3月19日 田辺 大智

入社してから、もうすぐ一年が経つ。

 

緊急事態宣言が発出され、入社からの2ヶ月間、出社は一度もなかった。

家にいることが増えた分、自分で時間の過ごし方を見つけなければいけなかった。

 

学生時代は、サッカーをしていれば時間が過ぎていった。しかし、社会人となった今、そうはいかない。

時間の使い方がわからない自分が、なんだか悲しくなった。

 

 

あまりにもやることがないので、外を歩いてみた。手ぶらで、ただ家の周りを歩く。ベンチに座る。一息つく。やることがない。周りを見てみる。

 

花の色、風のにおい、日の光。

普段何気なく歩いていた道も、少し輝いて見えた。

 

「あれ、楽しい」

 

別の日、動画共有サイトで、ギターの弾き語りをしている女性を目にした。

 

「かっこいい」

 

そう思った2分後に、通販サイトで「初心者アコギセット」を購入した。翌日届く。開封して音を鳴らしてみる。

 

「あれ、楽しい」

 

家の周りを散歩して、ギターを弾いている。

学生時代の自分からしたら、考えられない。

それでも、この時間がとても好きだ。

 

「何もない時間」が生まれたことによって、外に出たことによって、自分も気づいていなかった「好き」に気づくことができた。

 

世の中の状況、今いる自分の環境は、誰も変えてくれない。自分を変えることができるのは、自分が踏み出す一歩だけなのかもしれない。

 

様々な変化が起こり、付いていくのに精一杯だった一年目。

 

二年目は、アップデートした仕事ができるように。そして、「無駄な時間」を楽しめるように。

 

一歩ずつ進んでいきたい。