2011年05月20日
LIFE~被災地の介護~
津波で大きな被害を受けた
宮城県・気仙沼市。
多くの介護施設も被災しました。

震災から2カ月。
被害を免れた施設は今、
どんな状況なのでしょうか。
特別養護老人ホーム春圃苑を訪ねました。
板谷「こんにちは。」
職員「レクリエーションをやってる所なんです。」
板谷「今ここにいる利用者さんは何人ですか?」
職員「80名近くですね。」
板谷「定員は何人?」職員「60名です。」
板谷「20人は多いということですね。」

施設には津波で家を流され、
行き場を失った被災者も生活しています。
定員を超える状態を、
いつ解消できるのか、メドは、たっていません。
職員「ここがお風呂場です。
今、水が不十分なので、入浴は週に1回程度です。」

施設は、今も断水状態。
利用者が多い為、自衛隊が運んでくる
水だけでは足りません。
そこで、職員は1日4回。
水を汲みに、施設から5キロ離れた
沢へと向かいます。
この水で、施設はかろうじて、運営を続けているのです。

洗濯も大量の水を使わない方法で。
「全部を手で洗ってすすいでる。」

板谷「あ~手洗いですか~。」
職員「水がないと本当に不便ですね。」
板谷「水がないって本当に大変だ。すごい量でしょ。」
職員「すごい量です。」
介護現場を支える職員。
多くの方が、被災者でもあります。
ここは、津波で家を流された職員が
寝泊りしている部屋。
失ったのは、家だけではありませんでした。

職員「母親が行方不明なので、休みだと安置所の確認をしてる。
それが私のやらなきゃならないことだと思う。」
板谷「働きながら。」
職員「はい。」
次に向かったのは、震災によって、
介護施設が無くなった街。
宮城県・石巻市、雄勝町。
この場所も、津波によって、壊滅的な被害を受けました。

震災から2か月となる
今月11日。
町では、震災で亡くなられた方々を悼む
合同慰霊法要が営まれました。
雄勝町の死者は146人。
行方不明者の捜索は、今も続けられています。

会場となった、特別養護老人ホーム・雄心苑。
震災で施設が使えなくなりました。
入所者の多くは他の県に避難。
在宅介護のサービスも停止してしまいました。
そのため、街の高齢者が、
介護を受けられない状態だといいます。
石巻市が、実態を調べるため、動き始めています。
調査を担当する、西澤さんと板橋さん。

板谷「今日は、どういった活動をするんでしょうか?」
西澤さん「住民の方の生活の困りごとの
ニーズ調査という形で訪問する予定です。」
板谷「お邪魔します。」
高齢者のお宅のニーズ調査に、同行させて頂きました。
板谷「こっち側は家が残ってますね。」
西澤さん「一見、何でもないように見えるんですけど、
生活としては、ライフラインがないんで…。」
震災前は、数日間施設に宿泊する
ショートステイを利用していたお宅に伺いました。
息子さん夫婦と暮らす、阿部ちゑ子さん。

西澤さん「お体で痛い所とか痺れとかありましたか?」
阿部さん「右手が脳こうそくのせいで痺れてる。でもそれ以上、まず歳だから
悪くなることは悪くなる。」
健康状態やライフラインなど10項目を確認します。
調査時間はおよそ30分。1日に4軒、訪問します。
西澤さん「高齢者の方から支援をしてくれと言うのは
難しいと思うので私達から行く。」
板谷「そうですね。こちらから行かないとなかなかね。
実は助けの手を待っているのかなという気がします。」
こちらのお宅は、
震災前、施設で入浴サービスを利用していました。
阿部智次さん、70歳。
施設に代わって今、
妻、かちみさんの入浴介護をしています。

西澤さん「雄勝の施設やデイサービスが使えないと思うので
色々とご不便あると思うんですけど。」
かちみさん「そうですね。不便ですね。」
西澤さん「イマお風呂は、どうされてますか?」
智次さん「水を汲んで、沸かして風呂に入れています。」
西澤さん「ご家庭でお風呂に入れるのは、大変じゃないですか?」
智次さん「(介護の)プロじゃないからね。」
貴恵さん「お母さん。ご飯だから起きるよ。」

少しでも父親の介護の負担を減らそうと
嫁ぎ先から、娘さんが、戻ってきていました。
「う~ん。」
貴恵さん「よいしょ。もっと後ろ?」
西澤さん「(介護を)お休みする時間も必要なので、
早くサービスが利用できるといいですよね。」
かちみさん「そうですね。近くにあって送り迎えができる。
それがいいですよね。」
板谷「お邪魔しました。」
「(長期化すると)家族の負担が高くなる可能性がある?」
西澤さん「これからインフラ整備をしていかないと、一緒に住んでる方が倒れてしまうと
共倒れになってしまう。」

「行政にこういう声がありましたと伝えていくことで、
サービス再開につながるきっかけになればいいと思う。」
投稿者:板谷由夏