板谷由夏 LIFE

2016年9月 1日

夏の疲れ

訪ねたのは、疲労研究を行う大学の施設。
ここでは、どれだけ疲れているかを
測定することができます。

人によって感じ方が違う疲れ。

それを数値化し、客観的に測定する方法が
3年前に開発されました。

私も測定してみます。
2016090103.jpg

研究スタッフ
「この機械で測定します。
指先から脈波と心電をとります。」


専用の計測器で脈拍と心拍を測定。
調べるのは、自律神経の乱れなど。
これで、疲れの程度がわかるといいます。

研究スタッフ
「測定を始めますので、目を閉じてください。」

測定時間は、2分半。
どれぐらい疲れているのか3つのレベルに判定されます。

結果は...。

研究スタッフ「注意です。」

板谷「注意。」

疲れに注意という結果。
しかも...。

研究スタッフ
「自律神経機能は、55歳相当です。」

板谷「55歳相当。」


結果をみると、
私の自律神経の働きを示す数値は304。
基準値の600以上を、かなり下回っています。
数値が低いほど、疲れが溜まりやすい状態です。

板谷「夕方になると、1日の疲れが
肩にドシッとのしかかってくるとか感じてたから
自分では疲れてるなという意識があったので、
納得の判定ではありますね。」


この日、測定を受けた人のおよそ8割が
私と同じ"疲れに注意"という結果。
しかし、受け止め方は私と違っていました。

測定を受けた人たちに、結果について聞いてみると...。

女性会社員(25)
「そんなに疲れてないと思ったんですけど、
まさかの...(注意)」

板谷「疲れてないと思っていたけれど、疲れていた。」

女性会社員(25)
「体は疲れてたみたいです。」

男性会社員(22)
「入社して3~4か月しか経ってないので
体は疲れてないと思ってた。」

男性会社員(43)
「若い頃から体力が落ちたと思ってないので
正直びっくりしてます。」

みなさん疲れの自覚と結果に、ギャップを感じていました。
なぜ、こうした意識とのズレが起こるのでしょうか。


疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「仕事をしなきゃいけない時や締め切りに追われている時
(疲れていても仕事を)やってしまいますよね。
そういう時(疲労感が)マスクされるんです。
感じていることを感じさせなくする。
そういうメカニズムがある。」


人は疲れた時、体の中に
タンパク質の一種である疲労物質が発生。
通常は、それが脳に伝わり、疲労感として認識されます。

しかし、集中したり達成感を得たりすると
脳が、興奮状態に。
「疲れた」という信号が無視され、
疲労を感じなくなるといいます。


疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「(疲労の蓄積を)放置していると、
過労死やいろいろな問題につながっていきます。」
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疲れを感じないまま、疲労が蓄積すると、
過労死につながる危険性が。


さらに暑い季節は、普段の生活の中に
疲れをためる要因が多いといいます。

どんな要因があるのか。
疲れの測定を受けた男性の
生活の様子を撮影させていただきました。


仕事で取引先を回る、営業の山本さん(仮名)。

営業 山本さん(仮名・43)
「毎日、暑いですね。」

この日は、最高気温が35度を超える猛暑日。
山本さん、汗が止まりません。

打合せを終え、車に戻ると...

営業 山本さん(仮名・43)
「あ~、あつっ。」

すぐに冷房を入れます。

営業 山本さん(仮名・43)
「あ~、涼しい。」

涼しい車内と暑い外。
この寒暖差が疲れの要因の1つ。

体温調節を行う自律神経が激しく働くため、
寒暖差がある場所を何度も行き来すると、
疲れがたまるのです。

自律神経には、体を緊張させる神経と、
リラックスさせる神経の2種類があり、
これがバランスをとりながら、体調を整えています。

疲れがたまるのは、緊張系の神経が、
より活発に働く状態が続いた時です。


家での何気ない行動も疲労の原因に。
帰宅後、シャワーで汗を流した山本さん。

営業 山本さん(仮名・43)
「熱いお湯で、さっぱり浴びて、出てきてビール飲む。
(お湯は)熱い方が好きですね。」

山本さんが好きだという、42度の熱いお湯。
実はこの時、緊張系の自律神経が働き、疲れの要因に。

熱いお湯は血管を収縮させ血圧をあげるなど体に負担が。
リラックスするには、39度ほどのぬるめのお湯で。

夕食の時間。 
食べたものを消化・吸収する時に働くのも、自律神経です。

この時、疲れをためてしまう行動が、"ながら食べ"。
テレビを見ながら食べると、食事の時間が長くなり、
これも自律神経の負担に。
およそ30分を目安に、夕食をとるのがいいそうです。


寝る前にやってしまいがちな習慣も、疲れの要因に。

山本さんは、タブレットで気になる情報をチェック。
この時、脳が多くの情報処理を行うため
緊張系の自律神経が活発に働き、心拍や血圧が上昇。
長時間使用すると、
運動した以上に、疲れてしまうといいます。


では、疲れをとるには、どうしたらよいのか。
オフィスでできる疲労回復法を教えてもらいました。

疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「この香り、かいでみて下さい。」

アロマは、よくある方法ですが...。

板谷「なんでしょうこう、みずみずしい。」

疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「緑の香り。」

板谷「葉っぱのような。」

疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「自律神経の中枢の疲れを
元に戻すことができるのがこの香りです。」

"みどりの香り"は、
科学的に効果が実証されたもの。

葉に含まれる2つの成分が、
疲れによる作業能力の低下を防ぐといいます。

また、仕事の合間に
自然の風景写真を見ることも、疲労回復に効果が。
目安は、1時間おきに1分ほど。


他にも、オフィスでストレッチなどを意識的に
取り入れることも大切だと、専門家はいいます。

疲労に詳しい
理化学研究所/大阪市立大学 渡辺恭良医師
「休むと言っても休み方って難しい。
どこで上手く休みのタイミングをとっていくかを
計画していくことが、
大事な時代だと思っています。」


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