9月30日 森 富美

日焼けした皮膚がむける事態を失恋ソングにしてしまえるのは
槇原敬之さん(「くもりガラスの夏」)だけだと思うのですが、
この夏、私も20数年ぶりにそのつらさを経験しました。
 
あ、もちろん、「失恋」じゃなくて「皮膚むけ」のほうです。
 
大人になってから、乗り物に酔うようになりまして、
特に、船が苦手です。
仕事ならともかく、プライベートで船に乗りたいとは思わないのですが、
「イルカと泳げるツアーに行きたいよう」と息子にせがまれ・・・
どのくらい船に乗るのか、揺れはどの程度か
慎重に確かめて、もちろん薬もしっかり飲んで、出かけました。
 
幸い、船は揺れず、シュノーケルで波酔いすることもなく、
イルカはかわいく、大満足の復路、
「ああ、風を切って船で走るのは気持ちいいなあ」なんて思いながら
寝ちゃったんですね。
 
目覚めた時には、脚が真っ赤に腫れて熱を持っていました。
上半身は陰に入っていたので無事でしたが、
下半身は着替えもままならないほど。
 
痛みは3日ほどで収まり、赤さが黒さに変わってきた5日目、
突然皮がむけ始めました。
それは、ちょうど私の夏休みが終わるタイミング。
 
休み明けに、ボロボロ皮膚が剥がれ落ちる脚をスタジオに運ぶのは、
なんとも面目ないものでした。
グラビアアイドルやモデルだったらクビになっているところだと、
四十路のアナウンサーであることにホッとしつつ、
それでも人前に出る職業として自覚に欠けると反省したのは言うまでもありません。
 
二週間くらいかけてようやく、肌は普通の状態に戻りました。
今は、一皮むけて生まれ変わった気分で、カメラに向かっています!