7月24日 鈴江奈々

そこにいくと温かい気持ちになる。そこに行くと力をもらう。

私にとって、そんな気持ちになる場所の一つが、

輪島市町野町です。

 

町野町は、輪島の市街地と珠洲市の中間に位置する山間地域。

地震と水害、2度の災害の爪痕が深く残る中、

大変な状況下でも互いに思いやり、そして初めて出会う人でも

親戚や家族のように温かく迎えてくださいます。

 

インタビューを終えて帰ろうとすると、

「畑のお野菜食べきれんから、持っていかない?」というおばあちゃん。

ご近所さんが誰なのかもわからない都心ではなかなかない声掛けですよね。

そんな温かさに触れる奥能登での取材は、何かの力になりたいと強く思うと同時に、

こちらが「心の栄養」をたくさん頂く時間でもあります。

 

震災直後から定期的に取材してきた中で、友人がつないでくれたご縁もあって

町野町には、今年4月、6月、7月とボランティアでも訪れています。

6月にお邪魔した時にいただいた能登の郷土料理の「ほう葉めし」

ほう葉の上に熱々のご飯ときな粉をのせて包んだシンプルな料理。

でも、なんとも言えない香り、そしてほんのりと感じる甘み。

忙しい田植えの時期にたべるものと伺ったのですが、その美味しさは忘れられない味に。

 

7月に訪れると、水田には青々とした稲が青空に生えていました。

でも、その奥につらなる山々には、「山津波」の跡があちこちで残ったまま。

いまだに、つぶれた家屋も手つかずの場所もあります。

 

コメ農家の方に話を聞くと、まだ震災前の1割ほどの作付けという方も。

個人ではどうにかできる話ではないという山積する課題、

能登で起きていることは、高齢化、人口減少が進む他の地域の課題でもある

という声を多く聞きます。

 

だから無関心ではいられない。

能登の未来が明るければ、きっと日本のどの地域でも暮らしやすい。

温かな交流がこれから先もずっと続いていくはず…。

また会いに行きます!!