7月6日 はんりょさん

「ご主人、奥さん」以外に、すんなり聞こえる、夫妻への呼びかけの言葉はないものか、と、このコーナーに書いたのは、もう9年前のこと。

昨今、ジェンダー(歴史的・社会的に形作られた男女の差異)について考える動きがメディアの世界でも活発になり、放送各社が集まって言葉遣いを検討する会合でも、主要なテーマになっている。

 

もちろん、個人個人の言葉遣いは自由で、「私の主人は~」「ウチの奥さんは~」で結構なのだけれど、「夫は~」「妻は~」と話すご夫婦に向かって、平らかで心地よい呼びかけの言葉を見つけたい。

 

「夫さん」「妻さん」を提唱する人もいる。言っているうちに、聞き慣れていくのかもしれないが、どうも語感がいま一つ、という感じがして、私はまだ使ったことがない。

「お連れ合い」は、「しなやかで品のある言葉だ」と認めるアナウンサーも多いのだけれど、ある社のベテランがラジオで使ってみたら、アシスタントの若いアナウンサーが、「何ですか?それ」という顔をして、首をかしげていたそうだ。

 

「伴侶」という言葉もありますよ、と会合で発言したのは、どの社のメンバーであったか。

「はんりょ」という音が、まろやかで、古くからある言葉なのに、耳に新鮮に響いた。

「人生の伴侶」…対等で、広がりを持つ言葉である。年月の積み重ねも感じる。

「伴侶」に「さん」をつけてみたら、どうかしら…?

 

「伴侶さんはどんな方ですか?」「伴侶さんはどう思われますか?」

今、私はひそかに、街頭インタビューの機会をうかがっている。