放送内容

HATENAVI

2013/02/26 放送
フィギュアを習う子どもたち

フィギュアを習う子どもたち

ロシアのソチで行われる冬季オリンピックまであと1年足らず。
今月七日には現地で記念のセレモニーが行われました。

出場一番乗りを決めたアイスホッケー女子日本代表や高梨沙羅がメダル獲得を目指すスキーノルディックなど、数々の注目競技がある中、先日行われた四大陸選手権で浅田、鈴木、村上の3選手が10年ぶりに表彰台を独占したフィギュアスケートに注目。

過去3年間に行われた公式大会の結果を見ると、日本の総メダル獲得数は39個。2位のアメリカに15個の差をつけるなど、圧倒的な強さを誇ることが分かります。

では、なぜフィギュアスケートがここまで強くなったのでしょうか?
その理由を探るべく、ハテナビが注目したのはフィギュアスケートを習う子どもたち。
将来のメダリストを目指す子供たちに密着取材、日本フィギュアスケート躍進の秘密に迫りました。


まず調査に向かったのは神奈川県のスケート教室。
5歳から高校生まで全部で507人のが通っています。
初心者の子どもたちは氷上での基礎的な動きを学ぶところから始まり、コーチに適性を認められた子供たちはオリンピックなどの世界的な大会への出場を目指す選手コースに進みます。

では、オリンピックを目指す子どもはどんな生活を送っているのでしょうか?

調査のため選手コースに所属している志賀海門くんに密着しました。
海門くんは関東大会で優勝し、全日本選手権への出場経験もある小学4年生にして将来を期待されている選手なんです。
週5日のクラブでの朝練に加え、学習塾の合間をぬって、午後も週4日で練習を行うというなかなかハードなスケジュールです。

朝練はコーチによるマンツーマンの指導で1時間のレッスンです。
朝練を終え、海門くんは学校へ。
この日は学校が終わったあとも再び練習。

そして帰宅後もトレーニングは続きます食事とお風呂を済ませた海門くん、まずはストレッチを始めました。

フィギアをやる上で欠かせないのが柔軟性。
特に男子は女子に比べ、体が固いことが多いため念入りにストレッチを行います。
お母さんも背中を押してお手伝い。
ストレッチ終了後、続いては筋トレ。
腹筋20回に、腕立て15回さらに背筋15回。
氷上でのジャンプやスピンには筋力も求められるため、毎日同様の回数をこなしているんです。

続いて、スピンの練習をするためのスピナーという器具でトレーニング。
氷の上での練習時間が限られているからこそ家でのトレーニングが重要になってくるんだそうです。

トップ選手を目指す子どもたちには、当たり前の練習量なんだそうですが、子どもがこれだけ練習するのは海外でも珍しいらしく、この豊富な練習量に強さの秘密があると言われています!

海門くん衣装にもこだわりがあり、所有する衣装は全部で7着。
フィギュアスケートの衣装はスケートリンクに併設されているお店で購入可能なのですが大会に出場する子たちはさらに手を加えます。
大会時に少しでも見栄えや印象をよくするためお母さんにお願いして装飾してもらっているんです。


そんな海門くんの取材中に、ハテナビはさらに強さの理由を発見!

それが、マンツーマンで海門くんを指導しているのは、過去に2度のオリンピック出場経験があり、トップレベルの指導者松村みつるさん。

実は日本のフィギュアスケートの競技人口は世界の強豪国に比べて圧倒的に少なく。
それゆえ、トップコーチが子どもに密な指導をすることが珍しくないんです。

実際にこちらのスケート教室では他にも浅田真央選手や小塚崇彦選手のコーチを務める佐藤信夫さんが子どもの指導も担当しています。


では、トップコーチに指導される子どもの演技とはどのようなものなのでしょうか?
向かったのは浅田真央選手など、数々の名選手を輩出してきた名古屋の名門クラブ。
ここにはオリンピックを目指す子どもたちが多く在籍しています。そこで、このクラブに所属している佐々木晴也くんが愛知県で開催されるフィギア大会に出場すると聞き取材しました。

晴也くんは今まで数多くの大会に出場し全て3位以内の成績を収めているという将来のメダリスト候補。
彼を指導する山田先生は、過去にオリンピック金メダリストの伊藤みどりさんを育て、現在は村上佳菜子選手を指導する日本有数のトップコーチです。

そんな晴也くんに今大会の目標は「シットスピン」。
シットスピンとは腰を落とし、座ったような姿勢で行うスピンの種類、高橋大輔選手をはじめ数多くの選手が国際大会で披露している技なんです。
この半年間、毎日練習してきたシットスピンを決めることを目標にいよいよ本番に望みます!

出だしから順調な滑り出し。
さすがトップ選手、ジャンプも難なく決まりました。
シットスピンも見事成功!!
今大会でも見事優勝を飾りました。

幼少時からトップコーチの指導のもと、豊富な練習量をこなすこと、これが日本フィギア躍進の理由だったんです。