2012年01月16日
核なき世界を求めて
今月10日、アメリカの科学誌(Bulletin of the Atomic Scientists)は、
核戦争などによる人類最後のとき(午前0時)を示す終末時計(Doomsday Clock)
の針を1分進めて、今の世界の状況は午前0時5分前、と発表しました。
核兵器の軍縮・不拡散が進まず、気候変動への対応も進展しない状況
を踏まえての判断です。
ところで昨年暮れに、アメリカの元国防長官ウィリアム・J・ペリー氏の
『核なき世界を求めて』(日本経済新聞出版社)を読みました。
先日 NEWS ZERO でもコメントしましたが、ペリー氏は次のような指摘をしています。
『「正しいインテリジェンス」がなければ、「最悪のケースを想定する」という行動が
ある種のパラノイア現象を引き起こし、それが誰も望まない結果をもたらす』
つまり、各国の軍事当局は相手国についての正しいインテリジェンス(情報)を
持っていないと、最悪のケースを想定して軍備を必要以上に増強してしまい、
それが何かのきっかけで軍事衝突を引き起こしかねない、というのです。
そこでペリー氏は、各国が自らの軍事計画について透明性を増すことによって、
相手国が最悪のケースを想定しないですむようにすべき、と主張します。
もちろん軍事情報は機密を要するものが数多くあります。
しかしながら、「透明性確保というアプローチは今後の国際社会において
一層普及させていかなければならない」とのペリー氏の考えは
傾聴に値すると思います。
投稿者:村尾信尚
