1月22日 2015年

今年、「ニセンジュウゴネン」と何回、口にすることだろうか。
「15」(ジュウゴ)のアクセントは今、「揺れている」。
変化の途上にあり、人によってさまざまで、不安定な状態なのだ。
 
「15年」を、あなたはどのように言いますか?
以下、見づらくて恐縮だが、斜線のところで、音が低くなったり、高くなったりする、と考えて、
自分の発音しているタイプを選んでみてほしい。(「・」は、ごく短い間(ま))。
「ジュ\ウゴネン」、「ジュ\ウ・ゴ/ネン」、それとも「ジュ/ウゴネン」?
 

 
若い人は、3番目が多いのではないだろうか?
助数詞に限らず、尻上がりのアクセントは、今どきの若者の発音の特徴。
例えば「かなり、痛くない?」を「か/なり、い/たくない?」と言っている。
 
「ジュ/ウゴネン」は、時代の先端をいっているのだろうが、アナウンサーには、1番目か2番目を求める。
通常は、「ジュ\ウゴネン」。念を押すようなときは、「ジュ\ウ・ゴ/ネン」。
2015年の現時点では、「2015年」は、「ニ/セ\ン・ジュ\ウゴネン」が基本。
 
なぜ、そう言わなければならないのか?
理路整然とは説明できない。
アクセントは、合理的とは言い難いものである。
「雨」と「飴」ならば、アクセントを間違えると意味が変わってしまうが、
「2015年」は、どのアクセントで言っても、別の年と思う人はいない。
ならば、こだわる必要はないじゃないか!いや、そうではない。
「ニ/セ\ン・ジュ/ウゴネン」は、やはり違和感がある。
体がねじれるような、妙な感じがする。
 
...などという会話が、アナウンス部で時々交わされる。
重箱の隅を楊枝でほじくるようなやりとりだが、
言葉に敏感になることは、大工さんが道具箱を整えるような、仕事への備え。
いつも研ぎ澄まして、というわけには、なかなかいかないが、
安定感のある仕事をするためには、ホコリを積もらせてはいけない。

というわけで、2015年。
言葉の響きを大切に、きりっとした仕事をしたい。