3月10日 パソコン劇場

先月、初めてオンライン配信で、芝居を観た。

(「オンライン配信」は重言ではないか?という疑念が頭をかすめるが、IT関連の言葉は、私にとっては完全に外国語で、是非の判断が出来ない)

まず、ウェブサイトに視聴を申し込む。すると、「いついつまでに、コンビニに行って料金を払い込め」と指示される。コンビニで芝居のチケットを入手したことはこれまでにもあるが、今回は、料金を払ってもチケットがもらえない。小さなレシート1枚を手にして、これは「振り込め詐欺」のパターンではないか?と少し不安になる。

 

しかし、ほどなくパソコンに、料金受領の連絡と、視聴方法の案内が来る。

案内に従って視聴のリハーサルを試みるが、ライブではなく、録画済みのアーカイブ作品でも、配信当日までは解禁されないようで、PR動画しか見られない。

しょうがない、当日朝まで待って、さあ、と入り込もうとしてみたが、ダメ。

配信開始は夜7時。まあ、劇場が開くのは開演30分前だもんね、と納得して、一日、なんとなくワクワクして過ごし、早めの夕食を済ませ、6時40分。もう“開場”しているはずだ。

 

あちこちクリックして、キーボードを叩いて、パソコン劇場に入ろうとするのだが、扉が開かない!! そうこうするうちに7時を過ぎてしまう。ライブ配信なら乗り遅れではないか!!

気持ちが焦る、頭に血がのぼってくるのがわかる…。ITなんか、嫌いだ!! 

 

どうやってたどり着いたのか、今もってよくわからない。

シリアルコードとやらを発見し、それをきっかけに、なんとか迷路を脱出、15分遅れで、パソコン劇場の座席に。芝居は待っていてくれて、静々と幕が上がった…。

 

テレビの「劇場中継」は、子供のころから好きだった。

日本テレビも開局当初は盛んに放送し、20年ほど前にも、深夜枠で、若手のディレクター、アナウンサーが、小劇団の芝居を中継し、熱心なファンに支持されていた一時期がある。

今、観たい作品を自分の時間と空間で楽しめるオンライン配信は、コロナ禍や高齢で外出がままならなくなった時の、希望のツールであろう。

慣れておかなくては、と思いつつ、やっぱり芝居は劇場で観るのがいちばん!と、足腰を鍛えておこうという決意も新たにした。