10月11日 石田エレーヌ

都内の銀杏(イチョウ)の木々の黄葉はもう少しですが、幹の下にはもう沢山の銀杏(ギンナン)が落ちています。もうすぐ大好きな黄色い絨毯が見られる!とウキウキする気持ち半分、独特の臭いを前に、少し複雑な心境です。

そんな銀杏は、雌雄異株の植物です。ご存じの方も多いでしょうが、オス、メスの木があります。多くの植物は一つの花に雄しべと雌しべを持つ両性花なのに、ちょっと不思議です。例えるなら、雄しべと雌しべが一緒にあるのは夫婦が同居している家、別々にあるのは別居の家、のようにも思えます。どんなスタイルでも、きちんと種子を残せるシステムになっているのには、感心させられます。

2月に出産し4月に仕事に復帰しながら子育てをしている私は、植物や動物について、今までは意識しなかった角度から見て考えるようになりました。
動物の世界でも、夫婦が協力して子を育てていくものもあれば、哺乳類で父親が子育てに関わるのは5%とも言われ・・・大多数の動物はやはり母親が子育ての中心です。それを思えば、今話題のイクメンがどう、という価値観もどうでもいいことのように思え、時々夫が手伝ってくれるならラッキーとさえ感じられます。
これまで気にしていた小さなことにとらわれずに、おおらかな気持ちでいられるので、腹が立ちそうな時、落ち込みそうな時は自然界の色々な仕組みの事を考えます。

そんな私の息子も、散歩が大好きです。今は満開のキンモクセイの近くを通ると、ベビーカーの中で熟睡していても、パッと大きく目を開けて「あーうー」と声をだし喜んで手足をバタバタさせたり、珍しい鳥のさえずりが聞こえてくると不思議そうにキョロキョロしてベビーカーから力いっぱい外に出ようとしてみたり、全身全霊で季節の移り変わりや都会の自然を感じて楽しんでいます。

同じような環境に住んで同じような生活をしていても、私が今、感じられていない幸せなこと、豊かな気持ちになれる視点がまだまだ沢山ありそうな気がしています。
これからも出産や子育ての経験も生かして、色々な人の立場や視点、価値観や気持ちを少しでも理解して私ならではのスタイルで仕事をしていけたらと思います。