板谷由夏 LIFE

2017年10月27日

医療的ケア児の支援施設

東京・世田谷区にある施設をたずねました。

中に入ると...
開放的な空間が広がります。

板谷
「明るい」

「自然光たくさん入る感じで日当たりがいいですね」

去年4月にできた、「もみじの家」。

生活する上で、
酸素吸入や痰の吸引などの医療行為が欠かせない
いわゆる"医療的ケア児"たちを一時的に預かる施設です。

板谷「こんにちは~ 初めまして」

ここで出会ったのが、桑原恵子さん。
そして。

「もみじの家」を利用 桑原恵子さん(42)
「娘の彩羽です」

彩羽ちゃん、8歳です。

彩羽ちゃんは、
脳室などに髄液が過剰にたまり、
頭が大きくなる"水頭症"という病気。

8歳になった今も首がすわっておらず、
生活のすべてに介助が必要です。

普段の生活がどれだけ大変なのか、
自宅にうかがってみると...

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「休んでる時間はあんまりないんですけど」

1時間に1回ほどの、
痰の吸引が欠かせない彩羽ちゃん。
そのため...

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「台所で用事しながら咳してないかなとか
聞き耳をたてながら」

お母さんは、彩羽ちゃんの世話をしながら家事。

夕方2時間ほど、訪問看護師などに来てもらい、
その間に、急いで夜ごはんの準備をします。

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「この時間にやっとかないと」

この日のメニューは、豆腐ハンバーグと、おみそ汁。

しかし、彩羽ちゃんは
直接口からごはんを食べることができません。
          
そのため...

ミキサーで細かくつぶし...
チューブでおなかに入れていきます。
この日はお兄ちゃんが手伝ってくれました。

24時間365日休みなく、子どものケアをおこなう家族。

そんな家族が少しでも休めるよう、
"宿泊"という形で、子どもを預けることができるのが、
この「もみじの家」です。

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「お友達いっぱいいるよ いろちゃん 」

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「医療的ケアがある子どもを
なかなか預かってくれる施設っていうのがないので
安心だけでなく
彩羽もここで楽しんで過ごせるってことが
私もすごくうれしい」

厚生労働省の調査研究によると
医療的ケアを必要とする子どもの数は、
この10年で2倍近くに。

医療技術の進歩によって救われる命が増えたためです。

もみじの家は、0歳から19歳未満が利用でき、
宿泊費用は1泊2000円から5000円。
            
看護師や保育士などがおり、
24時間体制で子どものケアをしてくれます。

彩羽ちゃん、今回は3泊4日のお泊まりです。
             
彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「しばらくお別れだけどね
 ママもリフレッシュしてきます」

板谷
「ちょっと離れるのがわかるのかな?」

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「ちょっと察知してるかも」

板谷
「なんか察してますよね」

お母さんと離れることを感じ取っていました。

このあと、彩羽ちゃんは
どのように過ごすのでしょうか。

板谷
「何か始まってます 集まってますね」

子どもたちが一か所に集まり、
まずは、自己紹介をします。
             
保育士
「私の名前は、くわばらいろは です」
 2017102501.jpg     
そして始まったのは、読み聞かせ。
絵本が大好きだという彩羽ちゃん。
時折、笑顔がこぼれます。

この日は、夜9時頃には消灯。

そして、翌日。

保育士
「みなさん、おはようございまーす」

"朝の活動"が始まりました。

この日のテーマは"うごく"。
行われたのは、ミニ運動会です。

普段、他人とふれあう機会の少ない  
医療的ケア児たちが、
みんなで一緒に過ごす貴重な時間。

彩羽ちゃんも、楽しそうです。

輪の中に加わることで、
"社会性が育まれる"といいます。

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「おはようございまーす」

4日目の朝、自宅に帰る日。

彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「お迎えきたよー
 パパも一緒にきたよー」

家族と久しぶりの再会に、
彩羽ちゃん、とってもうれしそう。
2017102502.jpg


彩羽ちゃんの母 恵子さん(42)
「母と久しぶりにゆっくり過ごせて
 楽しい時間が過ごせました
 母にも『ありがとう』って言われて」

日々、子どものケアに
追われる家族がホッと一息つける時間。

しかし、こういった施設が普及するには、
まだまだ課題もあります。

もみじの家 ハウスマネージャー
内多勝康さん
「各地に短期入所ができる施設はあることはあるんですが
 絶対数が全く足りない」

要因のひとつは、経済的な理由です。

もみじの家も、
国の制度として支払われる障害福祉サービス費や、
自治体からの補助金だけでは
人件費などをまかなえず、
運営資金の約4割が
寄付で支えられているといいます。

もみじの家 ハウスマネージャー
内多勝康さん
「医療処置を毎日毎日
子どもたちの命を守るために提供しているわけなので
福祉の制度もそうなんですが
医療の制度からもしっかりと支えてもらえると(いい)
医療が必要 福祉も必要 そういう子どもたちですから」

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