2月14日 平川 健太郎

今年も、箱根駅伝の実況で新年を迎えました。

今回も本当に多くの皆様にご覧いただきました。大変ありがとうございます。

 

今回初出場の駿河台大学の取材を担当しました。

中学校の先生から心理学を学ぶために編入し、同時に箱根出場を目指した31歳・今井隆生選手が注目されましたが、彼を取材する中でこの言葉が印象に残りました。

 

「自分が入った事で、チームの何かが変わったとは思いません。

でも、何かを動かした、とは思っています」

 

それまでは、「箱根を目指そう!」と声は上がっても、決して同じ場所から出ている声では無かった、と。

「富士山の頂上を目指そう!」といっても、それを富士山の麓で言っているのか、都心の高層ビルから見て言っているのか・・・

中学生を指導してきた分かりやすい説明に、大いに納得しました。

 

「自分のような立場の人間が奮闘する事が、少なからずチームを同じ立ち位置から目標に向かうチームに“動かした”のではないか」、と実感したそうです。

何かを言う以上に、その背中を見せる事で、はるか年下のチームメイトたちの心が「動いた」のでしょう。

結果、みんなが麓に集まって、大きな目標を達成する事が出来ました。

 

今井選手は春から教壇に戻ります。

もしかしたら、今回タスキリレーした永井竜二選手のように次の教え子が箱根を走るかもしれません。

その選手が今井先生からどんな教えを受けたかなど、取材出来る日が今から楽しみです。