2012年11月14日
LIFE 2012年11月8日 ~新しい「出生前診断」~
新しい出生前診断を取り入れる予定の、
都内の病院です。
板谷「こんにちは、板谷です」
産婦人科医・関沢先生の研究室を訪ねました。

板谷「そもそも、一体どういう検査なのかというところから
教えていただいていいですか」
関沢医師「妊娠10週から、早い時期から
検査できるというのが特色の、
赤ちゃんの染色体の問題を
検出できるという新しい検査」
板谷「方法は?」
関沢医師「採血するだけ、普通の血液検査。
貧血の検査と一緒。
少し量は20CCと多いですけど、
採血するだけです」

胎児の細胞から作られる、胎盤。
母親の血液が、この胎盤に接していて、
胎児の細胞やDNAが入りこんでくるのです。
新たな診断では、採血から取り出した、
胎児のDNAを利用し、
「染色体の異常」をみつけるのです。

アメリカ・サンディエゴ。
お母さんの採血の分析はアメリカの検査会社に
送られて行われます。
去年10月から検査を行うシーケノム社。
シーケノム社検査所チーフ
ロン・マカロー博士
「実際の患者のサンプルです。
これらの血液を機械で回転させて血漿を取り出します。
それがこれです。」
これは妊婦の血液から取り出した血漿成分。
この中には胎児のDNAが10%以上含まれています。
これを最新の技術で分析し、染色体の異常をみつけるのです。

ヒトは23組・46本の染色体をもっています。
新たな診断では、
このうち3つの染色体の数を調べ異常を見つけます。
まず、ダウン症候群。
その多くが21番目の染色体が3本あるために発症します。
そのほか、心臓の奇形や
生後の予後が悪いといわれる、
13番と18番の染色体の異常がわかります。
結果が出るのは2週間ほどで費用はおよそ、20万円。
高い精度で、陽性か陰性か判断できるといいます。
シーケノム社検査所チーフ
ロン・マカロー博士
「毎日、何百という検体が届きます。
それは世界中からきます。
イスラエル、チェコ、ドイツ、香港からもきます。」
病院で診断を受けた、ケンドラ・コネホさん。
来年2月に出産予定です。
38歳の高齢出産で、過去に流産した経験があったため
診断を受けました。
ケンドラ・コネホさん「(結果が)良くても悪くても
親は準備することができます。
心の準備ができる。」
お母さんと赤ちゃんにとって流産などのリスクが低く、
簡単に受けられる新しい出生前診断。
しかしそこに、大きな問題が・・・
採血だけで簡単に受けられる、新たな出生前診断。
しかし、そこに大きな問題があるといいます。
関沢医師「漠然と考えないで検査を受けたことで
それがいざ陽性と出たときに悩みが
一気に降りかかって来る。」
医師によると、すでに診断が導入されている海外では、
障害がみつかった妊婦の9割が中絶を選ぶといいます。
もし陽性と出てしまったら。検査によって赤ちゃんの命を左右するという
“命の選別”につながりかねないと指摘する声があります。
新たな出生前診断について、みなさんに話を聞きました。
「(受けるか)迷うね。」
「もしそうなったら、って覚悟がないと。とりあえず検査はね・・・」
「個人的な話だと生まれてくるまで
そういうのは知らないほうがいろんな部分でいいかな。
でも必要な人だと思う人にはいい制度だとも思う。」
「一応・・でも賛成ですかね。生む、生まないは別にして
事前にしておく覚悟ができるので
してもいいのではないかと思う。」
ダウン症の子どもを育てる親は、どう受け止めているのでしょう。

黒木聖吾さんと長男・脩平くん。
脩平君は、
生後4か月のときにダウン症とわかりました。
黒木さんは都内に住む、
ダウン症の子の親たちとNPOをたちあげ、
ダウン症をもっと身近なものとして理解してもらおうと
活動しています。
黒木さん「出世前診断の技術的なものについては賛成も反対もない。
でもダウン症のある子が生まれることが不幸である、という前提で
(診断が)使われるようであればそれは反対です」
関沢先生はお母さんたちに、こう呼びかけています。
関沢医師「赤ちゃんの命を
どうするのかというような選択に関わってくることですから、
あらかじめ考えた上で検査を受けるようにしてほしい。」
「新たな診断」を行う予定の病院では
専門の「遺伝カウンセラー」を置いてカウンセリングを必ず行うといいます。
どんな診断なのか、何を目的に診断を受けるのか。
専門のカウンセラーや医師と話し合うのです
様々な意見があるなか、診断の準備は着々と進んでいます。
投稿者:板谷由夏