板谷由夏 LIFE

2017年1月12日

熊本地震から9か月

私は、地震の
2週間ほど後にも訪れた、南阿蘇村へ。

阿蘇大橋は、崩落したままです。

板谷「これは...まだまだですね」
  「何にも変わってないね。9か月前とね。」

熊本地震から、まもなく9か月。
被害の爪痕は、私の想像以上に多く残されていました。

県内でも特に被害が大きかった、益城町。

板谷「9か月たったわりには、なかなか
道路の整備が進んでいない気がしますね。」

その益城町の仮設住宅を訪ねました。
以前取材をした、本田さん一家です。


本震のあと、本田さんの自宅は、
"建て直さなければ、住むことができない"と判定。

別の土地に移り住む人もいるなか、
同じ場所に、新たな家を建てると決めました。

ようやく、家の解体作業が始まったのは
地震発生から半年以上がたった、去年11月。

益城町の解体作業の進捗率は、およそ5割で、
少しずつですが、進んでいます。

自宅が全壊判定 本田光照さん
「やっぱり涙が出ますね。このような姿見るとですね。」

解体されていく家には、
38年間暮らした思い出がつまっていました。


そして、今。

板谷「少し慣れましたか?どうですか?」

妻・和枝さん(68)
「ですね。慣れないとしょうがないもんね。」

自宅が全壊判定 本田光照さん(67)
「今年中に、3月までに、
家でもできれば一番いいかなと思ってますけどね。」

17011201.jpg

解体費用の補助や、国などの支援金 数百万円を使って、
家の建て直しを進めるといいます。


しかし、まだ問題も残されています。

本田さんの自宅跡地へ行くと...

板谷「まぁ、本当だ。更地になりましたね。
結構、時間がかかりましたね。」

自宅跡地に家を建て直す 本田光照さん(67)
「本当の、何もない状態ですね。」

残された問題の一つは、
敷地のすぐ隣にありました。

それは、斜面が崩れ落ちるのを
防ぐために築く、擁壁。

本田さんの自宅の隣にある擁壁は、地震で崩れ、
一部が"土のう"で支えられている状態です。

自宅跡地に家を建て直す 本田光照さん(67)
「何かあったときは隣ですから心配です。」

板谷「それは心配ですね。
新しい家を建てるからこそね。」


熊本地震では、建物だけでなく、
"土地"や"擁壁"なども
約1万5000件が被害を受けました。

しかし、現状では、
国からの補助が出ないところが多くあり、
所有者の負担となっています。

そのため、手つかずの場所が至る所にあるのです。


なぜ、補助が出ないのでしょうか?
益城町の担当者に話を聞きました。

案内してもらったのは、被害が大きかった住宅地。
隣り合う、2つの擁壁を見てみると...。

17011202.jpg

どちらにも大きな亀裂があります。
しかし...

益城町建設課 坂本忠一 課長 
「向かって左側は、(補助)事業で
救済できるということなんですが、
向かって右側は、現在のところではまだ救済の...」

板谷「めどがたっていない?」

益城町建設課 坂本忠一 課長 
「(めどが)たっていない。」


実は、差が出る理由のひとつが"高さ"。

左側の擁壁は、高さが3m以上あるため、
国から補助が出るのですが...

右側の擁壁は、3mに満たないため、
補助の対象にならない、というのです。

板谷「被害があるのは同じなのに。」

益城町建設課 坂本忠一 課長
「住民の方からは(擁壁が)低い・高いにかかわらず、
『何とかしてくれないと住宅の再建ができない』と
強い要望は常にあがっているような状況。」


こうしたなか、
熊本県は先月末、救済策を発表。

これまで、国の補助の対象とならなかった
個人の"土地"や"擁壁"などに対し、
県独自の補助制度を設けることを決めました。

今年度中の支給開始を目指しています。


少しずつ進む、復興への道。

自宅が全壊判定 本田光照さん(67)
「いい方向に向いていますからね。今もう。
8か月9か月たったからいろいろ悩んでもしょうがない。
やっぱり下ばっかり向いていてもしょうがないけん。」

 

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