2012年12月05日
村尾解説④景気・雇用のキーワード

総選挙のポイントを連日お伝えしていますが、
今日は「景気・雇用」を考える上でのキーワードについて解説します。

それは経済の規模がどれだけ伸びたかを示す「成長率」。
今回政党の公約を見ると名目成長率や、実質成長率という言葉があります。

まず「名目」と「実質」の違いについて説明します。
では、鉛筆を例えにしてわかりやすく説明しましょう。

今年鉛筆を100本作っていた工場が来年103本作ると、
鉛筆は3本増えているから実質的に3%増えたことになる。
(八木)
実際に生産が増えた量が「実質」ですね。
(村尾)
そうです。
次にこの鉛筆に値段をつけよう。
1本100円だとします。
今年作った鉛筆は100円×100本で1万円。
来年鉛筆を103本作った場合、
100円×103本で1万300円と、300円増えますよね。
「名目」とはこの金額での伸びのことを言うのです。
この場合、今年が1万円で来年が1万300円ですから
「名目成長率」は3%伸びたことになります。
(八木)
実質も名目も3%、同じだけ伸びたわけですね。
(村尾)
そうです。
では鉛筆の数は増えずに、
値段があがるとどうなるでしょうか。
来年、鉛筆の生産量は100本のままでも、
鉛筆の値段が103円に上がったとします。
生産額は103円×100本で1万300円。
金額の伸びを示す名目では3%、増えたことになります。
しかし、鉛筆の数自体は増えていないので
実質の伸びは0%なんです。
2つのケースを見ると、同じ「名目3%」の伸びでも、
②のように値段だけ上がって鉛筆の数が増えなければ、
鉛筆を作るための雇用も増えず、
その点では私たちの暮らしは良くなったとはいえないのです。

「名目」と「実質」の違いを説明しましたが
今回の選挙では「名目3%以上の成長を目指す」などと
掲げている政党もありますがこれについて考えてみたい。
実はこのように過去10年間、
日本は名目で3%以上の成長を達成したことはない。
(八木)
難しい目標ですよね。

(村尾)
本当にできるのだろうか。
名目成長率がプラスになれば確かに物価も上がるし収入も増える。
ただ単に金額だけが上がっても実質成長率、
つまり物の生産が増えていかなければ雇用も増えない。
実質成長率を最終的にどう上げていくのかが大切だ。