櫻井翔 イチメン!

2017年7月31日

アメリカ産牛肉のセーフガード 発動へ

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日本の「焼き肉」や「牛丼」にも使われている、
アメリカなどからの冷凍牛肉。
その輸入が急増しているため、
2017年8月1日から14年ぶりに
「セーフガード」という仕組みが発動されます。

実はこれが、トランプ大統領のある決断とも
関わっているのですが...何が起こるのでしょうか?

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一般的に「セーフガード」とは、
農産物などの「輸入が急増」した時に
発動される仕組みです。

急激に安い輸入品が増え
国産のモノが売れなくなると、
国内の業者や生産者がダメージを受けます。

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そこで、輸入する際に障壁となる「関税」を
一時的に上げることで、
「防御」つまり「ガード」することが、
日本のみならず
国際的なルールとして認められているのです。

ちなみに、これまでセーフガードは
「牛肉」「豚肉」に対して発動、
さらに、「ねぎ」や「生しいたけ」「畳表」に対しても
暫定的に発動した例があります。

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今回、セーフガードの対象となるのは、
「冷凍牛肉」で中でもおよそ33%を占める
「アメリカ産」の牛肉などです。

最大シェアでおよそ56%の「オーストラリア産」などは、
日本との貿易を活発にする「EPA」経済連携協定があるため
「対象外」です。

期間は2017年8月1日から2018年3月31日までとなります。

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例えば1トン400万円のアメリカ産冷凍牛肉の場合。
これまでは関税が38.5%で
トータル「554万円」で輸入できました。
しかし、50%に引き上げられるため、
トータルで「600万円」になります。

日本の輸入業者にとっては負担が増えることになるため、
「値上げ」するか、「企業努力」でがんばるか、
「輸入国」を変えるのかなど、
選択を迫られることになるのです。

現場の声を取材しました。

こちらの焼肉店では注文のおよそ3割が、
アメリカ産の冷凍牛肉を使ったメニューだといいます。

◇株式会社牛繁ドリームシステム
 取締役商品部長 飯野公敏さん
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「セーフガードかかるとそのまま関税が上がるので、
 仕入れ価格で約1割以上の価格が上がるので、
 やはり苦しい...」
「何とか値上げしないで社内で吸収して、
 そのための知恵を出して
 なんとか乗り切りたいと思います」

こちらのスーパーでは冷凍だけではなく、
今回の値上げの対象ではない
冷蔵の肉を主に取り扱っています。

影響も小さいため、
即座に値上げすることはないといいますが、
一方で...

◇スーパーイズミ業平店
 精肉部チーフ 我妻隆男さん
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「(冷凍の)量目が減っちゃえば、今度その減った部分が、
 今度、チルド(冷蔵)の方に
 シフトが変えるところもあれば
 チルドの方にも(値上がりの)波が
 多少は来るとは思ってますけど」

冷凍肉の値上がりで、
冷蔵の肉も価格が上がるのではないかと
不安の声もありました。

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また大手牛丼チェーン3社は、価格の変更について、
"決めていない"などと応えています。

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一方、アメリカからは批判の声も。
関税が引き上げられることを受け
農務省は、「日本との重要な貿易関係を害するものだ」と
声明を出しました。

実は、今回のセーフガード発動は、
トランプ大統領のある決断とも関係があります。

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その決断とは2017年1月に表明した「TPP離脱」です。

というのも、もし「TPP」環太平洋経済連携協定が
予定通り発効していれば、
今回のセーフガードが発動されることはありませんでした。

その代わりに「TPP」では新しい仕組みが導入され、
牛肉の関税率は段階的に引き下げられるため、
アメリカ側にとっては、もっと輸出しやすい状況が
生まれていたはずだったのです。

つまり、トランプ大統領は「TPP離脱」によって、
自分の首を自分で絞めてしまった形になりました。

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また、今回のセーフガードが発動した大きな背景には、
オーストラリアで起きた「干ばつ」の影響もあります。

オーストラリア産の出荷が減ったため
アメリカ産の輸入が最近になって急増。
そのため、セーフガードを発動して
国内の産業を守ることになったのです。

こうして見ると世界的な出来事が、
日本の牛肉にも影響を及ぼしていることがわかります。

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