1月31日 新谷保志

写真のもの、なんだかお分かりになりますか?
これと同じようなものが、都内の道路には44個、埋められています。

そう、これは東京マラソンの距離ポイント表示。
実は、コース沿いの「~km」ポイント1kmから42kmまでと、
スタートとフィニッシュに埋め込まれているんです。
写真の「スタート地点」は、都庁正門の目の前にあります。

東京マラソン、私は今大会、2年連続で2号車の実況。解説は瀬古利彦さんです。
放送時に恒例なのがコース下見。
2号車実況のお手伝いをしてくれるサブアナの新人・郡司恭子アナウンサーと
延々42.195km、歩いて踏破しました。
選手はあっという間に2時間で駆け抜けてしまいますが、
ちょっと冷静になって考えてみると、途方もない42km。
時速5kmで歩いても9時間歩きっぱなし。
大学生まで陸上部で長距離をやっていた自分にとっては、
走って完走するよりも長く苦しい2日間、10時間にわたる42kmウォークでした。

何のためにこんなことをするのか、と思う方もいるかと思いますが、
これは日本テレビアナウンス部の伝統。
ロードレース前には、必ずコースを歩いて下見します。
これは全長が100kmを超える箱根駅伝でもそう。
さすがに箱根は毎年行けませんが、担当者は1度必ず芦ノ湖まで歩いています。

コースを実際に歩いてみると、選手の視線で見えるものに気づいたり、
コースの細かな起伏を感じたり、気温や風を実感したり...。
得るものはたくさんあります。
もし実況アナウンサーの誰かが「この~という建物は何年に建築され」とか、
「この辺りはビル風が強く」と話しだしたら、
「ああ、この人はコースを歩いたんだな」という目で、話を聞いていただければ幸いです。

歩いて苦しんで長さが分かった42.195km。
そこで戦う選手たちの攻防をどう伝えるか。
歩いたコースをイメージしながら、調べ物を進め、選手と会って話をして、
2月23日まで準備をしていきます。

東京マラソン、2月23日午前9時から放送です。