2011年11月28日
ガン治療の未来を照らす
「このような技術で、ガンの城を切り崩そうとしています。」
そう語るのは、東京大学の浦野泰照教授。
ガンの存在が疑われる部分を発光させる試薬を
アメリカ国立衛生研究所の小林久隆主任研究員と共同で開発しました。

今回開発に成功した「GGT活性検出蛍光プローブ試薬」をがん細胞にふきかけると、
がん細胞に多く含まれる酵素と反応し、強い光を発する物質ができ、
この物質が、がん細胞の中に溜まることで明るく光って見えるといいます。
試薬は、通常の細胞にも反応するということですが、
がん細胞の光の方が、20倍以上も明るく発光するため肉眼でも区別がつくといいます。

ガンの検査や治療は様々な手法がありますが、
摘出手術の際、肉眼で見えるガンよりも微少な1mm程度のガンは、
医師の経験などに依ることが多く、
微少なガン部位の見落としや取り残しが大きな課題で、
この微少なガンが、多臓器への転移やガン再発の原因となってしまうこともあるそうです。

今回お話を伺った浦野教授は
「どこが正常でどこがガンかを見極めることが難しかったこれまでのガン摘出手術において
外科医の方に光ったこの部分を取りなさいと、教えるような技術は
将来的な外科手術を大きく変えると期待しています」と、
5年後の実用化を目指しています。

国民の2人に1人がかかるといわれるガン。
浦野教授らが開発した「蛍光プローブ試薬」が
ガン治療の未来をも“照らす”かも知れません。