2012年06月26日
LIFE 2012年6月14日 ~DV~
「結婚当初から、数か月に1回位
平手打ちをすることがあったんですけども」
「私のやった暴力は身体的暴力、
殴る、蹴る、たたく、言葉での暴力、それから
精神的暴力ですね。無視したり、
ドアをばたんとしめたり。」
「あと経済的な締め付けですね。
家計の管理独占、無責任にお金を使う」
「身体的な暴力」だけでなく
「精神的な暴力」による、DV
ドメスティック・バイオレンス。

私は、DVの被害を受けた女性が、
逃げるための施設を訪ねました。
板谷「おじゃまします」
施設のスタッフの案内で、中を見せていただきました。
板谷「普通のおうちですね」

「シェルター」と呼ばれるこの施設。
夫に見付からないよう、
住所や電話はすべて非公開。
スタッフの顔も明かせません。
各都道府県に必ず設置されている公的なシェルターのほか、
民間のシェルターがあります。
板谷「ここは一人用の部屋?」
シェルターのスタッフ「そうです」
常駐するスタッフが、心のケアを行うほか、
ここを出たあとの生活についてもアドバイスを行っています。
シェルターのスタッフ「最初は一日中お部屋に
閉じこもって泣いてばかり、
食べられない」
だんだんスタッフとの会話で
回復しながら、元の自分になっていく」
暴力から逃れ、身を隠す女性。
こうしたシェルターは全国に150軒以上。
その多くが満室だといいます。

スタッフの一人、佐藤さんです。
離婚した元夫からDVを受けていました。
板谷「どういったDVを受けたのか、
ということをお話して頂いていいですか?」
佐藤さん(仮名)40代「ありとあらゆるものを、投げつけてきて
全身あざだらけの、血がでるような状態で
普段は優しい、ニコニコしていて。
だけどなにかの拍子にキレる、
そのスイッチがどこで入るのか(分からない)
暴力振るわれるし、すぐ怒鳴るし、
すぐキレルから怖い。
けれども愛されている。」
しかし、元夫が当時浮気をしていたことがわかります。
佐藤さん(仮名)40代「結局それまで自分は愛されているから、
こういうことになったと思っていたのに
「怖い」という思いしかそこにはなくなって
もうこれは逃げるしかない」
佐藤さんは自宅から逃げ、離婚をしました。
しかし、被害を受けても
「別れられない」と考える女性も、少なくありません。

内閣府の調査で、夫と別れたいと思ったが、
別れなかったと答えた女性はおよそ半数。
その理由の多くが
「子どものため」(57・3%)
「経済的な不安」(18・9%)という答えでした。
こうした中、
「加害者側の夫を変える」という取り組みが始まっています。

板谷「こんにちわ」
たずねたのは、横浜市内のマンションの一室。
妻に暴力を振るった夫らが集まっていました。
NPOが行う「DV加害者プログラム」。
ディスカッションを中心に、
週に1回、1年間かけておこないます。
板谷「ここにいらしたきっかけは?」
40代 妻と離婚・佐々木さん(仮名)「きっかけはやはり、
妻が出ていきまして・・」
30代 妻と同居・関根さん(仮名)「子どもの前で妻をたたいてしまい
子どもは大泣きしながら
翌日妻が出ていきまして
あなたはDVだから、
というふうにいわれて」
取材した日は6人が参加。
離婚した人、別居中の人、など状況は様々です。
こちらは指導する、栗原さん。
栗原さん 「精神的虐待とはなんですか、
例をいくつかあげてください」
この日のテーマは、DVの中でも多い、
「精神的な暴力」について。
30代 妻と別居中・須藤さん(仮名)「普段から押さえつけるような感じで、
どなりつけるとか、そういったことはしてました」
栗原さん「これ以外に、こんなことを
精神的虐待と思われることを
していた方いますか?」
30代 妻と同居・関根さん(仮名)「考えの押し付けをしてました。」
栗原さん「考えの押し付け?」
30代 妻と同居・関根さん(仮名)「俺がこうだから、こうにきまってんだろ。
それがわからないおまえはバカだ、と」
栗原さん「ではあなたたちは何が目的でこのように
精神的なDVを相手に対してしたのでしょうか?」
30代・妻と別居中・須藤さん(仮名)「私は、自分の中に、妻だとか
女性、母親として、の 理想像があって。
妻がその自分の理想からずれていた場合に、
それを直したいから
責めたり、怒鳴ったりっていうのは当たり前のように
やってました。」
講座では自ら振りかえることで
DVでいかに妻を傷つけてきたか理解を深めていきます。
栗原さん「精神的DVをすることで、得たものと失ったものは?
得たものはなんでしょう?」
30代 妻と同居・関根さん(仮名)「一時的な満足ですかね・・・
その時の。征服感、みたいな」
栗原さん「失ったものはなんでしょう?」
30代 妻と別中・井上さん(仮名)「家族だと思うんです。
一番失っちゃいけないもの」
おたがいに、
自らの体験や考えを話すことによって、
客観的に「DV」をみつめます。
そのため、お互いに学ぶことも。
以前は「食事は妻が作るもの」と
決めつけていた関根さんの例です。
30代 妻と同居中・関根さん(仮名)「妻が「仕事が遅くなる」ということがあったんですが
以前は、ふざけるな、と。おまえが帰ってこなければ
食事もできないしどうすんだよ、
というふうに言ってたのを
自分で思い出しまして。
(この間は)ああそうかそうか。(仕事)大変だな、
頑張ってこいよ、と自然に言えた。」
30代 妻と別居中・清水さん(仮名) 「私も料理は(妻が)作るべきだという
思いこみがあって。
同じシチュエーションあったら、気をつけて
やってみたいと思います」

被害者のため、この会を立ち上げたという栗原さん。
板谷「ここに通われてるみなさんが、最終的にどのようになることが目的ですか?」
栗原さん「一番の目標は変わることだと思っています。
その人自身が変わること」
彼らが自分で気付かないと変わらないので、
気づきを大切にしたいと思っている」
変わる第一歩は、気づきから」
投稿者:板谷由夏