「私は、キム・ミンソクの婚約者です」――。韓国を追われて日本にやって来た財閥の御曹司キム・ミンソク/青木照(志尊淳)と、小さな診療所の医師・河瀬桃子(仁村紗和)。23年ぶりに東京で再会し、心を通わせ始めた2人の前に、ミンソクの婚約者を名乗る女・新海映里(長濱ねる)が現れた。突然のことに驚くミンソクに、映里は「元気そうね」と穏やかにほほ笑む…。
日本の大企業・新海グループの社長令嬢でインフルエンサーの映里は、華やかな経歴もさることながら、美貌と気品も兼ね備えた完璧なセレブ。財閥の御曹司と美人令嬢のビッグカップルに、診療所の看護師・花井美香(みりちゃむ)も「すっごくお似合い」と羨望のまなざしを向けるが、ミンソクは「もう、婚約者じゃありません」と、映里との婚約はすでに解消したと説明。しかし、婚約解消の理由について聞かれると、言葉に詰まってしまう…。
ミンソクにセレブな婚約者がいたことを初めて知った桃子は、不安な気持ちを抑えきれず、こっそり映里のSNSをチェック。自分とは住む世界がまるで違う、映里のきらびやかな私生活に圧倒され、すっかり自信をなくしてしまい…。
それぞれの思いが交錯する中、不安に駆られる桃子の身に危険が迫る!!
以下、ネタバレを含みます
ミンソクは桃子に、映里との関係を打ち明ける。映里とは小さい頃からの知り合いで、結婚は親同士が互いの会社の利益のために決めたことだった。だが、ミンソクに横領の疑いがかけられたことを知った映里の父から「君との婚約はなかったことにする。映里もそれを望んでる」と言われ、ミンソクは婚約解消を受け入れるしかなかった。それなのに、なぜ今になって映里が現れたのか、ミンソクには映里の思惑が分からず…。
翌日、ミンソクは、ベルマンの夏目孝彦(松岡卓弥)が外国人客の対応に困っているところを目撃。助けに入りたい気持ちはあるものの、支配人・水島栄壱(矢柴俊博)の時のように「人前で恥をかかされた」と思われかねない。これは偽善なのか。迷うミンソクの脳裏に、桃子の言葉がフラッシュバックする――「ミンソクさんは、困っている人に自然と手を伸ばせる、優しい人です」――その言葉に背中を押されたミンソクは、夏目と外国人客の間に入り、問題を解決。夏目から「とても勉強になります。ありがとうございました」と礼を言われ、思わず笑みがこぼれる。そのやりとりを、水島が不服そうに見ていて…。
ミンソクが診療所に帰ると、映里がこども食堂の手伝いに来ていた。衝撃を受けるミンソク。そんなミンソクをよそに料理が得意な映里は、ハート形や花の形をしたハンバーグを起用に作り、子どもたちの心をがっちりつかむ。さらに、ミンソクを思う桃子の気持ちに気付いた映里は、わざとみんなの前で、ミンソクとの楽しかった思い出を語る。ミンソクと映里の間に立ち入れないものを感じた桃子は、すっかり気後れしてしまい…。
そんな映里の行動を見かねたミンソクは、映里にはっきりと別れを告げる。「僕はここで、いろいろな人と出会って、いろいろな発見をして、今までとは違う、新しい自分を生きてるんだ」。ベルマンとして働きながら、診療所のみんなと毎日笑って過ごす、そのすべての時間が愛おしいミンソクは、桃子の顔を思い浮かべながら、「今は……隣で一緒に、笑っていたい人がいる。その人の隣が、自分の居場所じゃないかって思える人がいる」。ミンソクの真っすぐな言葉に映里は「もうここには来ない」と言い残して去って行く…。
そうとは知らない桃子はすっかり元気をなくし、ミンソクとまともに目も合わせられなくなってしまう。そんな中、自宅で発熱した患者から往診の依頼が入り、自転車で向かおうとする桃子。雨が降りそうだと感じたミンソクが「自転車はやめたほうがいいですよ」と忠告するものの、桃子は引き留めようとするミンソクの手を振り払い、「大丈夫ですから!」と、自転車を走らせてしまう…。
ミンソクの予感は的中し、しばらくして雨が降り始める。雨脚は次第に強くなり、不安なミンソクは桃子に電話するが、つながらず…。桃子が出て行ってから、すでに2時間。訪問診療から戻ってきた院長・風見進(でんでん)から、近くで事故があったらしいと聞いたミンソクは、慌てて外に飛び出す!
「桃子先生!桃子先生!」。降りしきる雨の中を、桃子を捜して駆け回るミンソク。その頃、往診を終えた桃子は、雨の中、診療所に向かって自転車を走らせるが、道路の陥没に引っかかって転倒。地面に体を打ち付け、痛みで起き上がれなくなってしまう…。痛みにもだえる桃子の脳裏に、亡き父との思い出がフラッシュバックし、涙があふれる…。その時、「桃子先生!」とミンソクが駆け付け、桃子の体を抱き上げる。「ミンソクさん……ごめんなさい……」。ずぶ濡れになりながらおえつする桃子を、強く抱き締めるミンソクで…。
桃子は幼なじみの山城拓人(京本大我)の病院に運ばれた。病室に付き添うミンソクに、亡き父との思い出を打ち明ける桃子。23年前、父が亡くなった日、学校に行こうとしていた桃子は、風邪をひかないように上着を渡してくれた父の手を「大丈夫だって!」と振り払ってしまった。そしてそれが、父との最後の会話になってしまった…。人との別れはいつ訪れるか分からない、それを痛感したはずなのに…。今回もまた、心配してくれたミンソクの手を振り払ってしまったことを後悔する桃子。ミンソクは「僕は、ここにいます。桃子先生が、必要としてくれるなら。僕はずっと、ここにいます」。その言葉を聞き、桃子は安心したように眠りにつく…。
病室に拓人がやって来て、「桃子はもう大丈夫だよ」と、ミンソクに帰るよう促すが、ミンソクは「ずっと、ここにいます。桃子先生を捜している間……ずっと後悔してました。なんでもっと早く、気付けなかったんだろうって。桃子先生は、僕にとって、とても……とてもとても、大切な人なんだって」。そう言って、桃子の手をしっかりと握るミンソク。しかし、その手を拓人がつかみ、「離せよ」と桃子から引き離す…。驚くミンソクに、拓人は「おまえより……もっともっと、何十倍も、何百倍も、何千倍も。俺にとって、桃子は大切だ」――。