板谷由夏 LIFE

2016年12月21日

対人コミュニケーション

私が訪ねたのは、静岡県にある公立中学校。

板谷
「お邪魔します。」

この日、全校生徒が参加して、
ある特別授業が、行われようとしていました。

2人の生徒が発表したのは、
普段感じている身近な疑問、マスクの使い方です。

中学2年生(14)
「衛生上の理由とは関係なく、
いつもマスクをして生活している人がいます。」

中学2年生(14)
「顔を隠すためにしている"だてマスク"を禁止した
中学校もあるそうですが、無理にマスクをさせないことが
本当にいいことなのか考えさせられます。」

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この時期、学校でマスクをしている人は、
およそ4割。
そのうち、顔を隠すためにマスクをする
"だてマスク"の生徒が少なくないといいます。
マスクをしていないと、落ち着かないのだそうです。

なぜ、マスクで顔を隠すのでしょうか。

中学3年生(15)
「周りの目が気になったり、
どんな風に思われているかなと思った時。」

中学2年生(14)
「(友達と)けんかして(学校に)行きづらいなという時に
マスクしたいなと思います。」

板谷
「誰からも話しかけてもらいたくないとか。
マスクが心のバロメーターになってるなんて
思いもしなかったから、びっくりしたんですけど。」

生徒たちは、人と関わりたくない時や、
自信がなく、周囲の目が気になる時に
マスクで顔を隠すのだといいます。

そこで特別授業では、笑顔の大切さを学び、
人と接する苦手意識を克服してもらおうというのです。

資生堂ビューティークリエーション部 髙野ルリ子講師
「今日、みなさん鏡を持ってきていますか?」

鏡を使って、朝、友達に挨拶する時、
どんな笑顔をしているかをチェック。

私の場合は...

板谷
「おはよ~。おはよ~。」

挨拶する時は、満面の笑みを心掛けています。

板谷
「みんなは、どうしてる?」

実は、満面の笑みで挨拶する生徒は全体の3割ほど。

女子生徒
「(笑顔は)50%くらい。」

男子生徒
「真顔ですね。」

女子生徒
「真顔だよね。」

控えめな笑顔や真顔での挨拶。
表情をあまり出さない生徒が多くいました。

そこで、行われたのは...。

板谷
「よ~い。はい。」
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向かい合わせで、笑顔を10秒間キープ。
笑顔の度合いによって、
相手に与える印象の違いを体感してもらうのが狙いです。

生徒たちはなぜ、
表情を出すことに抵抗を感じるのでしょうか。

藤枝市立葉梨中学校 伏見雅彦教頭
「LINEやSNSを使った人間関係のトラブルが多くて。
そういう中で、相手がどう思っているのか、
相手から
どう見られているのか。この言葉でいいのか。
この表情でいいのかと日々不安になっている子が多い。」

総務省によると、
スマホの利用率は10代で82%。
しかも、コミュニケーションの主流は、LINEです。

大学生(18)
「本音話すのはLINE。
(時間があって)言葉を考えられるから本音を言いやすい。」

大学生(20)
「学校で会うのは(週に)2回だけど
LINEはほぼ毎日。
LINEの方が多い。
直接(会って話す)方が、
相手に自分の思ってることがバレそう。」

若者にとって、
顔の見えないコミュニケーションが当たり前。
表情で本音が伝わってしまうことに、
怖さを感じていました。

こうした中、
関東を中心に
およそ8000人が通うこちらの学習塾では、
対面コミュニケーションを学ぶ専門コースの受講者が
ここ3年で2.6倍に増加。

少人数制の授業では、あいづちで使う言葉を考えます。

講師
「誰か教えてくれる人。」

小学校6年生(11)
「へぇ~っていう。」

講師
「なるほどっていう時に使うんだよねへぇ~って。
他にある人は、いますか?」

しかし...。

その後は、なかなか言葉が出てきません。

そこで...

講師
「じゃぁ、ジェスチャーでもいいんだけど。」

小学校4年生がOKのジェスチャー。)

講師
「OK、いいよってこと。」

言葉が見つからない時の気持ちの伝え方を学びました。

次は、相手に配慮した言葉の使い方。
これらの単語を、言われると嬉しい気持ちになる言葉と、
嫌な気持ちになる言葉に、分類していきます。

講師
「バカはどっち?」

小学校6年生(12)
「バツ」

小学校4年生(9)
「ナイスはマル」

小学校4年生(9)
「がんばっては、さんかくじゃないの?
嫌な言い方でがんばってね~みたいなこと。」

講師
「どう思うみんなは?」

小学校6年生(11)
「さんかくだと思う。」

講師
「言い方によっては
いい時と悪い時があるかもしれないね。」

でもなぜ塾で、学ばせるのでしょうか。

子どもを塾に通わせる母親(41)
「本人はいじめてるっていう意識はないけど、
相手の捉え方によってはいじめになる。
相手は傷つくし嫌な思いをするんだよってことを
学んでもらわないとなと思う。」

子どもを塾に通わせる母親(33)
「友達から嫌がられてしまったり、
(コミュニケーションに)問題が多いと、
クラスでも浮いてしまう。」

仲間はずれやいじめ防止につながる
コミュニケーションスキル。

人との関わり方が変わるいま、
その重要性が高まりつつあります。

 

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