11月13日 藤田大介

ご縁あって今年から、国土交通省の「日本鉄道賞」の選考委員を務めています。


鉄道の発展に貢献した取組みを表彰するもので、

委員には大学教授や編集者、写真家などが名を連ねています。

 

理系の大学からアナウンサーに進んだ私は、視野も知識も乏しく、

全国を鉄道で廻り、文化や言葉、食を地域の方々に教えてもらいました。


委員を引き受けたのは、全国の皆さんの姿を伝える事で恩返ししたい一心でした。

 

選考では書類に線を引き、関連書物を読みこみました。

どの団体も共通して、鉄道事業を超えた“温もり”ある取組みが印象的でした。

 

例えば、駅の壁や床を磨き直し古びた駅を輝かせたプロジェクトや、

客がスマホで購入した切符を表示し開発コストを抑えたアイデアなど、

厳しい環境下でも利用者への思いやりが溢れていました。

 

先日、鉄道誕生200年を迎えたイギリスを訪れた際、

「日本の鉄道は美しく、時間に正確で格好いい」と称賛されました。


帰国した日、成田空港駅のホームに立った時、ゴミも落書きもない美しさに私は息をのみ、

当たり前の尊さを再発見しました。


多くの温かい手で守られているこの国を誇りに思いました。

「鉄道が元気になれば、街も人も元気になる」。

私は自身の信念を胸に、「明るい未来」を創る手伝いを様々な形で関わり続けたいと思います。