5月13日 昭和の社員食堂

「ベーコン2枚、卵1個!トースト1枚!」

と、毎朝のように、東京・麹町の日本テレビ社員食堂で注文していたのは、もう40年以上前のことになる。

6時台の生番組「ルンルンあさ6生情報」を終えて、反省会の後、7時半から開く食堂で、番組スタッフと共に朝食を楽しんだ。

麹町の社員食堂は地下にあり、朝の光が入るわけでもなかったのだが、私もスタッフも、みな若く、わいわいがやがや、明るい食事風景であった。

ベーコンエッグは、その場で焼いてくれる。卵の個数やベーコンの枚数、トーストの枚数も、自由に頼めた。ミニサラダが付いていたかしら?値段は、枚数多めの注文でもさして変わらず、300円から400円だったと思う。

牛乳は、無料であった。賞味期限の迫った200㎖のパックがならんでいて、一人一つずつ取るのだが、なぜかその際、食堂の帳面に、所属と名前を記入する。

1年先輩の白岩アナが、もっともらしい顔つきで「どうしてか、分かるかい?ツケにしておいて、定年退職の時に、まとめて請求されるんだぜ」と教えてくれた。

まさかァ、と思ったが、約40年を経て、私も定年を迎えた時、「牛乳代の請求書があったらどうしよう?」とチラと思った。請求は…来なかったけれど、その後もシニアの社員として在籍しているので、いよいよ日テレを離れる時にひょっとして、と思うと、まだ油断はできない。

それにしても、朝の慌ただしさの中で、一人一人の注文にこたえてくれた、食堂のおばさん、おじさんたち(と、なれなれしく呼ばせてください)に、今も感謝の思いがこみ上げる。あれは、昭和という時代ならではの、素朴な手作り、ぬくもり、人なつこさ、であろうか。