2013年06月17日

子宮けいがんワクチン

唯一予防できるがん
子宮けいがんのワクチンについて
国が方針を転換しました。

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女性の100人に1人がかかると言われる
子宮けいがんを予防するためのワクチン。
4月から定期接種が始まったばかりですが
厚生労働省は接種を積極的に呼びかけることを
一時、中止すると決めました。
一体なぜなのでしょうか。


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車いすでの生活を送る高校2年生のAさんと
足が不自由なBさん。

Bさんは、高校1年の時に
はじめてワクチンを接種したあと
思考能力などの低下や
全身の痛みが現れはじめました。

Bさん
「2回目の接種をした後から左手に力が入らなくなってきて
 今は先の方は全然動かない感じでそれがどんどん広がってきて。
 足もです」

決められた接種は全部で3回。
体の不調がワクチンによるものだと気がついたのは
接種をすべて終えたあとでした。

そして中学3年の時に接種を受けたAさん。
ことし2月から車いすでの生活になりました。

Aさん
「最初の接種の時に左腕が腫れて
 おかしいなと思っていたんですけど」

1、2回目の接種のあとは腕が腫れる症状が出たもののその後改善。
しかし3回目の接種のあと…

Aさん
「動かないし自分で何することもできない状態が続いて
 1年間リハビリが続いて今年の2月に左腕が悪化して
 さらに発作的に痛みがくるようになってしまって
 学校で失神したりとか痛みからくる不安で過呼吸になったりとか」

症状は次第に悪化。
いまでは通学も困難な状況です。

Aさん
「みんなと一緒に学校生活が送りたいです」

他にも苦しむ患者はいます。
ワクチンの接種後に自分の意思に反して
足が反応する症状が出るようになった女子中学生も。
厚労省の調査によると
これまでのべ328万人がワクチンを接種しましたが
副作用が出たのはおよそ2000件。
このうち重い症状は358件報告されています。


国はなぜワクチン接種を勧めてきたのでしょうか。

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そもそも子宮けいがんとは子宮の入り口にできるがんで
その原因の多くは性交渉で感染する
「ヒト・パピローマ」というウイルスです。
実はこのウイルス自体は性交渉を経た女性の
7~8割が感染すると言われています。
このうち一部の人ががんを発症。
しかし感染前にワクチンを接種すれば
日本人がかかる子宮けいがんのうち、
7割ほどのタイプを予防できるとされています。

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このため国は12歳から16歳の女性に
自治体から問診票を送るなどして接種を呼びかけ
原則、無料で受けられる定期接種を4月から始めました。
 
これ以上の年齢の女性も費用負担はありますが
ワクチンの接種を受けることができます。
しかし副作用が相次いで報告され
国は積極的な呼びかけを一時中止する決定をしたのです。

今後も個人の判断でワクチンの接種は可能です。
接種をするかしないか考える上で参考になるデータがあります。

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子宮けいがんワクチンとその他のワクチンで
どれだけ副作用が発生するか、発生率を比較したものです。
どのワクチン接種にも副作用はありますが
インフルエンザワクチンの場合、13万3333回の接種で副作用が1件。
これに対し子宮けいがんワクチンは2つのメーカーが製造していますが
副作用はそれぞれ4080回の接種で1件、6423回の接種で1件です。

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一方で世界的に見てみるとWHO=世界保健機関は全世界において
子宮けいがんワクチンを接種するよう呼びかけています。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった先進国でも
国が接種を勧めています。

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現場の医師や専門家の意見も様々です。
ワクチン接種を勧めてきた医師からは
「子宮けいがんワクチンと副作用の因果関係が分からない中
 ワクチンを接種しないことで本来、防げたはずの人が
 がんにかかってしまうリスクがある」と話しています。
一方、「原因が説明できない重い副作用がある中で
積極的に勧めていいものか」と話す専門家もいます。

見方は様々ですが現場の医師は
「ワクチンを接種してもしなくても
 子宮けいがんの検診は必ず受けてほしい」と話しています。

投稿者:櫻井翔