しく、
昨年末には大学の学費の値上げにデモも起きていますが、
バランス感覚を兼ね備えた王子に、
イギリスの明るい希望を託している人も多い印象を受けました。

そして、沿道の人々に目を転じて驚いたのが、幼い子どもたちの多さ。
両親、そして居合わせた周りの大人たちが、
人のドームのようになって、
子どもたちやベビーカーを守っている様子が印象的でした。

現地に住む日本人の友人に聞くと、
「ロンドン市民は子どもにとても優しい」のだそうです。
日本のお母さんの中には
「赤ちゃんがいると行きにくい・・・」と話す人も多い、高級レストラン。
でも、ロンドンでは、
赤ちゃん用の椅子を用意しているところも多いそうです。
また、タクシーは後部座席にゆとりがあるため、
ベビーカーを折りたたまずに乗り降りできます。
合計特殊出生率を見ると、
1.3人の日本に対し、イギリスは1.8人(2010年)ですが、
子ども、そして子どものいる家族にやさしい社会作りという面で、
何か学ぶこともありそうだと感じました。

来年、ロンドンは、オリンピックというビッグイベントを迎えます。
その時にこの街がどんな表情を見せるのか。
また、楽しみです。

投稿者:松尾英里子

2011年05月16日

足るを知る

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京都の龍安寺にあるつくばいには、写真のように
□を囲むようにして、時計回りに五、・・・の四文字が配されています。
「吾唯足知」われただたるをしる、と読み、
私はこれを「真の豊かさは物の豊かさではない」の意と解しています。

原発が私たちの経済的な繁栄をどんなに支えていても、
その原発事故でふるさとを去らなければならない悲しみに比べたら
その効用はあまりにも小さいと言わざるを得ません。

原発事故、地球温暖化・・・
経済的な豊かさを求め続けてきた人間のその行為によって、
人間自身の生存を脅かしかねない事態が、
「今そこにある危機」として認識されつつあります。

To Have or to Be ?
物をたくさん持つこと(Have)と
心が満たされること(Be)とは別のことであり、
私たちはどちらを選択すべきなのか?
こう問いかけた社会心理学者エーリッヒ・フロムの次の言葉を、
私たちは真剣に受け止めなければなりません。

「歴史上初めて、人類の肉体的生存が
人間の心のラディカルな変革にかかっている」(注)

(注)エーリッヒ・フロム『生きるということ』(紀伊國屋書店)

投稿者:村尾信尚

2011年05月05日

東日本大震災取材ルポ④~観光地に活気を 前編~

今年のゴールデンウイークも多くの観光客が行楽地を訪れています。
しかし、震災の影響で東北太平洋側の観光地は甚大な被害を受けました。
各観光地が復旧を目指す中、いち早く再開を果たしたところがあります。

日本三景のひとつ、宮城県の松島。

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大小260余りの島々が防波堤の役割となり、
海岸沿いの土産店は壊滅的被害をまぬがれ、
かつて松尾芭蕉が感嘆した、風光明媚な景観は初夏の日差しに輝いていました。

「観光地が元気になることが東北に活力を与える」と、
松島観光に関わる方々総出で、泥のかきだしや湾内の清掃を急いだといいます。

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まだ、閉店している土産店はあるものの、
50日ぶりに再開した遊覧船には多くの観光客が訪れ活気を取り戻しています。
県外からボランティアできた方は、
「作業の合間をぬって松島へ来た。訪れることが支援につながればいい。」

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遊覧船とランデブーするカモメは再開を心待ちにしていたように、
観光客が投げるエサをキャッチしていました。

投稿者:右松健太

2011年05月04日

東日本大震災取材ルポ④~観光地に活気を 後編~

宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」
年間18万人が訪れ、宮城県出身の漫画家、
石ノ森章太郎さんの作品を展示している観光施設です。

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旧北上川の中州にあり、津波で一階が浸水しましたが、
二階に展示していた原画やキャラクター像などは被害を受けることはありませんでした。

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しかし、今なお停電が続いているため、
再開の目処はたっていません。

その中、全国の石ノ森章太郎さんの作品のファンの方から
激励の手紙や寄せ書きが届いていました。

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石ノ森萬画館の職員の方は、
「どんな時も負けないのが石ノ森ヒーローたち。
再開を果たし被災地を元気づけることができれば」と話していました。

投稿者:右松健太

2011年05月02日

苦境を乗り越える人にしか苦境は来ない

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4月28日木曜日、
地元仙台での開幕戦を翌日に控えたクリネックススタジアム。
晴れた日の、試合のない野球場は、
それはそれで清々しく、気持ちのいい空間でした。

そこで星野・楽天監督にお会いしました。
ユニフォーム姿の星野さんは、鎧姿の武将です。
語る言葉の端々に、内に秘めた闘魂を感じました。

東日本大震災、悲しみに暮れる東北。
この辛い時期に楽天チームを率いる星野さん。

「なぜ自分なのか・・。
苦境を乗り越える人にしか苦境は来ない、
と自分に言い聞かせた」

「自分たちは野球が仕事。
野球を通じて、悲しいこと、辛いことを一瞬でも忘れてもらおう。
選手にはこう言い続けた」

星野監督の楽天イーグルス、
その強さとやさしさで、東北のみなさんに元気を!

投稿者:村尾信尚

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