13年前、秋葉原で6人の少女が姿を消した未解決事件―― 通称「アキバの神隠し」。 一年に一度のゲームショウで、その事件を題材にした新作ゲーム『AKIBA LOST』の開発を高らかに宣言したのは、 かつて“天才クリエイター”と呼ばれた新城大輝だった。しかしその発表を機に、再び不可解な失踪事件が起こり始める。 ゲームの出演者として集められたのは、メイドカフェで働く新城の妹・新城葵、地下アイドルの長門ここね、グルメライターの黒須萌、巫女の神保千尋、コスプレイヤーの遊佐若菜、ゲーム配信者の倉橋佑季美。日本が誇るサブカルチャータウン“秋葉原”を象徴する多彩な顔ぶれだった。 だが、彼女たちが演じるはずの物語は、やがて現実を侵食し始める。そのきっかけは新城に届いた脅迫電話と葵の失踪だった。 「ゲームの開発を中止しろ――さもなくば悲劇は繰り返される。」 新城はゲームを完成させられるのか?仲間を守れるのか?犯人は誰なのか?そして13年前の真実とは?
「シロサワゲームズ」創業者。デビュー作が大ヒットし“天才クリエイター”と称されたが、その後は不振が続いていた。 二人の妹がおり、末っ子・瑠璃は13年前、秋葉原で6人の少女が姿を消した未解決事件――通称「アキバの神隠し」の被害者だった。 行き詰まる日々の中、彼は起死回生を狙い、妹を奪った実際の事件を題材にゲームを制作すると宣言する。そのタイトルは「AKIBA LOST」。
新城の妹で、秋葉原のメイドカフェで店長として働いている。 三兄妹の末っ子瑠璃が失踪して以降もゲーム開発に没頭する兄に反発し、この13年間ほとんど会っていない。高校卒業を機に、事件の現場である秋葉原に身を置き続けている。 普段はやや塩対応だが、ふと見せるツンデレな一面に心を掴まれる客も多い。
「シロサワゲームズ」でデザイナーとして働く傍ら、ゲーム好きが高じて始めた実況配信で人気を集めるゲーム配信者でもある。 新城のデビュー作『ホワイトクラッシュ』の大ファンで、上京後は押しかけるようにシロサワゲームズの門を叩いて入社。新城や共同創業者の高澤を兄のように慕っている。 配信中に時折こぼれる東北訛りが、視聴者を惹きつける魅力。
食で秋葉原を語る、秋葉原専門のグルメライター。 元々はジャンルレスのライターとして活動していたが、3年ほど前から秋葉原のサブカルチャーに魅了され、老舗の名店から最新トレンドカフェ、ユニークな飲食店まで独自の切り口で紹介をしている。スタイリングに合わせた小物使いな私服の一方、男まさりな性格で、無骨な愛車を乗り回している。
小箱のライブハウスを中心に秋葉原で活動している地下アイドル。 所属グループは「ベイビー☆マカロン」。あざとかわいさ全開の“ザ・アイドル”な雰囲気でありながら、売れたいという情熱は人一倍強い。 オンとオフの切り替えがはっきりしており、私生活では地下アイドルらしからぬハイブランドの服やアクセサリーを身につけることも多い。
秋葉原の氏神様として親しまれる神田明神でアルバイトをする巫女。 幼い頃のある出来事をきっかけに神様の存在を信じ、秋葉原という街に深い感謝を抱くようになった。実は大のゲーム好きで、難解なアクションゲームも軽々とクリアしてしまう腕前を持つ。 落ち着いた物腰で、おしとやか。口癖は「神です…。」
秋葉原を拠点に活動するコスプレイヤー。 10年以上前に発売された伝説的ゲーム「マジカル小学生リリカ」のコスプレ一本で勝負し続け、リリカ愛を全身で体現している。実は帰国子女で、流暢な英語で海外観光客との交流もお手のもの。 天真爛漫な性格と抜群のコミュ力で、今日もリリカコスプレ街道を全力疾走中。