2012年07月19日
LIFE 2012年7月12日 ~ママアスリート 土田和歌子選手~
先週。
板谷「いらっしゃった」
雨の陸上競技場で、
土田選手が練習を行っていました。

板谷「はやい」
目の前を、一瞬にして通り過ぎていきます。
練習は休むことなく続けられていました。

板谷「こんにちわ、お疲れさまです。はじめまして板谷です。」
土田選手「すいませんこんな初対面でこんなどしゃぶりで」
板谷「お天気も関係なく毎日?」
土田選手「そうですね、あんまりひどいとできないときあったりするが、
レースは雨でもあるのでやるようにしています」
高校2年の17歳の時、交通事故で脊髄を損傷。
下半身が動かなくなり、車いす生活となりました。
リハビリを終えた土田選手が出会ったのが
「アイススレッジ・スピードレース」
そりにのり、2本のツエで前進しタイムを競います。
98年・長野パラリンピックでは、2つの金メダルを獲得しました。
しかしその後・・・
アイススレッジスピードレースがパラリンピックの正式種目から
はずれたため、陸上の「車いす」競技に転向。
スピード感や、様々なコースで戦う楽しさにすっかり魅了されたといいます。
土田選手「スピードが出るために、改良されている車いすで」
この車輪の中の、これハンドリムっていうんですけど、
これをグローブで回すというかたたく」

一般の車いすよりも直径が小さい、ハンドリム。
小さいほど、タイヤが大きく回り、スピードが出ますが、
その分、腕にかかる重さも強くなるといいます。
マラソンでの平均時速は25㎞以上。
方向を変えるのは、ハンドルを使うほか
真ん中のバーで、前輪の角度を調整しています。
陸上に転向後のアテネ大会では、
5000Mで金メダルを獲得するなど実力を発揮。
日本人初となる、夏・冬パラリンピックでの
「金メダリスト」になったのです。
そして2008年。北京パラリンピックで目指していたのは
マラソンでの金メダル。
しかしその直前に出場した、5000メートル決勝で・・・
接触事故に巻き込まれ、腰の骨を折る大けが。
入院は2か月にわたり、一時は引退も考えたといいます。
なぜ再び、「ロンドン」をめざしたのでしょうか。

板谷「すぐ、また次頑張ろうという気持ちが生まれましたか?」
土田選手「やりきった感が全くなかったので、もう・・・」
板谷「もんもんとしたまんま?」
土田選手「そう、もんもんとしたまんまもしかして負けたら引退した
かも知れないし、だけどスタートラインに立てなかったというのは
不完全燃焼でいままで自分がやってきたことの結果が
残せなかったということが一番大きい。
パラリンピック経験させていただいて、車いすマラソンで金メダルを
とったことがないので、ぜひロンドンでとりたいと思います」
悲願のマラソン「金メダル」。
北京での悔しさをバネに、トレーニングを積んできました。
北海道で先月行われた、全日本・車いすマラソンの強化合宿。
公道で、およそ50キロを走る過酷な練習が行われていました。
実際にロンドンで走るコースは、
オリンピックのマラソンとほぼ同じ。
距離は42・195キロです。
自己ベストは、1時間34分06秒。
数々の国際大会でも輝かしい結果を残してきました。
ロンドンでは10名以上の選手と金メダルを争います。
今回、車いすマラソンの代表に選ばれた選手は7人。
そのうち、女性は土田選手、ただ1人です。
男子選手と共に行う、厳しい練習。
ロンドンで勝つためにはスピードだけでなく、
これまでにない、高い技術力が必要だといいます。

例えば、きつい角度のカーブや
石畳に似た足場の悪い場所。
ロンドンのマラソンコースを想定した場所で、
いかにスピードを落とさず走る技術を身につけられるか。
練習が続きました。

そんな土田選手を、サポートし続けているのが
コーチであり、夫の高橋慶樹さんです。
2006年に長男、慶将くんが生まれました。
慶将くんは、いま5歳。
家族3人、一丸となって競技にとりくんできたといいます。
板谷「頑張ってるお母さんみて、5歳のお子さんは?」
土田選手「2番とか3番になって、国際大会で帰ってくると
しょうがないよ、次また一生懸命練習すればいいよ、
って言ってくれて。
あ~そんなこと言ってくれるのか、とちょっと感動したりとか。
子どもってすごい力を持ってるなと」
この取材の4日後。
土田選手は、パラリンピック前最後となる大会へ。
板谷「どうですか、調子は?」
土田選手「まあまあです」板谷「応援しています」
スピードを確かめるため、挑んだ400M。
ここで土田選手は日本記録を更新し
ロンドンにつながる結果を残しました。
板谷「パラリンピックに向かって意気込みは?」
土田選手「近づくにつれ、重圧も出てくるとおもうが、
でもやはりせっかく今までやってきたことなので
力に変えたいと思うし、普段通りにやっていきたい。
スタートラインに立つときには、楽しむ一心をもって
走れることが目標です」
投稿者:板谷由夏