2013年07月01日

エジプト・政権打倒デモ再び

中東の民主化運動、いわゆる「アラブの春」で
長期独裁政権に終止符を打ったエジプトが再び揺れています。

2年前の民主化運動の中心地タハリール広場は
政権打倒を叫ぶデモ隊で再び埋め尽くされました。
エジプトで今、何が起こっているのでしょうか。

爆発したのはモルシ大統領の出身組織「ムスリム同胞団」の本部。
反大統領派によって襲撃されました。
モルシ大統領の就任から1年を迎えた30日。

デモ隊「退陣しろ!我々はもうお前を必要としていない」

モルシ大統領の退陣を要求するデモ隊。
メールなどの呼びかけで集まったデモ隊の数は全国で数百万人に達し
政権発足以来、最大規模となりました。

一方、大統領支持派も集会を開くなどして対抗。

大統領支持者「モルシ大統領とその正当性を守るために来た」

1日未明にはデモ隊と大統領支持派が衝突。
銃撃戦にまで及びました。

エジプト保健省によると30日から1日にかけてあわせて16人が死亡。
およそ781人がケガをしています。


ここまで激しいデモに発展したのはなぜなのでしょうか。

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おととしまで30年に渡り国を支配したのはムバラク政権です。

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その独裁政権に不満を持ったのは主に若者のグループ。
ツイッターやフェイスブックなどで呼びかけ
デモはエジプト全土に拡大しました。
これにエジプト最大のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」なども協力し
ムバラク政権を崩壊に追い込みました。

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そして去年、国民の手による新しい大統領選びが行われました。
政権を掌握したのは組織票を持ち選挙に強いムスリム同胞団。
彼らが推したモルシ大統領による新政権が誕生したのです。
若者グループの中にも
民主的に選ばれた大統領として当初は期待していた人もいました。

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ところがこの1年。
国内では高い失業率やガソリン不足などの経済への不満、
イスラム色の強い政策への不満、悪化する治安への不満などが噴出。
こうしたことから若者グループや野党勢力は
就任1年を機に大規模なデモを呼びかけたわけです。

さらに抗議の矛先は大統領だけにとどまらず
大統領を支えるグループにも向けられました。
ムスリム同胞団の本部がデモ隊に襲撃されたのもこのためです。

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モルシ大統領は対話を呼びかけていますが
反大統領派は日本時間の3日までの辞任を要求していて
事態収拾のめどは立っていません。

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2年前に各国を席巻した「アラブの春」ですが
エジプトだけでなく独裁政権が倒れたリビアやチュニジアなどでも
政情不安が続いています。
独裁体制が終わってもなかなか暮らしが良くならず 
人々の不満が高まっているためです。

市民の手による新しい国づくりは
まだ手探りのようです。

投稿者:櫻井翔