2013年01月28日
イチメン 2013年1月28日 日本版NSCって?
いまアルジェリアの事件を機に注目されている言葉があります。
それは安倍首相、肝いりの「日本版NSC」というものです。
食い入るようにモニターを見つめる
アメリカのオバマ大統領やクリントン国務長官。

これはおととし、国際テロ組織アルカイダの
ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害した際の軍事作戦を見守る様子です。
実はここにいる人たちのほとんどはNSCと呼ばれる会議のメンバーです。
「NSC」は
National Security Councilの
頭文字をとったもので
日本語に訳すと「国家安全保障会議」。

第二次世界大戦後の1947年に発足しました。
安全保障や外交政策について情報収集・分析をして
大統領にアドバイスする機関です。

メンバーは大統領を議長として
副大統領、日本の外務大臣にあたる国務長官、
防衛大臣にあたる国防長官、
諜報活動を行うCIAの長官など。
その下には政策、監視、技術を担当するスタッフなど
およそ320人の常駐スタッフがいます。

『13デイズ』というハリウッド映画では
このNSCを描いたシーンがあります。
舞台は1962年。
中米の国キューバをめぐりアメリカと旧ソ連が対立した
いわゆる「キューバ危機」です。
大統領はNSCを招集、国務長官や国防長官らが集まり対応を協議します。
メンバーからはミサイル基地への空爆やキューバへの軍事侵攻など
いくつもの選択肢が提示されましたが、
時のケネディ大統領は外交交渉による道を決断。
結果的に戦争という最悪の事態は回避されました。

では安倍首相がめざす「日本版NSC」とは
どのようなものなのでしょうか。
専門家によるとこれまでの日本の危機管理は
外務省、防衛省、警察庁などがそれぞれ独自に情報収集・分析をしていたため
政治的な決断までに時間がかかっていたといいます。

それを解消するために安倍首相は6年前に「国家安全保障会議」
いわゆる「日本版NSC」をつくる法案を国会に提出しました。
それによると会議のメンバーは首相のほか
官房長官と外務大臣、防衛大臣、さらに担当の首相補佐官。
検討段階ではさらに自衛官や民間の研究者による
10人から20人程度の事務局を置くとしていました。

これによってこれまで縦割りだった防衛省、外務省、警察などの情報を一元化し
首相が判断する選択肢を提示し迅速に決断してもらおうというものです。
しかしこの法案は廃案となりました。
安倍首相は再びこの「日本版NSC」創設に向けて
近く専門家の意見を聞くことにしています。
ただこれには、「官邸に情報や権限が一極集中することがいいのか」
という指摘もありますので、慎重に議論してほしいと思います。
投稿者:櫻井翔