STORY

2024.03.03 OA
生まれてくれてありがと

「俺もありすのことが好きだ」――。倖生(永瀬廉)に抱きしめられて、ありす(門脇麦)はドギマギ…。次の日、なんだか気まずいありすと倖生。察しのいい和紗(前田敦子)は「お前ら、なんかあったな?」とニヤニヤ。が、幸せもつかの間。倖生の過去がSNSで拡散されて…。『横領犯の息子』『窃盗で逮捕歴もあるやばいやつ』――。

「俺がいたらみんなの迷惑になるから」と、荷造りを始める倖生。必死に引き留めるありすを突き放し、倖生は出て行ってしまう…。ホール担当がいない『ありすのお勝手』は休業することに。心護(大森南朋)も学会のためしばらく出張で、ひとりぼっちになったありすは、何も手につかない。来週は倖生の誕生日、どう過ごすのか…忘れようとしても倖生のことばかり考えてしまう。そんなありすを心配した和紗は、2人で店を再開しようと提案。忙しく仕事をして忘れるのが一番!背中を押されたありすは、身重の和紗を心配しつつ、店を再開。さらに、新しい恋を求めて恋活パーティーに参加。店を回したり、パーティーに付き添ったりと、ありすのために動く和紗を金之助(大東駿介)は心配して…。
一方、倖生がありすの家を出たと知った百花(大友花恋)は、倖生の誕生日に礼央(橘優輝)と栄太(堀野内智)を誘ってご飯に行こうと提案。倖生も断り切れず、行くことになるが…。

和紗の体に異変が!! ありすと倖生との恋の行方は!?そして、心護が晃生(竹財輝之助)の死について語る事実とは――!?

以下、ネタバレを含みます。

倖生の父・晃生は、五條製薬の研究所長だったが、研究予算を横領した罪で追い込まれ、自殺していた。五條家では、倖生の素性を知った道隆(北大路欣也)が、誠士(萩原聖人)に倖生の監視を命令し…。

ありすは提案されるまま、倖生を忘れようと恋活パーティーに参加。しかし、男性参加者から声をかけられて空回りした上に、会場内で響いたクラッカーの音に驚いてパニックになってしまう…。
店でも失敗続きですっかり落ち込むありすに、心護と同じ学会に参加中の蒔子(木村多江)から電話が。好きな人を諦めるにはどうしたらいいのか?というありすの問いに、「本当に大切な人だったら、諦めちゃダメだよ」と蒔子。それを聞いたありすは意を決して、倖生に会いに大学へ向かう。好きだと言ってくれたのは嘘だったのか?自分の悪いところはどこか?…立て続けに質問するありす。倖生は「ありすは悪くない。心護さんが、俺の父さんを殺したんだ」――。
倖生は、ありすに話し始める。父・晃生と心護は五條製薬の同僚で、恋人でもあった。倖生は父の葬儀の夜、母からその事実を聞かされたという。晃生は、結婚後も家族に内緒で心護との関係を続けており、心護から金を無心されていた。ついには心護に横領をさせられて、死を選ばざるを得なかったというのだ。父の死後、倖生の母は無理をして働き続け、体を壊して他界。
「俺は心護さんに復讐するために、ありすの家に行ったんだ」。
もし倖生の言うことが本当なら…『ありすのお勝手』もそのお金で作ったのか?だとしたら、自分は倖生の不幸の上で恵まれた生活をしていたのか…?ありすは食事も喉を通らなくなってしまう。

一方、三ツ沢家では、和紗と金之助が大ゲンカ。身重の体を顧みずありすを支える和紗に、「自分だけの体じゃないんだぞ。もっと家族のことも考えろよ」と怒る金之助。こんな時に放っておけない、「ありすも家族だろ!」と言い返す和紗。
強気の和紗だったが、翌日、ありすの家で倒れてしまう。ありすがなんとか救急車を呼び、病院に運ばれた和紗は、緊急手術をすることに。胎盤が剥がれ、母子ともに危険な状態だ。駆け付けた三ツ沢家の一同は、和紗が死んでしまうのではと狼狽。みんなを落ち着かせようと明るく気丈に振る舞う金之助だが、「私のせいです」とオロオロしているありすのことが心配で…。

ちょうどその頃、倖生は百花たちに誘われた誕生日ディナーのためレストランへ。ところが、店に居たのは百花だけ。百花は、礼央と栄太が来られなくなったことを黙っていたのだ。2人での食事が始まるが、倖生はずっと上の空でほとんど食べていない。と、倖生のスマホに金之助からメールが。『和紗たおれた。ありすちゃんがやばい』。倖生はすぐさま席を立ち、店を出ていこうとする。「行かないで。…好きなの!」想いを告げ引き留める百花。しかし、倖生は「ありすのそばにいてあげたい」と店を飛び出していく。

病院に着いた倖生は、混乱しているありすを抱き締め、“ベンゼン”をする。その顔を見て、「倖生さんが、ベンゼンをしています…変な顔です」と、ようやく落ち着くありす。そして、和紗は元気な女の子を出産。母子ともに無事であることが伝えられ、三ツ沢家は安堵に包まれる。倖生は和紗から、「しばらくありすのこと頼んだぞ」と託されて…。

家に帰ったありすは、誕生日の倖生のため、思い出の味であるスコッチエッグを作る。しかし、祝わなくて良いと言う倖生。自分は、ゲイの父親が世間体のために結婚して生まれた子ども。いわばウソをつくための道具。自分が生まれてきて幸せになった人なんていない…。だから誕生日が嫌いだと言う倖生に、ありすは言う。
「倖生さんが生まれてきてくれて、今まで生きてくれて、すごくうれしいです」
和紗が死の淵に立たされ、ありすは大切な人を失う恐怖を味わった。倖生がいなくなるのは、同じように怖い。仮に心護が晃生に横領をさせていたとしても、それは倖生だけの問題じゃない、「私も、一緒に向き合いたいです」。ありすの真っすぐな思いに思わず涙した倖生は、「…ありがとう」と、スコッチエッグを食べ始める。「倖生さん、お誕生日おめでとうございます」――。

翌日、学会から帰った心護に、ありすは「お父さんが横領をさせたんですか?」と問いただす。そんなお金で開いた店なんかいらない、と追及するありすに心護は言う。
「晃生は、倖生くんのお父さんは、横領なんかしていない…全部濡れ衣なんだ」――。
倖生は絶句して…。