1月15日 郡司 恭子

うつ向くなよ、ふり向くなよ♪
高校サッカーの大会歌として親しまれる「ふり向くな君は美しい」
作詞・阿久悠、作曲・三木たかし。

 
このフレーズを耳にすると、いよいよ高校サッカー開幕!
年末年始がやってくるぞ、高校サッカーの中継頑張るぞ、と
意欲がわいてくる、そんな曲です。

 
今年も成人の日1月8日に決勝が行われ
今年は前橋育英高校が4093校の頂点に輝きました。
去年の決勝では0対5と大敗を喫した前橋育英。
その悔しさを乗り越えてのアディショナルタイムで決勝点という
ドラマチックな試合でした。

 
サッカーに関する格言で
「強いものが勝つのではない、勝ったものが強いのだ」
という言葉があります。
その言葉の神髄を毎回感じるのが、この高校サッカー。
前評判や、過去の戦績を裏切るように勝ち上がる学校があったり
これまで注目されていなかった選手が、一日にしてスター選手になったり。

 
ただ、高校サッカーの魅力は
負けてしまった選手たちにこそあると、私はそう思っています。
3年間サッカーを一心に思い続けて、家族や友人のサポートを受けながら
ただがむしゃらに、ひたむきに、ボールを追い続ける。

 
高校サッカーの取材に伺うたびに、
一生懸命に練習する選手、声をからす監督、
その姿をじっと見つめるコーチやマネージャー。
そのひとりひとりの背中に、人生やドラマを感じずにはいられないのです。

 
高校サッカーというひとつの舞台が
負けた瞬間に幕を閉じる。
その舞台裏に隠された思いや、経験を思うと
アナウンサーとしてピッチサイドにたっていたとしても、
熱いものがこみ上げてしまいます。

 
今年の決勝で、惜しくも準優勝となった流経大柏。
キャプテンは終了のホイッスルが鳴った瞬間に
泣き崩れるイレブンを、すこし強引な手つきで起き上がらせ
「まずは整列して、一礼しよう」と促していました。


彼の勇猛果敢プレーとは対照的な、紳士的な一面を見て
スポーツのあるべき姿を見たように思いました。


高校サッカーが閉幕して早1週間。
まだ選手たちが放つ、爽やかやありながら雄々しいオーラが
目に焼き付いて離れません。


来年はどんなドラマが生まれるのか?
アナウンサーとして、ひとりの高校サッカーファンとして
今からたのしみでなりません。

(写真は、高校サッカーの応援席リポートについて
ディレクターと相談している一幕。真剣で顔が怖い・・・)